logo

Top > 鳥類 > インコ

【元動物園の飼育員が解説】オスとメスで色合いが違う不思議な大型インコ!「オオハナインコ」の特徴や飼い方






あなたは「オオハナインコ」という、色鮮やかな大型インコを知っていますか?

オオハナインコはオスとメスが全く違う色で、別の種類のように見えることで有名なインコです。
彼らは性別によってあまりに見た目が違うため、かつてはオスとメスが別種の鳥として扱われていました。

オオハナインコは繊細で愛情深く、正しく飼育すれば生涯のパートナーになってくれるインコです。
本記事ではオオハナインコについて、その生態や特徴、寿命、ペットとして飼う方法などを解説していきます。

本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。


【目次】【元動物園の飼育員が解説】オスとメスで色合いが違う不思議な大型インコ!「オオハナインコ」の特徴や飼い方

 

オオハナインコの生態

分布

大きさ

鳴き声

食性

特徴

繁殖

寿命

オオハナインコの生態まとめ

オオハナインコはペットとして飼えるのか

オオハナインコのお迎え方法

オオハナインコの値段

オオハナインコの飼い方

オオハナインコの餌

ケージ

エサ入れ・水入れ

止まり木

巣箱

おもちゃ

ヒーター・温度計

霧吹き

オオハナインコを飼育する際の注意点

1. ケガをする覚悟しておく

2. 騒音対策を怠らない

3. オオハナインコ中心の生活をする覚悟を決めておく

オオハナインコがいる動物園・施設

【東京】東京都立大島公園動物園

【福岡】福岡市動物園

さいごに

 

 

オオハナインコの生態

 

 

オオハナインコは 「鳥綱 オウム目 インコ科 オオハナインコ属」 の鳥類です。

この項目では、主に野生のオオハナインコに関する生態を解説していきます。

 

なお、“オオハナインコ”という名前の由来には以下の説がありますが、どちらが正しいのかはわかっていません。

 

  • オスのくちばしを大きな鼻(大鼻)に見立て、それがいつの間にか「大花インコ」になったという説
  • 「アオハネインコ」がなまって、「大花インコ」になったという説

 

分布

 

 

オオハナインコは ニューギニア、インドネシア、オートストラリア、ソロモン諸島の周辺 に生息しています。

生息地や特徴により、10種類程度の亜種に分類されます。

 

大きさ

 

 

オオハナインコの体長は35~40cm、体重は400~550gほどです。

オスとメスは体の色が違うものの、大きさはほとんど変わりません。

 

鳴き声

 

 

オオハナインコは 「クァー」「グァ」 といった、独特で多彩な声で鳴きます。

非常に賢く、人間の言葉や他の動物の鳴き声を真似ておしゃべりすることも得意です。

 

食性

 

 

オオハナインコは、植物食(草食)の鳥類です。

野生では果実や木の実、花や木の葉を食べていますが、果実食の傾向が強いです。

 

動物園では野菜(ニンジンやコマツナなど)や果物(ミカン、バナナ、リンゴなど)、オウム用ペレットや麻の実などを与えています。

 

特徴

 

オオハナインコ 左にメス右にオス
左:メス、右:オス

 

オオハナインコ最大の特徴は、オスとメスで体の色が全く違うことです。

 

オスは全身が鮮やかな深緑色(エメラルドグリーン)で、翼や脇の下には赤色や青色が入ります。

くちばしは上下の色が異なり、上が黄色~オレンジ色で下は黒色です。

 

一方、メスは全身が鮮やかな赤色で、腹や首の後ろには青色や紫色が入ります。

くちばしの色は上下とも同じで、ともにつやのある黒色です。

このように性別によって異なる性質を持つことを、生物学的には「性的二形(性的二型)」(せいてきにけい)といいます。

 

また、オスとメスでやや性格が異なる点も特徴といえます。

オスは比較的おっとりしていて、人に良く懐く傾向が強いといわれています。

メスはオスより神経質で、オスほど人間に懐かないことが多いといわれています。

 

オオハナインコとオオムラサキインコ

 

