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スノーシューは、1960年代のアメリカで最初に生まれました。
フィラデルフィアでブリーダーをしていたドロシー・ハインズ・ダウガーティーさん宅で生まれたシャムネコの子猫たちのうち3匹に「足の部分が白い」という特徴的な模様があり、それを気に入ったドロシーさんがこの模様を固定させようとしたのが始まりです。
ドロシーさんはその子猫たちの外見から彼らを「スノーシュー」と名付けました。
しかし、最大の特徴である白い足は劣性遺伝であるため、その模様を世代にわたって安定して出現させることが困難でした。
劣性遺伝とは劣った遺伝という意味ではなく、表れにくい形質の遺伝のことを言います。
そのためドロシーさんは「スノーシュー」の種としての固定化をあきらめてしまうのですが、スノーシューに魅せられたほかのブリーダーたちが繁殖を続け、1982年になってやっとCFF(Cat Fanciers 'Federation アメリカの最も古い猫の血統を認める連盟)に猫の正式な品種として認められました。
国際的な猫の血統を認める機関であるThe International Cat Associationに品種として登録が許されたのは1994年になってからのことです。
スノーシューはシャムネコとアメリカンショートヘアーが掛け合わされた品種で、真っ白な靴下を履いているような足が特徴です。
頭から顔にかけてのポイントカラーは、俗に言うはちわれの模様になっています。
ポイントカラーはその他に胴体やしっぽ、足にも現れます。
毛色はシャムに近いですが頭の形は丸く、体型もどちらかというとコロコロしていてアメリカンショートヘアーの特徴が色濃く出ている場合が多いです。
生まれたばかりのときは白い毛色で、生後2~3週間でポイントカラーが現れてきます。
これはシャム・ミックスに多い特徴で、真っ白だと思っていた子猫にだんだんと色や模様が浮き出てくることがあります。
目はシャムネコの特徴を受けついだブルー・アイです。
目の形はシャムネコよりも大きくて丸い形状をしています。
猫の品種として認められてはいますが、必ずしもスノーシューの独特の毛柄が出現するとは限らないため数が少なく、貴重な品種となっています。
スノーシューの体の大きさは、オスが3.5㎏~5㎏、メスが3.5㎏~4.5㎏ほどで一般的に見かける中型の猫とほぼ同サイズです。
スノーシューはかしこく、甘えっこの性格の子が多いようです。
人間と一緒にいることを好み、飼い主を母親や親友のように慕います。
家族全員に対して愛情深いですが、家族の中でより自分が愛情を抱く対象に対しては一緒に居たいと強く思うようです。
猫にしては人見知りが少ないようで、家族以外の来訪者に対しても寛容な態度をとることが多いです。
おしゃべりが好きで鳴き声を出すことが多いですが、かわいい小さいな声で鳴くことが多いので近所迷惑になるようなレベルではありません。
鳴き声を出すのは家族や飼い主と会話をし自分に注目をしてもらいたいからなので、十分にかまってあげることが大切です。
スノーシューは賢いのでドアを開けることなど簡単にできますし、運動神経も優れていて活発です。
14歳から17歳くらいと言われています。
一般的な猫に比べて少し長めの寿命です。
健康で長生きをしてもらうためには完全室内飼育をしましょう。
スノーシューの祖先であるシャムネコは遺伝的に気を付けなければならない点が多いのですが、混血で生まれた強みを発揮しスノーシュー自体は、体は丈夫です。
ただし、猫特有の気を付けなければならない病気はありますので、飼育する際は体調管理に留意してあげましょう。
猫は歯周病になる宿命と言われるほど歯周病になりやすい動物であり、それはスノーシューも同様です。
ごく年少の猫でもすでに歯周病にかかっている、若いのに歯周病で歯が抜けた、歯周病の痛みによりご飯が食べられないなどの症状がよく見られます。
それらを防ぐためには、やはり一番効果的なのは毎日1回、歯みがきをしてあげることです。
ただし、猫は歯みがきをするのが難しい場合があるので、そのときは液体歯みがきなどを使うと歯みがきほどではなくても効果が期待できます。
猫はもともと暑い地域に住んでいた動物なので、水分の摂取量が少ないです。
水を飲む量も少ないので膀胱炎や尿管結石になりやすく、命を落としてしまう場合もあります。
