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ビアデッド・コリーはひげが生えた愛らしい顔と、エレガントに見える長い被毛が魅力的な犬種です。
彼らの最大の特徴は、その顔にたたえた長い口ひげです。
“ビアデッド” は口ひげという意味で、彼らは 「ビアディー」 という愛称で呼ばれることもあります。
その被毛はダブルコートで、オーバーコートが長く全身にたっぷりと生えています。
オーバーコートはやや粗くゴワゴワ、アンダーコートは体温を維持するためにふわふわの手触りです。
また、非常に明るくて親しみやすく、人懐っこい性格をしていることも大きな特徴といえます。
ビアデッド・コリーは、イギリスのハイランド地方で生まれた古いタイプの牧羊犬です。
ビアデッド・コリーの祖先は、ハイランド地方で古くから飼育されていた犬だといわれています。
彼らはその丈夫な被毛と優れた運動能力から、雨や霧などの悪天候にも耐えられる作業犬として重宝されていたようです。
彼らの存在は20世紀半ばまで、イギリス国内でも限られた場所でのみ知られていました。
スコットランドとイングランド北部以外でその存在を知る人はおらず、当時はハイランド・ビアデッド・コリーやスコティッシュ・マウンテン・コリーといったさまざまな名前で呼ばれていたようです。
かつてイギリスでは牧羊が盛んで、牧羊犬として多くの犬種が活躍していました。
ただ、牧羊業の衰退とともに、多くの犬種が姿を消してしまったといわれています。
ビアデッド・コリーもそんな牧羊犬のうちの1種であり、その詳しい起源や歴史は今もわかっていません。
なお、ビアデッド・コリーも戦後の混乱で大きく数を減らし、一度は絶滅寸前の状態まで陥りました。
しかし、イギリスの熱心なブリーダーが数頭のビアデッド・コリーを元にブリーディングを続け、なんとか復活したという歴史があります。
その後、彼らはその愛らしい見た目と性格から人気が高まり、今や世界中で家庭犬として愛されています。
彼らは同じくイギリス生まれの牧羊犬、オールド・イングリッシュ・シープドッグと似ています。
両者の違いは大きさ(オールド・イングリッシュ・シープドッグの体高は56~61cm)とカラー(オールド・イングリッシュ・シープドッグのカラーはグレー、グリズル、ブルーのみ)にあります。
そして、オールド・イングリッシュ・シープドッグの被毛は、ビアデッド・コリーよりふわふわです。
また被毛の量も多いため、体のラインがはっきりとわかりません。
ビアデッド・コリーの体高はオスで53~56cm、メスで51~53cmほどです。
体重は20~25kgほどで、オスの方が若干大きくなる傾向にあります。
ビアデッド・コリーのカラーは、スレート・グレー、赤みがかったフォーン、ブラック、ブルー、グレー、ブラウン、サンディ(サンド)が認められています。
いずれのカラーでも、ホワイトの斑が入ることがあります。
ビアデッド・コリーは陽気で親しみやすく、甘えん坊で人懐っこい性格をしています。
彼らは非常に活発でいたずら好きな面も持っていますが、攻撃的ではありません。
また賢く知的な面も持ち合わせていますが、決して神経質すぎることもありません。
人懐こく穏やかな性格であることから、番犬や護衛犬には向きません。
諸説ありますが、ビアデッド・コリーの寿命は12~14年ほどだといわれています。
一般的に犬の平均的な寿命は10~14歳程度です。
それを踏まえると、ビアデッド・コリーは平均的な寿命を持っていると考えられます。
英名:Bearded Collie
愛称:ビアディー
原産国:イギリス
サイズ:中~大型犬
グループ:1G・牧羊犬、牧畜犬
大きさ:
体高・オスで53~56cmほど、メスで51~53cmほど
体重・20~25kgほど
寿命:12~14年
次にビアデッド・コリーをおすすめしたい人、ビアデッド・コリーとの暮らしに向いている人について説明していきます。
ビアデッド・コリーは甘えん坊で、とにかく人が大好きな犬種です。
彼らはその底抜けに明るい性格から、太陽のような性格だと例えられることもあります。
そんなビアデッド・コリーは、甘えん坊で人懐っこい犬と一緒に暮らしたい方におすすめの犬種といえます。
ビアデッド・コリーはかつて、羊を追いかけて広大な土地を走り回っていた牧羊犬です。
牧羊犬としての歴史を持つ彼らは常に動き回りたい、遊びたいという強い欲求を持っています。
そのため、1か所でじっとしていることを好まないということを覚えておいた方が良いでしょう。
そんなビアデッド・コリーは、自宅に広い敷地がある方に向く犬種といえます。
ビアデッド・コリーの被毛は絡みやすいダブルコートのため、毎日ブラッシングする必要があります。
ごわごわしたオーバーコートのケアは5~10分程度で済みますが、ふわふわして密に生えたアンダーコートのケアは30分~1時間くらいかかってしまいます。
そんなビアデッド・コリーは被毛のケアに時間を割ける方、被毛のケアが苦痛でない方におすすめの犬種といえます。
ここでは、ビアデッド・コリーのお迎え方法や価格についてご紹介します。
ビアデッド・コリーは、ブリーダーやペットショップから購入できます。
ビアデッド・コリーは国内ではやや希少な犬種ですが、まれにペットショップでもその姿が見られます。
そうとはいえ、常に子犬がいるとは限らないため、お迎えを検討している方は事前にブリーダーやペットショップに問い合わせると良いでしょう。
