本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
スイカには毒性が無く、犬に与えても問題ありません。
皮にも中毒成分は無いので、皮まで食べる動物も多くいます。
スイカはたっぷりの水分と甘みが美味しい食材ですが、犬にとっても魅力的であることが多いようです。
犬は雑食性があることから、野菜や果物も好む傾向があるのです。
実際に、夏の暑い時期に食欲が低下してしまったワンちゃんで、「スイカはよく食べます!」という話もよく耳にします。
「スイカが好きなのですが、食べさせても良いですか?」という質問には、「持病が無ければ食べさせても良いですよ」と回答しています。
犬がスイカを食べるかどうかは個体によって異なります。
食欲が旺盛な犬は、スイカも喜んで食べる傾向があるように感じます。
逆に、ドッグフードはいまいち進まず、食欲はそれほど旺盛ではないという性格の犬は、スイカも好んで食べたりしないことが多いです。
スイカの何が犬の好みに当てはまるのかは不明ですが、甘みは1つのポイントと言えるでしょう。
犬は甘みを感じる動物なので、糖類を含んでいるスイカは犬にとっても美味しいと感じるはずです。
また、食べている姿を見ていると、シャリシャリとかじっていることが多いので、噛み心地も楽しんでいるように思います。
中には皮まで噛んで食べている大型犬も見かけますので、本能的に咬むという行為も楽しいのかもしれません。
スイカの主な成分は水分です。
そのため、食べ過ぎると下痢になることがあります。
また、皮まで食べてしまうと消化しきれないことも多いでしょう。
基本的に強いアレルギー源になるようなものは無いので、大抵の犬は問題なく食べることができます。
むくみやすい持病がある場合、例えば 甲状腺機能低下症 や 副腎疾患 、 心不全 などを患っている犬では多い水分が問題になることがあるので、必ず担当医に確認してからあげるようにしてください。
持病として多く見られる 尿路結石症 の犬にスイカはあげても良いのか?と聞かれると、難しいところではありますが、少量であれば問題ないと答えます。
スイカにもマグネシウムやカルシム、リンが含まれているので、これは尿路結石には悪影響です。
ただ、水分も多く含んているので、尿中の濃度とすると影響は低いと予想できます。
それでも、毎日欠かさずにスイカを食べるというのは、尿路結石の犬には悪影響が出る可能性があるので止めておいた方が安心です。
スイカには主に以下の成分が含まれています。
犬にも良いと言えるスイカの代表的な成分は、 ビタミンC です。
抗酸化成分の代表のビタミンCは、犬にとっても有益です。
そうとはいえ、犬は体内でビタミンCを作ることが出来るので、人間のように必須ビタミンではありません。
そして、スイカには βカロテン や リコピン という成分も含まれています。
βカロテンはビタミンAの前駆体で、体に必要な栄養素と言えます。
リコピンもビタミンCと同様に抗酸化作用がある成分として有名ですね。
カリウム は、体の中の細胞を正常に動かすために大切な電解質(でんかいしつ)と言われるものです。
多く摂ってもオシッコから出ていくので問題ありません。
食欲が無い、カリウム濃度が低いという時には、スイカを試してみるのも良いでしょう。
何よりも体に良いのは 水分 かもしれません。
特殊な病気でない限り、水分の摂取はしっかりとした量が必要です。
それによって、脱水の改善や便秘の解消、オシッコの濃縮のし過ぎを防ぐことができるためです。
腎不全で オシッコが多く出ている犬 にはスイカをあげても良いです。
一歩王で、腎不全で オシッコが作れない段階の犬 にはスイカをあげてはいけません。
腎不全の場合には、この オシッコが腎臓で作られているか がとても大きな問題です。
慢性時不全の犬で、腎機能が低下しているだけの段階であれば、水分とカリウムがオシッコからどんどん流れ出てしまう状況です。
食欲が無い時にはスイカで水分補給とカリウムを摂取してもらうことは良い効果があるでしょう。
末期の腎不全で、いよいよ全く腎機能が無くなってしまうと、乏尿(ぼうにょう)や無尿になってしまうことがあります。
この時、腎臓から体に余分なものをオシッコとして体外に出すことができないので、カリウムも体内に多く溜まってしまうことがあるのです。
カリウムは体にとって必須の成分ですが、多すぎると細胞同士の連絡が取れなくなるために、心停止などの不整脈や痙攣が出ることがあります。
ただ、オシッコが作れないほどの腎不全状態では、基本的に食欲が全くないためにスイカですら口にはしないでしょう。
腎不全でスイカも食べられないような危険な状態というのは、ごく限られた状態だけということですね。
ワンちゃんにとってスイカは夏に食べてほしい食材と言えます。
ただ、食べるかどうかはワンちゃんの性格次第!
体に合わない可能性もあるので、ほんの一口からあげてみるようにしましょう。
食べて下痢や吐き気が出ないように、注意して見守ってください。
また、持病があるワンちゃんでは、必ずしもスイカが体に良い野菜ということでは無い可能性があります。
必ず獣医師に確認してからスイカをあげるようにしてくださいね。
執筆・監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/06/03
公開日 : 2022/06/03