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【獣医師が解説】犬に豆腐をあげても大丈夫?与える際の注意点とおすすめレシピも紹介






犬に豆腐をあげても大丈夫です。
豆腐はにがりと大豆が主成分で、犬にとっての中毒物質は入っていません。

植物性のたんぱく質を多く含む豆腐は、犬にもメリットがたくさんあります。
しかし、食べ過ぎると肥満や下痢になる可能性もあるため注意が必要です。

本記事では、犬に豆腐を与える量や注意点、おすすめのレシピ、大豆アレルギーなどについて解説します。
愛犬のご褒美に豆腐をあげてみたいと考えている方は、ぜひチェックしてください。

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【目次】【獣医師が解説】犬に豆腐をあげても大丈夫?与える際の注意点とおすすめレシピも紹介

 

犬に豆腐をあげる前に

1. 犬が豆腐を食べるかをチェックしよう

2. 犬に与える豆腐の量

3. 犬にもメリットのある豆腐の栄養素

豆腐を与えるのに注意が必要な犬

1. 治療食を食べている犬

2. 下痢になりやすい犬

3. ダイエット中の犬

犬におすすめの豆腐レシピ

意外に怖い犬の大豆アレルギー

 

 

犬に豆腐をあげる前に

 

dog_tofu1

 

豆腐は健康食品として非常に優秀ですが、だからと言って犬に大量に与えてはいけません。

犬が豆腐好きで、時々少量を与えるくらいであれば、良い食材と言えるでしょう。

 

1. 犬が豆腐を食べるかをチェックしよう

 

豆腐を食べる犬もいますが、食べない犬もいます。

我が家のゴールデンレトリバーは喜んで豆腐を食べていましたが、雑種の犬はもらっても困った顔をしていました。

このように、豆腐はどんな犬でも喜んで食べるという食材ではありません。

 

 

それでも、人から貰えるものなら何でも嬉しい!人と同じものを食べるのが幸せ!と感じる犬もいます。

一度犬に豆腐を与えてみて、反応を見てみると良いでしょう。

 

2. 犬に与える豆腐の量

 

初めて犬に豆腐を与える時は、体質に合わない危険性もあるので、1cm四方ほどの大きさからあげてみましょう。

もし豆腐が体質に合わないのであれば、吐き気や下痢を催すことが多いです。

 

特に体調不良が見られなければ、おやつとして許容される範囲内で豆腐を与えても大丈夫です。

補食であるおやつは、その犬の1日に必要なカロリーの10%までが目安となります。

 

具体的な数値で表すと以下の通りです。

 

<体重5㎏の犬の場合>

1日に必要なカロリー目安:352kcal

1日に食べても良いとされるオヤツ:35kcal

豆腐100gあたりのカロリー:55kcal

豆腐1丁:300g

→体重5㎏の犬に与えて良い豆腐は約1/6丁ほど

 

さらに体格が小さな3kgや4kgの犬は、1/8程度にとどめておきましょう。

 

3. 犬にもメリットのある豆腐の栄養素

 

豆腐の原材料である大豆には、以下のような栄養素が含まれています。

 

  • ビタミンE、ビ タミンB1、ビタミンB2、ナイアシン
  • 食物繊維
  • 大豆イソフラボン
  • カルシウム
  • オリゴ糖

 

ビタミン類は、健康維持に必要な物質です。

食物繊維はおからとして豆腐を作る際に排除されてしまっているので、大豆そのものに比べると少なくなってはいますが、水様性食物繊維も不溶性食物繊維も入っているため、腸内環境への効果も期待できます。

 

カルシウムは生命維持に必要なミネラルですが、結石の材料にもなってしまいます。

ただ、水分量の多い豆腐はカルシウム摂取量よりも水分摂取量が多くなるので、大きな問題にはならないことが多いです。

 

オリゴ糖は人間と同様に腸内細菌の安定に効果が期待できるので、便秘気味の犬のおやつとして豆腐はおすすめ。

さらに、免疫系の調節に大豆イソフラボンの効果が期待できるという報告もあるため、犬にも豆腐は健康食品と言えるでしょう。

 

※参考:D R Finco 1, T L Cooper. Soy protein increases glomerular filtration rate in dogs with normal or reduced renal function. 2000.