また、ときおり事情があり(飼い主の怪我や飼育放棄など)、里親を探している個体も見受けられます。
成犬を迎えるのは簡単なことではありませんが、里親募集サイトをチェックしても良いかもしれません。
ビアデッド・コリーは 1 頭あたり、20~40万円程度で販売されています。
彼らは国内においては数が少なく、希少な犬種です。
カラーや性別、年齢や血統によって価格が大幅に上下する可能性があります。
次の項目ではビアデッド・コリーの飼い方と、そのポイントについて説明していきます。
ビアデッド・コリーの主食には、品質の良い総合栄養食のドッグフードを与えましょう。
彼らは体が大きい分たくさん食べるので、それなりに食費がかかることを覚悟しておいてください。
また、おやつはしつけに役立ちますが、与えすぎると肥満の原因となるため注意が必要です。
与えるフードの種類や量について悩んだ時は、ブリーダーや動物病院に相談すると良いでしょう。
ビアデッド・コリーのブラッシングは、基本的に毎日行いましょう。
彼らは長毛のダブルコートなので、ブラッシングには相当な手間がかかります。
抜け毛が多いのはもちろん、毛がもつれて毛玉やフェルト状になりやすいため、こまめかつ丁寧なケアが必要です。
ブラッシングをする際には、耳掃除(耳の中のチェック)と歯磨きも同時に行うと良いでしょう。
また、日常のブラッシングに加え、定期的にトリミングを行う必要があります。
毛が多い分トリミングのスタイルの選択肢が多く、フルコート(全身の毛を伸ばした状態)で毛先など必要な場所だけ切る方がいれば、シュナウザーのようなカット(丸刈り)にしてしまう方もいます。
どんなスタイルにするのか望ましいか、犬の体調と飼い主の希望を見ながら決めると良いでしょう。
ビアデッド・コリー のシャンプーは、月に1回は行いましょう。
トリミングサロンに連れていく場合は、トリミングと同時にシャンプーをしてもらうと良いでしょう。
自宅でシャンプーをする時は、毛のもつれを取り除いてからシャンプーを行います。
長い毛は水をたっぷり含むため、シャンプーのすすぎ残しがないように気を付けてください。
シャンプー後は大判のバスタオルを2~3枚使い、水をしっかり取ってからドライヤーをかけます。
濡れたままにしておくと余計に毛玉ができやすくなり、後々大変なことになるので注意してください。
なお、彼らは体が大きく毛の量が多いため、1人でシャンプーをすると非常に大変です。
できれば2人以上で協力し、作業を分担すると良いでしょう。
ビアデッド・コリーはとても活発で、非常にエネルギッシュな犬種です。
毎日の散歩は最低でも1回1時間程度、1日2回行ってください。
遊ぶことが大好きな彼らは、若いうちは1日2時間程度の散歩では足りないことが多いです。
可能な限りドッグランに連れていき、思いきり運動させてあげてください。
自宅にフェンスに囲まれた広い敷地があれば、そこで自由に走らせると良いと良いでしょう。
彼らは賢く身体能力が高いため、アジリティやフリスビーなどのドッグスポーツにも向いています。
ビアデッド・コリーは穏やかで賢く、訓練されることを好むためしつけがしやすいといわれています。
ただし適切なしつけを行わないと、厚かましくわがまま性格になってしまうことがあります。
体が大きくなると制御も難しくなるため、小さいうちからしっかりとしつけることが大切です。
ぜひ子犬のうちからさまざまな環境に連れ出して多くの人や犬に会わせる、社会化トレーニングを行ってください。
どうしてもしつけが上手くいかない時は、プロの訓練士の力を借りることをおすすめします。
ビアデッド・コリーは一般的に、丈夫で健康的な犬種だといわれています。
起こりやすい遺伝病としては、 股関節形成不全、甲状腺機能低下症、天疱瘡(てんぽうそう) などが知られています。
そうとはいえ、ほとんどのブリーダーは遺伝病が発生しないよう、遺伝病の検査や血統の管理を行っています。
しかし、そういった配慮をせずに、金のためだけに犬を繁殖させる悪徳ブリーダーがいるのも事実です。
遺伝病の要因を持った子犬を避けるためにも、子犬はビアデッド・コリーに関する専門的な知識を持ったブリーダーから迎えることを強くおすすめします。
ビアデッド・コリーの被毛は彼らの象徴と言えるものであり、見た目にも愛らしいものです。
しかし目の周りの毛が目に入って炎症を起こしたり、ひげや口の周りが水やフードなどで汚れたりすることがあります。
定期的にトリミングを行い、日頃から濡れタオルなどを使って被毛を清潔に保ってあげてください。
顔周りの毛が気になる場合は、ゴムやリボンで束ねてあげても良いでしょう。
イギリス生まれの犬種「ビアデッド・コリー」について説明してきました。
太陽のような性格だといわれるビアデッド・コリーですが、必要とする運動量が多いこと、また被毛のケアに非常に手間がかかることから誰にでも飼える犬種ではないことが伝わったでしょうか。
ビアデッド・コリーは国内においてはやや珍しいものの、根強い人気を誇る犬種です。
純血犬種の登録や保護を行っている愛犬団体・ジャパンケネルクラブの犬種別犬籍登録頭数では2019年(1月~12月)に36頭の新規登録がされています。(142犬種中83位)
ビアデッド・コリーをお迎えする前には彼らに合わせた生活ができるか、よく話し合ってください。
たっぷりと運動できる環境と十分なケア、そして家族からの愛情を受けたビアデッド・コリーはその太陽のような性格で家の中を明るく楽しく照らしてくれることでしょう。
公開日 : 2020/08/17