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ネオンテトラは「カラシン」という、中南米やアフリカ、特にアマゾン川流域に生息する熱帯魚の一種です。
カラシンにはおよそ1,500もの膨大な種類があり、ネオンテトラのような小型魚からピラニアまで様々なタイプの魚を含み、初心者から高等者まで多くのアクアリストを惹きつけています。
日本にネオンテトラが入ってきたのは昭和20年代後半頃のことです。
当時はごく一部の裕福な人々しか飼育することのできない高価な魚でした。
水槽設備も今のようには整っていないため、ストーブにかけて必死に飼育したといいます。
ネオンテトラの輝きはそれほどに人を虜にするものなのです。
今ではすっかり手が届きやすい魚となりましたが、その魅力は決して衰えていません。
ネオンテトラは、成長すると大体3cmほどの大きさになります。
1匹あたりおよそ20円~100円以下で販売されています。
水槽に1匹だけを入れて飼育することはまずなく、主に群れで飼育されることもあり、10匹~1セットとしてまとめて販売されていることも多いです。
温厚な性格で、他の魚と一緒に水槽に入れても問題の起こりにくい魚です。
2年ほどの寿命です。
ネオンテトラの餌としてはブラインシュリンプが一般的です。
手に入りやすいものとしては他に赤虫があります。
回数は朝晩2回、量に気をつけて与えます。
餌のあげすぎで魚が体調を崩したり、食べかすが苔の原因になったりもするので、与えすぎには気をつけましょう。
ネオンテトラは比較的丈夫で環境に適応しやすい魚ですが、病気を見つけた時には早急に対策が必要です。
ここでは特に気をつけたい代表的な病気について解説します。
ネオンテトラの病気としてよく知られているのが「ネオン病」です。
筋肉の一部から出血が見られ、白く腐ってしまう病気です。
カラムナリス菌によって起こりますが、感染力が強いため場合によっては水槽内が全滅してしまうこともあります。
発症した魚はすぐに隔離し、水槽そのものも一度水替え・薬浴をした方がよいでしょう。
「ネオン病」という名前ではありますが、他の小型魚もかかる病気です。
「ウオノカイセンチュウ」という繊毛虫の寄生によって起こる病気で、魚の体に白い点々が現れます。
悪化すると体全体が白くなり、エラまでが白点に覆われると呼吸困難に陥り死んでしまいます。
ウオノカイセンチュウ自体は水槽内に常に生息していますが、魚が元気で抵抗力のある間は問題ありません。
急激な水温の低下、水質の変化などによって魚が弱るとこうした症状を引き起こすのです。
原因虫は高温に弱い虫なので、水温を30℃くらいまで上げてやることが対策になります。
べん毛虫の寄生で起こる病気で、白点病よりも小さく黄色みがかった点々が魚の体に現れます。
「コショウ病」などとも呼ばれるものです。
白点病と同じように水温を30℃くらいに上げたり、塩浴による治療を行います。
黄色い点がかなり小さいため悪化して初めて気づくこともありますので、早期発見を逃さないよう、細やかな目配りが大切です。
魚に病気が発生した場合、隔離水槽に薬品を入れて治療を行うことがあります。
これを「薬浴」といいます。
ただし、もともとの水槽の中に薬を入れると、病気の魚だけでなく健康な魚や水中バクテリアにまで影響が出てしまいます。
必ず薬浴は隔離水槽で行い、もとの水槽にその水を混ぜないようにしましょう。
※症状や魚の種類によって使う薬は異なるのでご注意ください。
参考価格:840円(税込)
メーカー名:ニチドウ
内容量:100ml
0.5%の濃度の食塩水の中で治療する方法もあり、これを「塩浴」といいます。
浸透圧を調整することによって魚の体にかかる負担を減らし、病気への抵抗力を高めようとするものです。
ちなみに エビ は薬品や塩に弱いことで知られており、また、塩分によって枯れてしまう水草もあります。
薬浴・塩浴に適さないものに関してはしっかり隔離するなど、デリケートな配慮が必要です。
治療のはずが逆効果に…という悲劇にならないよう、最初のうちは経験者のしっかりしたアドバイスのもとで行うのがよいでしょう。
ネオンテトラと種類として近く、見た目も大変似通ったテトラもいます。
どれも赤・青のラインを持ち、ぱっと見では区別が難しいほど似ていますが、好む水質など育て方は微妙に異なります。
気をつけて選びましょう。
ネオンテトラよりもお腹の赤い部分が長く、面積も広いため、鮮やかな色合いが目を引きます。
大きさもややネオンテトラより大きく、4~5cmに成長します。
ネオンテトラよりもお腹の赤い部分が少ないため、見た目にやや青い印象を与えます。
大きさはネオンテトラより小さく、2.5cm程度です。
熱帯魚の水槽、というとポンプやヒーターなどの装置がたやすく思い浮かぶのではないでしょうか。
日本の水道水になじまない熱帯魚の飼育には、さまざまな事前準備が必要です。
事前に水槽の環境を整え、水をつくって万全にしておきましょう。
水槽を整えてもすぐに魚を入れず、設置してから1週間ほどおいて環境全体を落ち着かせます。
ですから魚と水槽を同時に買うより、水槽の準備が整ってから魚を購入するのが望ましい手順です。
ちなみに、まっさらの水槽を洗う時にも、絶対に洗剤は使わないようにしてください。
ネオンテトラを飼育するには、アマゾンの水に似た弱酸性から中性の水が適しています。
