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元は北海道でのみ繁殖をしていました。
しかし、1930年以降には本州でも繁殖を始め、現在は西日本にも繁殖範囲を広げています。
なぜそこまで繁殖範囲を広がられたのかというと、営巣環境への適応が高いためです。
また、地面にできたくぼみや建物の間などの様々な場所に巣を作るので、都市部のように人が多い場所でも繁殖でき、天敵に襲われにくいのです。
ちなみに、巣は枯れ草を用いて浅めのカップ状ものを作ります。
寝るときには集団で樹上にねぐらをとります。
人の出入りが多く、夜間でも明るい場所の木でもねぐらとして利用するようになりました。
そのため、木だけではなく看板や工場など、人工的に作られた物でも怖がらずにねぐらとして利用するようになっています。
全長は21cmで、スズメより少し大きく、ムクドリより少し小さめくらいの大きさです。
初列風切羽が10枚、次列風切羽が6枚、三列風切羽が3枚、尾羽が12枚です。
※初列風切羽と次列風切羽と三列風切羽は片翼分の枚数
雑食です。
地上にいるミミズや水の中にいる虫などをよく食べています。
背中の色で見分けることができます。
オスは頭上から背中の部分が黒く、メスは背中の灰色味が強く出ています。
地上にて歩きながらメスに近づき、羽を広げてアピールします。
メスが気に入ってくれずに追い払われてしまったら求愛失敗です。
動画のハクセキレイは相性が合わなかったようで、オスはすぐに去ってしまっています。
幼鳥と成鳥ですが、色の違いがあります。
幼鳥はまだはっきりと模様の色が出ていないので、全体的に灰色味が強くなっているか、バフ色をしています。
幼鳥時の初列風切羽は褐色の部分がありますが、成鳥になるとその部分が黒くなります。
口角の色も異なり、幼鳥は口角が黄色です。
また、幼鳥が初めての冬羽を迎える時は、下嘴基部が黄色くなっています。
大人だとこれが黒色です。
綺麗な高音で「チュイチュイ」「ピーピー」という鳴き方をします。
セキレイ科の鳥はよく鳴くので、海辺や河原などでよく聞いたことがあるのではないでしょうか。
ユーラシ大陸〜日本に生息しています。
留鳥または漂鳥がいます。
学名:鳥綱 スズメ目 セキレイ科 セキレイ属 タイリクハクセキレイ ハクセキレイ
和名:ハクセキレイ(白鶺鴒)
英名:White Wagtail または Japanese Pied Wagtail
全長:21cm
羽:初列風切羽10枚、次列風切羽6枚、三列風切羽3枚、尾羽12枚
食性:雑食。主に昆虫。
雌雄判別:オス→背が黒 メス→背が灰色味がある
幼鳥と成鳥の違い:幼鳥は全体的に灰色味が強い色をしている
鳴き声:「チュイチュイ」「ピーピー」
分布:ロシア沿海地方・ハバロフスク地方の沿岸部、カムチャツカ半島、日本
繁殖:寒冷地では1回、暖地では2回。1回の産卵で4~5個の卵を産む。
こんなに可愛いと、そばに置いておきたくなっちゃいますね。
そういえば、ハクセキレイは飼育することはできるのでしょうか?