フェンスに留まるオオハナインコオスメス

 

かつてオオハナインコは、オスとメスが別の種類だと考えられていました。

オスは 「オオハナインコ」 、メスは 「オオムラサキインコ」 と呼ばれ、あまりにも見た目が違うことから、同じ種類の鳥だと考える人もいなかったようです。

 

ドイツの研究者がオスとメスが同じ種類だという論文を発表しましたが、しばらくの間は人々に受け入れられなかったそうです。

 

繁殖

 

 

オオハナインコは生後3年ほどで性成熟し、繁殖できるようになります。

繫殖期は生息地によって異なりますが、寒さに弱いため冬場は繁殖を避ける傾向にあります。

 

オオハナインコはメスが木の洞などに巣を作り、自分で自分の縄張りを守る性質があります。

メスの元には複数のオスがエサを持ってやってきて、次々にアプローチを行います。

 

彼らは特定の番を作らないため、アプローチに成功すればオスもメスも複数の相手と交尾を行います。

美しいメスほど多くのオスと交尾し、女王のようにふるまえるようです。

 

メスは卵を1回に1~3個産み、28日ほどかけて温めます。

その間オスたちは卵を温めることはしませんが、メスに餌を運んだり敵が来たことを教えたりします。

 

卵から孵った雛たちは11~12週間で巣立ち、独り立ちしていきます。

 

寿命

 

 

オオハナインコの寿命は、おおよそ30年ほどだと考えられています。

繊細な性格と寒さに弱いことが災いしているのか、飼育下で長生きさせるのは難しいです。

 

なお、野生下での寿命は飼育下より長く、おおよそ50年ほどではないかと考えられています。

 

オオハナインコの生態まとめ

 

分類:鳥綱 オウム目 インコ科 オオハナインコ属

学名:Eclectus roratus

英名:Eclectus parrot

分布:ニューギニア、インドネシア、オートストラリア、ソロモン諸島

大きさ:

体長・35~40cmほど
体重・400~550gほど

鳴き声:「クァー」「グァ」など

食性:植物食

繁殖:

性成熟:生後3年ほど
産卵数:1~3個
孵化にかかる日数:28日ほど

寿命:飼育下:30年ほど

野生下:50年ほど

 

 

オオハナインコはペットとして飼えるのか

 

 

オオハナインコは、ペットとして飼育できます。 

この項目ではオオハナインコのお迎え方法および、その値段について解説します。

 

オオハナインコのお迎え方法

 

 

オオハナインコは、ペットショップやブリーダーから購入できます。

ただし、いつでも生体がいるとは限らないため、販売可能な個体がいるか確認してみると良いでしょう。

 

オオハナインコの値段

 

 

オオハナインコは1羽あたり、20万円前後で販売されています。

大型インコの中では繁殖しやすいことから、比較的価格が落ち着いているといわれています。

 

 

オオハナインコの飼い方

 

 

次にオオハナインコの飼い方を説明していきます。

オオハナインコを飼育する際に必要なものと、その理由を見ていきましょう。

 

オオハナインコの餌

 

 

餌は基本的に、オオハナインコ専用のペレットか果実食の鳥類用のペレットを主食にしましょう。

ペレットはシード(種子類)より嗜好性は落ちますが、必要な栄養素が過不足無く含まれています。

ペレットはきちんと量り、朝晩の2回に分けて与えましょう。

 

なお、ペレットはメーカー都合や天災などで急に終売になる、配合や原料が変わることがあります。

不測の事態に備えて、できれば2種類以上のペレットに慣らしておくと安心です。

 

どうしてもペレットを食べない場合は、大型インコ用のシードミックスを主食にしましょう。

この場合はカルシウムなどのミネラルが不足するので、ケージの中に塩土やカットルボーンなどを常時置いておく必要があります。

 

また、副食として野菜や果物を1日1回与えてください。

オオハナインコが飽きないように、ローテーションを組んで毎日違う物を与えると良いです。

 

オオハナインコに与えられる野菜

 

  • ニンジン
  • コマツナ など

 