早期発見できれば治療は難しくありませんので、猫の尿の状態には日頃から注意しましょう。
色やにおいがおかしいときや猫が頻繁にトイレに行く、トイレで叫び声をあげたりする異常が見られたならば、なるべく早く獣医へ連れていってください。
食事はウエットフードも与えたり、水飲み場を増やすなど水分を取らせる工夫を日頃から心がけることも予防になります。
特に高齢の猫に多いのが慢性腎不全です。
腎不全の直接の原因は不明とされていますが、猫は水分の摂取量が少ないので濃度の濃い尿を腎臓で作らなければならず、それが特に高齢猫の腎臓には負担になると言われています。
腎不全は6歳くらいのシニアから発症しやすくなります。
シニアの年齢になったら、腎臓病ではなくても腎臓ケアのフードを与えると発症を予防したり遅らせたりする効果が望めます。
スノーシューは長時間一人ぼっちでいることを好まない猫なので、お留守番の多い家には向きません。
おしゃべり好きでもありますし一緒に会話し、時間を共有してあげられる方が飼い主として望ましいです。
もしお留守番が多くなるようであれば、複数で飼育するなど孤独にならないようにしてあげましょう。
他者に対して寛容な性格なので犬とも仲良くできます。
室内のみで飼育しましょう。
特に現在の日本は外の世界は猫にとって危険なものでいっぱいです。
・自動車事故
・病気の感染…日本は先進国の中で一番猫のエイズ・白血病(猫族にしか感染しません)が蔓延している国であり、感染すると治療法はありません。
・虐待…人間による動物の虐待
猫は室内のみの飼育が可能ですし、室内飼育の猫は放し飼いの猫に比べて寿命が2年以上長いというデータがあります。
スノーシューは活発な性格で運動神経も抜群です。
高い場所を歩くなどのリスクを好む傾向もありますので、キャットウォークやキャットタワーなど猫が高さと運動を楽しめる工夫をしてあげましょう。
猫は広さよりも高さがある方を好みます。
わざわざキャットウォークを取り付けなくても、家具の配置を工夫するだけでも猫が好きな高い場所を作ってあげられます。
スノーシューは短毛ですし、被毛の手入れはそれほど面倒ではありません。
猫は自分で自分の体をきれいにしますが、週に1度程度ブラッシングをしてあげましょう。
抜け毛を取り除くことで毛玉を吐き出すことを抑制する効果もあります。
スノーシューは完全室内飼育をしてあげることが推奨されますが、活発な猫であるため脱走されないように気を付けましょう。
幼いころから室内のみで生活していた場合は外に出たがることはありませんが、一度でも脱走してしまうと脱走癖がついてしまいます。
自分の家に戻ってこられない猫は少なくはありません。
玄関と廊下の境に内扉を取り付けたり、窓などに脱走防止柵を取り付けるなど猫を飼う前に対策を施しましょう。
スノーシューはドアを開けるなど簡単にできてしまいますから、網戸のみだと脱走の危険は高いです。
万が一脱走されてしまったら、時間がたてばたつほど発見の可能性が下がりますのでとにかくすぐに探してあげましょう。
大抵はお家の近くの物陰などに潜んでいる場合が多いので、まずはすぐに住居の近辺をくまなく捜索してください。
猫の捜索には体力も精神力も摩耗しますから、後悔しないように脱走防止対策は万全にすることをおすすめします。
値段は20万円~40万円ほど。
劣性遺伝であるため、大変な希少種です。
日本ではほとんど見かけません。
CFA(猫登録協会)、TICA(国際猫登録協会)などに問い合わせるとブリーダーを紹介してもらえるかもしれませんが、すぐに手に入れることはかなり難しいでしょう。
原産国:アメリカ
歴史:偶然生まれたシャムネコの劣性遺伝の毛柄を固定するためにシャムネコとアメリカンショートヘアーをかけ合わせて改良された
寿命:14年~17年
大きさ:オス 3.5kg~5kg、メス 3.5kg~4.5kg
性格:社交性があり賢く、人と一緒にいることを好む
運動能力:機敏性があり運動能力が高い
毛色:四肢が白く、頭や尾にシャムネコのポイントカラーが現れる
目の色:ブルー
スノーシューは人間を含むほかの動物とも仲良くなれる穏やか性格の猫です。
一人ぼっちを嫌い、飼い主とのコミュニケーションを楽しむ性格でもありますから、長い時間を猫と一緒に過ごしたい人や猫との会話を楽しみたい人には最適の猫です。
日本で手に入れるのはかなり難しい希少種ではありますが、一度は会ってみたい魅力にあふれた猫です。
最終更新日 : 2020/12/11
公開日 : 2017/03/24