ハクセキレイですが、基本飼育することはできません。
『鳥獣保護管理法』にて制定されており、販売はもちろん、野生のハクセキレイを捕まえて飼育することはできないのです。
ただし、例外があります。
それは、ハクセキレイを保護した場合です。
もしハクセキレイを保護した場合、やらなければいけないことがあります。
各都道府県にありますので、その地域を管轄する野生鳥獣担当機関へ連絡をしなければなりません。
連絡をしないと、違法捕獲と間違われてしまう場合もありますので、必ず連絡をしましょう。
連絡をし、その後の指示を仰ぐようにしてください。
保護したのであれば、全く動かない状態だったり、相当な怪我をしているはずです。
そのため、いち早く応急処置をしなければなりません。
基本的に行うことは、『保温』『安静』です。
『安静』にするために、ハクセキレイがちょうど入る大きさくらいに小さい箱に入れます。
空気穴をあけ、興奮しないように箱の中が暗くなるようにしてください。
また、物音に驚いて暴れてしまうこともあるので、箱の外の音があまり聞こえないようにした方がいいです。
次に『保温』です。
暑すぎも良くないので、カイロや湯たんぽなどで25度〜30度くらいに温めます。
保温器具が 鳥 に直接当たらないように、箱の外にカイロを貼ったり、湯たんぽをタオルで包むようにしてください。
保護ですが、「飛ばないから」「幼鳥が親鳥とはぐれているから」とむやみに保護をしてはいけません。
すぐに飛ばなくても少し時間が経てば飛ぶ可能性もありますし、幼鳥が親鳥と離れていても人がいなくなれば親鳥が迎えに来ることもあります。
まずは保護しようとせず、ハクセキレイの様子をよく見て保護した方がいいのか判断をしましょう。
保護した場合、飼育することになる可能性もありますが、ハクセキレイの飼育は基本不可能になります。
野生のハクセキレイを観察するしかありませんね。
でも、あなたが観察しているそのハクセキレイは、本当に本物のハクセキレイですか?
実はこちらの写真、ハクセキレイではありません。
この鳥は、『セグロセキレイ』という鳥なんです。
セグロセキレイとはハクセキレイと同じセキレイ科の鳥です。
ハクセキレイはロシアにもいますが、セグロセキレイは日本固有種なのです。
北海道では夏鳥、その他地域では留鳥としています。
体長は20~22cmなので、ハクセキレイとほぼ同じ大きさです。
羽の枚数もハクセキレイと同じで、初列風切羽が10枚、次列風切羽が6枚、三列風切羽が3枚、尾羽が12枚です。
色もハクセキレイにそっくりで、白地に黒色の模様が入っています。
オスは上面が黒色で、メスはオスよりやや淡い黒色です。
こんなに似ていると、少し見ただけではハクセキレイなのかセグロセキレイなのか見分けがつかないでしょう。
しかし、見分けられる部分はいくつかあります。
分類:スズメ目 セキレイ科 セキレイ属
和名:セグロセキレイ(背黒鶺鴒)
英名:Japanese Wagtail
体長:20~22cm
翼開長:30cm
体重:26~35kg
羽:初列風切羽10枚、次列風切羽6枚、三列風切羽3枚、尾羽12枚
食性:雑食
雌雄判別:オス→上面が黒色 メス→上面が淡い黒色
鳴き声:「チョチョジョイジョイ」「ジュビッジュビッ」
繁殖:通常年1回だが、年に2回。1回の産卵で4〜6個の卵を産む。
鳴き方もハクセキレイに似た鳴き方をしています。
しかし、セグロセキレイはハクセキレイより少し濁った鳴き声をしており、「チョチョジョイジョイ」と複雑な鳴き方をしている時もあります。
最初は見分けがつかないと思いますが、聞いているうちになんとなく違いが分かってくるでしょう。
羽のパターンの変異は両種とも多いのですが、顕著に異なる部分があります。
それは、次列風切羽と尾羽と耳羽です。
まず次列風切羽ですが、ハクセキレイは白地に暗色部分があるのに対し、セグロセキレイはほぼ白色です。
次に尾羽ですが、ハクセキレイ、セグロセキレイ共に内側の尾羽8枚は黒いのですが、ハクセキレイのみ外側から2枚目の外弁の黒い部分がほとんどありません。
最後に耳羽ですが、セグロセキレイは黒色になっています。
ハクセキレイは白、黒、灰色の3色なのに対し、セグロセキレイは白と黒の2色です。
