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ライオンラビット(ライオンヘッド)最大の特徴は、オスライオンのようなたてがみが生えていることです。
しかし、実は 「ライオンラビット」 というのは正式なウサギの品種名ではありません。
たてがみを持つウサギの正式な品種名は 「ライオンヘッド」 であり、 「ライオンラビット」 というのはライオンヘッドに似た見た目を持つウサギ全般を指します。
ライオンラビットとライオンヘッドの見た目はとても良く似ています。
しかし、ライオンラビットとして販売されているウサギはライオンヘッド以外の品種が混じっている可能性が高いため、たてがみがあるライオン系のミックス(雑種のこと、ミニウサギと呼ばれることも)と考えた方が良いでしょう。
耳が垂れたライオン系ウサギは 「ライオンロップ」 、体が小さいライオン系ウサギは 「ライオンドワーフ」 といった名称で販売されていることもあります。
ライオンヘッドのたてがみは 「メイン」 と呼ばれ、その質感は羊毛のようにふわふわしています。
たてがみは成長に従って伸びていきますが、ラビットショーに出場するためには5cm以上の長さが必要とされています。
なお、ウサギにはアンゴラやジャージーウーリーなど、長毛の遺伝子を持つ品種も多く存在しています。
しかし、ライオンヘッドのたてがみが生える“たてがみ遺伝子”は突然変異で生まれたもので、長毛のウサギが持つ“長毛遺伝子”とは全く異なる遺伝子であることが知られています。
ライオンヘッドの誕生にははっきりしない部分があるものの、多くのウサギや国が関わっていると考えられています。
ライオンヘッドの祖先となった最初のウサギは、ベルギーで誕生したとされています。
ベルギーで「スイスフォックス」とドワーフ系ウサギ、小型の「アンゴラ」などを異種交配させたところ、突然変異でたてがみのある不思議なウサギが生まれました。
このたてがみを持つウサギから、ライオンヘッドの歴史が始まったと言われています。
その後、たてがみのあるウサギはイギリスに渡り、改良されてヨーロッパ版ライオンヘッドになりました。
2000年にはヨーロッパ版のライオンヘッドがアメリカに渡り、「ポーリッシュ」や「フロリダホワイト」、「ネザーランドドワーフ」などさまざまな品種とブリーディングされ、アメリカ版のライオンヘッドが誕生しました。
そして、ライオンヘッドは2014年にARBA(The American Rabbit Breeders Association、アメリカにあるウサギとモルモットの開発や改良などを促進する世界規模の非営利団体)における、48番目の正式な品種として認められました。
ライオンラビットはそんな歴史を持つ、ライオンヘッドの見た目に似たウサギという訳です。
ライオンヘッドといえばたてがみが特徴的ですが、実は全くたてがみのない個体も存在します。
ここでは、ライオンヘッドのたてがみ3種類と、その性質を見ていきましょう。
たてがみ遺伝子(M)を2つ持つライオンヘッドで、顔の周りと横腹の周りに長い毛が生えます。
たてがみ遺伝子(M)を1つ持つライオンヘッドで、顔の周りにだけ長い毛が生えます。
たてがみ遺伝子(M)を持たないライオンヘッドで、たてがみは生えません。
ラビットショーに出場できるのはシングルメインとダブルメインで、シングルメインが理想です。
ノーメインはラビットショーに出場できませんが、繁殖のためにはとても有用な形質です。
なぜなら遺伝の関係上、ノーメインとダブルメインの間にできる子どもは全てシングルメインになるからです。
ライオンヘッドの体重は、性別を問わず1.1~1.7kgほど、体長はおおよそ25~30cmほどとされています。
ライオンラビットの場合はこの限りでなく、もっと体が大きくなる(小さくなる)可能性があります。
ライオンヘッドのカラーはトータス、ブラックオター、ブルー、ブラック、チョコレートなどがあります。
ライオンラビットは親ウサギの毛色により、思いがけないカラーや模様が現れる可能性もあります。
ライオンヘッドは少々臆病ですが、甘えん坊で人懐こくて独占欲が強い性格をしています。
ライオンラビットもライオンヘッドと同じく、甘えん坊で人になつきやすい傾向にあります。
ただし性格には個体差があり、遺伝や環境による影響もあることから、あくまで“こういった傾向がある”と考えた方が良いでしょう。
諸説がありますが、ライオンヘッドもライオンラビットも寿命は5~10年ほどだと考えられます。
寿命については、他の品種と大きな差はありません。
英名:Lionhead(Lionhead Rabbit)
原産国:ベルギー
大きさ:
体高・性別を問わず25~30cmほど
体重・性別を問わず1.1~1.7kgほど
寿命:5~10年ほど
次にライオンラビット(ライオンヘッド)をおすすめしたい人について説明していきます。
ライオンラビット(ライオンヘッド)は長毛種であるため、被毛の手入れに手間がかかります。
被毛は直毛で比較的絡みにくいものの、基本的に毎日ブラッシングをする必要があると考えておきましょう。
そんなライオンラビット(ライオンヘッド)は、被毛の手入れが苦ではない方に向く品種だといえます。
ライオンラビット(ライオンヘッド)は人懐こく、とても社交的なウサギです。