 

 

豆腐を与えるのに注意が必要な犬

 

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どんな犬でも豆腐を食べれば健康になるというわけではなく、それぞれの犬の体質を考えて与える必要がありまます。

 

1. 治療食を食べている犬

 

持病があって、動物病院から処方されているドッグフードを食べている犬は、たんぱく質の量をコントロールする必要があるのかもしれません。

 

豆腐はたんぱく質を多く含んでいるので、持病によっては豆腐によって悪化してしまう可能性もあります。

特に腎臓病や尿路結石症を治療している犬や、アトピー性皮膚炎の治療中の犬は注意が必要です。

 

豆腐には脂肪分も多く含まれていることから、脂肪分を控えている犬も注意が必要です。

低脂肪食を勧められている慢性膵炎(まんせいすいえん)や胆泥症(たんでいしょう)、高脂血症を治療中の犬も、豆腐を与える前に必ずかかりつけ医に相談するようにしてください。

 

2. 下痢になりやすい犬

 

持病ではないものの、すぐにお腹を壊してしまって整腸剤や下痢止めが欠かせないという犬も、豆腐を与えるのには注意が必要です。

豆腐は植物性のタンパク質や繊維、脂肪分を含むため、肉食傾向のある犬の代謝や消化に合わないことがあります。

 

もしお腹が繊細な犬に与えてみるとしても、ほんのひと口だけ与えるようにしましょう。

そして、1日は体調に変化がないか、よく観察してあげてください。

 

3. ダイエット中の犬

 

白くて味も薄いので、豆腐はヘルシーなダイエット食材という印象が強いかもしれませんが、実はしっかりとした量のカロリーがあります。

既に肥満体形で、体重を減らさなければならない犬であれば、追加のカロリーになってしまうため与えない方が良いでしょう。

 

豆腐はたんぱく質や脂質が多い食材なので、血糖値は上昇しにくいことからも、通常であればヘルシー食材として優秀です。

適正体重の犬になってから与えると良いでしょう。

 

 

犬におすすめの豆腐レシピ

 

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基本的には味付けはせずに、ドッグフードとまぜたりご褒美として少量を切って与えるのが良いでしょう。

手作り食を実施されている方は、豆腐も良質な蛋白源として利用しているようです。

 

<おすすめの豆腐レシピ>

  • ドッグフードのトッピング
  • 潰しトマトと豆腐の麻婆豆腐もどき
  • 鶏ひき肉と豆腐のつくね
  • かぼちゃと豆腐のおだんご

 

どれも少量であれば犬の楽しみやご褒美として優秀です。

ただ、犬の好みによっては食べないこともありますし、せっかく作っても犬が喜ばないというケースも多いので、無理はしないようにしましょう。

 

 

意外に怖い犬の大豆アレルギー

 

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大豆アレルギーがある犬は、豆腐を食べるとアレルギー症状が出ます。

 

<犬の大豆アレルギーの症状>

  • 口の周りや目の周りが赤くなる
  • 下痢や吐き気が出る
  • 肛門周りが痒くなる
  • 全身的に痒くなる
  • ぐったりする

 

豆腐を食べて数時間の間に上記のような症状が出たら、大豆アレルギーが疑われます。

 

大豆アレルギーの怖いところは、隠れた大豆製品が多いところにあります。

特にノミダニ予防薬やフィラリア予防薬で、チュアブルタイプと言われるお肉タイプのものには、大豆成分が使用されていることがあります。

大豆アレルギーがあると、予防薬の投与によって体調を崩してしまうかもしれません。

 

さらに怖いのは、獣医療でもよく使用される麻酔薬の一部に、添加物として大豆成分が使用されています。

その麻酔薬を使用して避妊去勢手術で全身麻酔を実施すると、大豆アレルギーの犬はアナフィラキシーショックを起こしてしまうのです。

 

病気の予防や健康のための処置で、アナフィラキシーショックで命を落としてしまう犬がいてはいけません。

豆腐を食べてアレルギー症状が出たことのある犬は、必ず獣医師にその既往歴を伝えるようにしてください。

 

※参考:Montserrat Serra 1, Pilar Brazís, Alessandra Fondati, Anna Puigdemont. Assessment of IgE binding to native and hydrolyzed soy protein in serum obtained from dogs with experimentally induced soy protein hypersensitivity. 2006.

 

 

豆腐は犬にとって中毒になるような物質は入っていないので、与えても大丈夫です。

 

ただ、犬に豆腐をあげるのであれば、最初はほんの少しからにてください。

豆腐が犬の体質に合うのであれば、ビタミン類やタンパク質を補う良い食材になるでしょう。

 

ぜひ本記事を参考に、愛犬のご褒美となるように豆腐を活用してください。

 

 

執筆・監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)

 

日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。

ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。

その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。

 

今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。


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