小型の熱帯魚や水草の多くが同じ弱酸性の水質を好みますから、調整のさじ加減をしっかり覚えておくとよいでしょう。
弱酸性とはpH3.0~6.0、中性とはpH6.0~8.0の水のことです。
pHは水質調整剤を入れるなどして調整することができます。
また、水道水にはそもそも殺菌のための塩素(カルキ)が多く含まれています。
水道水をそのまま水槽に入れてしまうと、エラから塩素が入り魚に直接ダメージが生じますし、必要な水中のバクテリアも死んでしまいます。
水槽に入れる水はまずバケツに入れて半日ほど置き、「カルキ抜き」をする必要があります。
水をかえたら魚がみんな死んでしまった…!などの事故を避けるためにも、水のケアは丁寧に行ってください。
水温は25℃~27℃が適温です。
水と水槽が整ったら、いよいよネオンテトラを水槽に投入します。
この時もあくまでデリケートに行う必要があります。
魚を急激な環境の変化にさらさないため、まずは「水合わせ」を行います。
チューブを使った「点滴法」という手法も知られていますが、ここではより簡単なやり方をご説明します。
購入した時の魚は、ショップの水と一緒にビニール袋に入っています。
その袋を縛ったままで、しばらく水槽の水の中につけておきます。
こうすることで徐々に袋の内外の水温が同じになっていきます。
水温が一致したら、今度は水質を合わせていきます。
縛った袋を水槽から出し、3分の1程度の水を捨てて水槽の中の水と入れ換えます。
捨てた水は水槽に戻さないようにしましょう。
これを何度か繰り返し、袋の水と水槽の水がほぼ同じになったらゆっくりとネオンテトラを放します。
最初は水中のバクテリアが少ないので、初めてネオンテトラを飼う場合にはいきなりたくさんの魚を放たず、少数から徐々に増やしていくとよいでしょう。
熱帯魚は一度病気が発生すると水槽全体に感染が広がり、悪くすると水槽が全滅してしまいかねません。
最初から病気の魚を入れてしまわないように注意が必要です。
明らかに群れから離れて泳いでいる魚や奇形の魚は避けましょう。
状態が反映されやすい目やエラがきれいな魚、ヒレがしっかりしている魚を選ぶことも目安のひとつです。
丁寧なトリートメントをしているショップを選ぶことも重要です。
水槽が汚れていないか、死んだ魚が水面に浮いていたり底沈んでいたりしないかを確認してください。
そうとはいえ、初心者のうちは見分けることが難しいものです。
アドバイザーととしては、第一にアクアショップの店員さんが頼りの存在となります。
魚の状態についてしっかり説明してくれるショップ、確実な魚を選んでくれるショップで購入しましょう。
いいショップに出会い、店員さんとの関係をしっかり築くことも熱帯魚飼育の大切なポイントです。
ネオンテトラは色んな楽しみ方ができる魚です。
その楽しみ方のバリエーションをまとめました。
ネオンテトラは、他種の魚と一緒に水槽に入れても水槽のビジュアルにメリハリがつきます。
もともと温厚な魚ですから、他の魚との混泳もさせやすいといえます。
しかしピラニアなど、ネオンテトラを攻撃してしまう魚を一緒に入れるのはやめましょう。
混泳させる魚としては、小型のコリドラスやエビなどが人気です。
ナマズ目の小型の魚で、愛嬌のある顔立ちが人気です。
性格も温厚で混泳させやすく、初心者にも育てやすい魚です。
種類によっては他の魚との混泳が難しいエビもいますが、その点安全性が高いのがミナミヌマエビです。
水槽の苔を食べてくれるエビとしても知られています。
底にいることが多い魚など、ネオンテトラと過ごす水域が違う魚を一緒に入れると、あまり混ざり合わずバランスのとれた光景が楽しめます。
逆にネオンテトラと似通った形・色彩の魚を混入するとゴチャッとした印象になってしまう可能性もあります。
ネオンテトラは単種での群泳が非常に美しい魚でもありますから、半端に混ぜるよりはネオンテトラの群にしぼることがおすすめです。
どんな水草を選んで配置するかも熱帯魚飼育の楽しみのひとつです。
水草の林はいじめられる個体が出た時など、もしもの時の魚の逃げ場所にもなります。
入れる魚の種類によって好ましい水草の種類も変わりますから、生態や見た目に合わせてしっかり選びましょう。
アマゾン川流域に生息するネオンテトラの場合、やはり南米に生育するアマゾンソードなどがよく合うといわれています。
すらりとした葉の合間をすり抜けて泳ぐネオンテトラもまた、格別の美しさです。
ネオンテトラは初心者にも飼育しやすい魚ですが、その繁殖は上級者向けです。
そうというのも、ネオンテトラの稚魚はとても小さく、日本で一般にエサとなるミジンコやブラインシュリンプを食べることができないからです。
稚魚のエサにはより小さいインフゾリア(プランクトン)が必要となります。
ちなみに現在日本で手に入るネオンテトラは、そのほとんどが香港でのブリーディングによるものです。
このように、香港でネオンテトラが養殖されているのはインフゾリアが手に入りやすいからだと言われています。
繁殖については、ある程度飼育に自信がついた頃に挑戦してみるのがおすすめです。
飼育も混泳もやりやすく、何より見た目に華やかなネオンテトラ。
小柄でシンプルな姿でありながら、ネオンテトラを飼育する魅力には果てない広がりがあります。
ネオンテトラを育ててみたいという方のご参考に、そして既に飼育している方にはもっとネオンテトラを楽しもうと思って頂ければ幸いです。
公開日 : 2016/08/20