また、顔の模様ですが、ハクセキレイは過眼線が入っている個体が多いのに対し、セグロセキレイは目の下までが黒です。
違う種類の鳥とも見分けるのが難しいハクセキレイですが、ハクセキレイはタイリクハクセキレイの亜種であるため、同じようにタイリクハクセキレイの亜種がほかにも存在し、それを見分けるのはさらに難しくなるのです。
亜種とは、別種と定義するほど大きな違いはないが、色彩や大きさなどで一定の違いが見られる個体のことを言います。
セグロハクセキレイもハクセキレイに似ていて亜種のように見えますが、タイリクハクセキレイと違う種類だと言われています。
しかし、近種ではあるようです。
タイリクハクセキレイの亜種はハクセキレイ以外にも複数おり、日本で観察することができる個体もいます。
他のタイリクハクセキレイ亜種より大型です。
眼科部が白く、過眼線があり、クチバシ全体が黒色です。
メスは上面が灰色で黒い羽が混じります。
オスは上面が光沢のある黒色です。
胸元も黒いですが、メスよりオスの方が黒い部分が広くなっています。
数少ない旅鳥(春、秋に国内を通過する渡り鳥)です。
ハクセキレイより細い過眼線があります。
また、クチバシもハクセキレイより細い傾向があります。
頭上〜後頸と腮〜横頸〜胸までが黒色です。
上面は灰色で、色の境目がくっきりとしています。
冬羽の時は、首輪状の黒帯があります。
夏羽の時は、オスよりメスの方が背の色が淡く、胸の黒色の部分が小さい傾向にあります。
しかし、野外観察をしただけでは雌雄の判別は分かりづらいです。
数少ない旅鳥、または冬鳥です。
ハクセキレイとの交雑や繁殖例があります。
模様ですが、過眼線はありません。
夏羽は、胸の黒い模様が喉~耳羽辺りまで伸びています。
また、上面全体が黒いです。
しかし、冬羽になると夏羽より上面の黒色が淡くなります。
個体差はありますが、雨覆が白い個体が多いです。
顔が黄色味を帯びている個体や、薄い灰色の斑がある個体もいます。
数少ない旅鳥、迷鳥(本来日本には生息していない鳥。なんらかのアクシデントにより国内に飛来)。
顔の模様がとても特徴的です。
口角から目の下を通り、頬まで伸びるヒゲのような黒い模様があります。
上面は明るい灰色をしています。
幼鳥はセグロセキレイの幼鳥によく似ています。
2月〜4月に与那国島で数例目撃情報があります。
メンガタハクセキレイに似ており、顔の模様はメンガタハクセキレイと同じようにヒゲのような黒い模様が出ています。
上面全体が黒色です。
メスは上面の黒色が淡いです。
2月〜4月に与那国島で数例目撃情報があります。
過眼線がなく、顔の模様がホオジロハクセキレイと同じです。
頭上〜後頸と胸は黒色、喉は白です。
上面は黒色が混じらない灰色です。
頭と上面の色の境目がくっきりと分かれています。
数少ない旅鳥です。
過眼線がなく、胸の部分が黒色、上面が灰色なので、ニシシベリアハクセキレイに似ています。
しかし、胸の黒色部は腮まで伸びています。
ニシシベリアハクセキレイはこれが首元まででそれより上は白です。
初めての冬羽の時には、ごく淡い過眼線が出ると言われています。
言葉で並べると見分け方は簡単に思えますが、実際に野鳥観察をして判別をするのはとても難しいでしょう。
さらに、ハクセキレイは亜種間での交雑があると言われているので、個体差なのか交雑個体なのかはっきりわからないのです。
ハクセキレイは日本全国に数を増やしているのに対し、セグロセキレイは数を減らしています。
しかし、セグロセキレイの方がハクセキレイより体が頑丈で強い個体なのです。
それなのに、なぜこのようなことがおきているのでしょうか。
それは、冒頭で申し上げましたように、ハクセキレイの営巣環境への適応が高いためです。
ハクセキレイは縄張り意識がとても強いので、生活圏が競合してしまうと、追いかけ回して縄張り争いをすることがよくあるのです。
これは多種のみならず、同種でも行われます。
人に特に害がなく、かわいらしいハクセキレイが増えることは、あまり悪いことではないように思えますが、日本固有種の数が減ってしまうのは悲しいことですね。
最終更新日 : 2021/05/04
公開日 : 2017/10/15