オオハナインコに与えられる果物

 

  • リンゴ
  • バナナ
  • オレンジ(ミカン) など

 

ケージ

 

 

オオハナインコはくちばしの力が非常に強いため、オウム用の頑丈な金属製ケージを使いましょう。

ナスカンやフックなどは簡単に壊されてしまうため、扉を止める道具にも工夫が必要です。

 

また、果実食傾向が強いオオハナインコのフンは水分が多く、やや軟便な傾向があります。

フンをケージや止まり木になすり付ける性質もあるため、1日2回掃除することをおすすめします。

 

その他、不要なケンカを避けるため、基本的には1羽につき1つのケージを用意しましょう。

 

エサ入れ・水入れ

 

 

餌入れや水入れは、ステンレス製の丈夫な物を選びましょう。

陶器は遊んで割ってしまう可能性があり、プラスチック製の物は簡単に破壊してしまう可能性があるからです。

 

オオハナインコは寿命が長いため、購入したものは長い間使うことになります。

そのため、やや高価でも最初から壊れにくい物を選んだ方が良いです。

 

止まり木

 

 

ケージには2か所止まり木を設置し、上下運動ができるようにしてください。

止まり木は破壊される可能性が高いため、常にストックを用意しておいた方が良いでしょう。

 

巣箱

 

 

オオハナインコが落ち着いて休める場所として、ケージの中には巣箱を用意しましょう。

巣箱は大きすぎず、体がすっぽり入るくらいの大きさのものがおすすめです。

 

おもちゃ

 

 

オオハナインコは非常に賢く、また飼い主の愛情を強く欲する動物です。

暇な時間が長いとノイローゼになったり、自傷行為(毛引き・自咬症)に走ったりすることがあります。

 

ケージの中には複数のおもちゃを設置して、好きな時に遊べるようにしておきましょう。

 

ヒーター・温度計

 

 

オオハナインコは寒さに弱く、幼鳥のうちは室温が20℃を下回ると命に関わるといわれています。

成鳥(2歳以上)はある程度寒さに耐えられますが、それでも室温が10℃を下回らないようにする必要があります。

 

冬場はケージにペット用ヒーターを設置するか、あるいは部屋ごとエアコンで暖めてください。

逆に暑さには強いため、室温が30℃程度であれば全く問題ありません。

 

霧吹き

 

 

オオハナインコは水浴びを好むため、水浴び用に霧吹きを用意しておくと良いでしょう。

中には風呂場に連れていき、直接シャワーをかける方もいるようです。

 

 

オオハナインコを飼育する際の注意点

 

顔を右に向けてパーチにとまるオオハナインコメス

 

オオハナインコの飼い方を説明した後は、飼育する際の注意点を紹介します。

 

1.  ケガをする覚悟しておく

 

オオハナインコメス くちばしアップ

 

オオハナインコのくちばしには、相当な破壊力が秘められています。

彼らに本気で噛まれると、病院で何針か縫う事態になることを覚えておきましょう。

 

また、オオハナインコを含むインコの仲間は、発情期を迎えると狂暴化することがあります。

昨日まで穏やかだった個体が、突然飼い主に襲い掛かるということも珍しい話ではありません。

 

オオハナインコと一緒に生活する以上、何度も血を見るケガをすることを覚悟しておいてください。

 

2.  騒音対策を怠らない

 

 

オオハナインコは他の大型インコに比べると、鳴き声が小さいといわれています。

しかし、呼び鳴きや発情期の鳴き声は相当な音量で、集合住宅であればクレームが来るレベルであることに変わりはありません。

 

オオハナインコを飼育する時は、必ず十分な騒音対策をしてください。

 

3.  オオハナインコ中心の生活をする覚悟を決めておく

 

オオハナインコオス パーチにとまってこちらを見る

 

オオハナインコは大型インコの中でも繊細で、非常にさみしがりな性格だといわれています。

 

パートナーと認めた人間に対して深い愛情を注いでくれますが、その分人間からの愛情を欲しがります。

そんなオオハナインコは家にいる時間が長く、毎日たっぷりと時間を取れる人でないと飼えません。

 

