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うさぎは予防接種をしなくても大丈夫です。
そもそも、日本においてうさぎ用のワクチンは普及していません。
犬のように毎日外へ行くわけではありませんから、外からウイルスをもらってしまう危険性も低いです。
しかし、ブリーダーやペットショップで病気やノミやダニを貰う可能性はあります。
また、時々おさんぽに連れて行ったり、庭やベランダなどで、運動がてら適度に日光浴をさせてあげる人もいます。
外出(うさんぽ)時に、犬や猫につくノミやダニがウサギについてしまう可能性もあるため注意が必要です。
うさぎは基本的に夜行性の(詳しくは夕暮れと早朝に活動する)動物なので、日中に外出させることは必須ではありません。
ノミやダニは予防接種(ワクチン接種)で予防できるものではないので、やはり予防接種は必要ないと言えるでしょう。
室内飼いのうさぎは、年2回やった方が良いという説を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
実は、これはオーストラリアでうさぎを飼育する場合の話です。
オーストラリアでは、「兎ウイルス性出血病(Rabbit Viral Haemorrhagic Disease:RVHD)という、うさぎの致死率が高い感染症が流行した経緯があったため、春と秋の年2回、うさぎの予防接種を行うことが推奨されています。
このオーストラリアでのうさぎの予防接種と混同されてしまう方が多いようですが、日本でうさぎを育てるときの一般論ではありませんので、安心してください。
なお、日本ではうさぎの流行性の感染症自体が稀ですが、万が一発生しても人間に移るものではありません。
そのために、触れ合い動物園や小学校の飼育小屋にうさぎがいることが多いのです。
ただし、モルモットにはうさぎからボルデテラ菌という病原体が移ることがあります。
この菌は、うさぎにはほぼ無害なのに、モルモットには致死的な病原性を持っているものです。
うさぎとモルモットを一緒に飼いたい場合は注意し、心配であれば動物病院やペットショップなどからアドバイスしてもらうと良いでしょう。
そうとはいえ、一緒に暮らしていく大事な家族であるうさぎ。
健康に長生きさせてあげたいですよね。
動物病院で定期検診は必ず受けるようにし、その際に予防接種が必要かどうか医師に相談すると良いでしょう。
ただし、うさぎは痛みに敏感な動物です。
他の動物と比較して、骨が軽く骨折しやすい性質や、ストレスにとても弱いという特徴があります。
胃潰瘍もわりとすぐにできてしまいます。
そのため、無暗に検査を受ければ良いという訳ではありません。
症状が何もないのであれば、尿検査や便検査などの、本人に全く負担のないものから始めましょう。
うさぎに詳しい先生をきちんと探すことも、可愛いうさぎを育てていく上で非常に重要です。
もし健康な時に検査や爪切りをして骨折してしまっては、目も当てらません。
うさぎが健康的に生きて行くためには、予防接種はせずとも日々のケアが必要です。
換毛期のブラッシングや、ケージのお掃除、適切な水や食事、部屋の中や外での適度な運動など、うさぎが伸び伸びと生活できる環境を作ってあげましょう。
何よりも大切なのは食餌です。
うさぎも人も医食同源であることは同じ。
ペレットは体重の3〜5%ほどに抑え、チモシーの一番刈りを毎日たっぷりとあげます。
嗜好性(おいしさ)があってもアルファルファを大人になってもあげ続けると、体内に石ができてしまうのでやめてください。
軟便になる、また肥満になることが多いので、オヤツは特別な日(病院に行く、爪を切る)だけにしておく方が良いでしょう。
動物を飼うということは、一つの尊い命を預かるということです。
信頼できる病院で健康診断を行い、毎日ストレスを溜めないようにきちんとうさぎの様子を見てあげることが何よりも大切です。
食べ方、水の減り方、うんちの大きさや数、元気の度合いを必ずチェックするようにしてください。
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/03/08
公開日 : 2016/06/12