少々臆病な一面もありますが、怖がらせることはせずに丁寧に接すれば飼い主によく懐いてくれます。
そんなライオンラビット(ライオンヘッド)は、人懐こいウサギを飼いたい方にぴったりの品種だといえます。
次の項目では、ライオンヘッドやライオンラビットのお迎え方法や価格について見ていきましょう。
ライオンヘッドはブリーダーや専門店、ペットショップから購入できます。
純血のライオンヘッドはアメリカでは人気があるものの、日本国内ではやや珍しい品種です。
血統書がある個体はペットショップではなかなかお目にかかれないため、専門店やブリーダーを探した方が良いでしょう。
一方のライオンラビットは、一般的なペットショップでも販売されていることがあります。
ときおり里親を探している方も見受けられるため、里親募集サイトを探してみても良いかもしれません。
ウサギ専門店で販売されているライオンヘッドの価格は、 1 頭あたり3万円以上です。
ライオンラビットの場合はもう少し安価で、2~3万円程度で販売されていることが多いです。
ただしこれらはあくまで概算であり、カラーや性別、血統によって価格が大幅に前後する可能性があります。
次の項目ではライオンヘッドの飼い方と、そのポイントについて説明していきます。
ケージはトイレや餌入れなどを入れた上で、ウサギが寝ころんだ時にゆとりがある物を選びましょう。
最低でも横幅が60cm以上あり、掃除がしやすくウサギの足に負担がかかりにくいプラスチック製スノコが敷ける物がおすすめです。
ライオンラビット(ライオンヘッド)の主食には、牧草とウサギ用のペレットを与えましょう。
主食には必ずイネ科の牧草を与え、量は決めずに食べたいだけ食べさせてください。
最も流通量が多く手に入りやすいチモシーを主食にするのが理想ですが、どうしても食べない場合はイタリアンライグラスやオーチャードグラスなどを与えても良いでしょう。
なお、牧草にはマメ科の植物(アルファルファなど)もありますが、こちらは主食にしてはいけません。
なぜならマメ科植物は栄養価が高いもののカルシウムが多く、食物繊維が少ないからです。
そうとはいえ、成長期の子ウサギや病中病後のウサギには良い栄養源となるので、必要に応じて与えると良いでしょう。
ペレットについてはチモシーを主原料にした、質が良い物を選びましょう。
ライオンラビット(ライオンヘッド)のブラッシングは、基本的に毎日行いましょう。
長毛種は短毛種より毛が絡みやすく、抜け毛が多いため日々ブラッシングを行うことが大切です。
春と秋の換毛期は特に抜け毛が多くなるため、念入りにブラッシングを行ってください。
爪はウサギの運動量にもよりますが、1~2か月に1回は切るようにしましょう。
ライオンラビット(ライオンヘッド) の運動は、毎日30分から2時間ほど行うと良いでしょう 。
部屋に放したりウサギ用のおもちゃを使ったりして、様子を見ながら遊ばせてあげてください。
リードやハーネスを使って外を散歩させる「うさんぽ」をする方もいますが、ウサギが必要とする運動量は室内でも十分に満たせます。
うさんぽには一定のリスクがあるため、必ずしもウサギを外で散歩させる必要はありません。
ウサギは犬や猫のようなしつけはできませんが、トイレを覚えさせることは可能です。
トイレのしつけの際は、ケージの隅にペットシーツやトイレ砂を入れた小動物用トイレを用意します。
トイレ以外の場所でオシッコをした場合は臭いが残らないようにペット用の消臭剤を使って徹底的に掃除し、オシッコを拭いた紙をトイレの中に入れるという行動を繰り返してください。
ウサギは同じ場所でオシッコをする習性があるため、根気よく続けるとトイレを覚えてくれるはずです。
ライオンラビット(ライオンヘッド)がかかりやすい病気としては、 「胃腸うっ滞」 や 「皮膚の病気」 などが知られています。
ウサギは毛づくろいの時に毛を飲み込み、胃腸でその毛が塊になって詰まってしまうことがあります。
うっ滞とも毛球症とも呼ばれるこの症状になると、ガスが溜まって胃腸が正常に動かなくなり、ショック死してしまうこともあります。
長毛種であるライオンラビット(ライオンヘッド)は、特にうっ滞になりやすい傾向があります。
日頃からしっかりとブラッシングを行うこと、牧草をたくさん食べさせること、適度に運動をさせることを常に意識して、うっ滞にならないように注意してあげてください。
ウサギは24時間(12時間とも)絶食状態になると胃腸が正常に動かなくなること、嘔吐ができないことも覚えておくと良いでしょう。
ライオンヘッドを飼いたいと考えている方は、長毛種のウサギの飼い方について良く学んでください。
被毛の手入れに自信が無い場合は、まず短毛種のウサギから飼うことを強くおすすめします。
本記事ではライオンの名前を持つウサギ、 「ライオンラビット(ライオンヘッド)」 について説明してきました。
ライオンラビットとライオンヘッドの違いや、被毛の手入れに少し手間がかかることが伝わったでしょうか。
血統書付きのライオンヘッドは、日本ではまだまだ珍しい存在です。
一方のライオンラビットもミックスですが、とても愛らしいウサギであることに変わりはありません。
将来どんな姿になるか楽しみながら、日々家族の一員として愛情を注いであげてください。
最終更新日 : 2021/03/25
公開日 : 2020/10/20