オオハナインコを迎える時は、30年ほどを彼らに捧げるくらいの覚悟が必要です。

 

 

オオハナインコがいる動物園・施設

 

 

オオハナインコを飼いたい方は、まず動物園に行ってみてください。

そして実際に体の大きさや臭い、鳴き声などを肌で感じて一緒に生活できるか考えてみてください。

 

この項目では、オオハナインコを飼育している動物園を紹介していきます。

 

【東京】東京都立大島公園動物園

 

 

伊豆大島にある唯一の動物園、大島公園動物園でもオオハナインコが飼育されています。

メスの「はなちゃん」は人に良く慣れているため、なんと腕に乗せてもらうこともできます。

 

東京都立大島公園動物園の基本情報

 

住所:〒100-0103 東京都大島町泉津字福重3号

マップ: Googleマップ

電話番号:04992-2-4411

入園料:無料

開園時間:8時30分~17時

休園日:年中無休

公式ホームページ:  東京都立大島公園動物園

 

【福岡】福岡市動物園

 

 

福岡市動物園では、オオハナインコのオスが飼育されています。

タイミングが良ければ、特技の“カラスの鳴き真似”をしているところに出会えるかもしれません。

 

福岡市動物園の基本情報

 

住所:〒810-0037 福岡市中央区南公園1番1号

マップ: Googleマップ

電話番号:092-531-1968

入園料:

大人     600円
高校生    300円
中学生以下  無料

開園時間:9:00~17:00

休園日:月曜日(祝祭日の場合は翌平日)、年始年末(12月29日~1月1日)

公式ホームページ:  福岡市動物園

 

 

さいごに

 

オオハナインコオス 縦腰から上アップ

 

オスとメスで全く違う見た目の大型インコ、オオハナインコについて解説してきました。

 

オオハナインコは賢くて美しく、また飼い主の気持ちをよく理解してくれるコンパニオンバードです。

しかし、その性格と力の強さから誰にでも飼える鳥ではありません。

 

自宅に迎える前に30年間お世話ができるのか、30年間必要な物を買い続ける金銭的な余裕はあるのか、また発情期に凶暴化した姿を見ても心が折れないか、色々な観点からオオハナインコを飼育できるか考えてみてください。

 

入念な準備と経済力、そして覚悟があれば、彼らは一生涯のパートナーになってくれることでしょう。


フォローして最新のペット・動物関連記事をチェック!



検索

カテゴリ一覧

大型哺乳類(24)
   カピバラ(2)
   ブタ(3)
中型哺乳類(604)
   猫/ネコ(247)
   犬/イヌ(312)
   霊長類/類人猿/サル(12)
   モモンガ(3)
   フェネック(1)
小型哺乳類/小動物(103)
   うさぎ(44)
   ハムスター(23)
   ハリネズミ(7)
   モルモット(8)
   チンチラ(3)
鳥類(125)
   インコ(23)
   梟/フクロウ(10)
   文鳥(3)
魚類/甲殻類/水生生物(76)
   海水魚/熱帯魚(32)
   淡水魚(23)
爬虫類(44)
   蛇/ヘビ(9)
   トカゲ(10)
   カメ(11)
両生類(13)
   カエル(7)
   ウーパールーパー(2)
虫/昆虫(17)
   カブトムシ/クワガタ(10)
   タランチュラ(1)
ペット/動物全般/コラム(66)
   ペットや動物と触れ合えるスポット(24)
   寄付/募金/殺処分(6)

タグ一覧

飼い方/飼育方法(913)
種類/品種(730)
繁殖/育成(598)
毛色/毛質(303)
性格/生態/特徴(675)
食事/餌/栄養(690)
病気/病院/治療(714)
しつけ(477)
トイレ(155)
選び方(511)
値段/価格(589)
ランキング/おすすめ(142)
口コミ/レビュー(164)
旅行/ホテル/レストラン(24)
寄付/募金/保護活動(14)
おもしろペット/珍ペット(99)
飼育知識/豆知識(1037)
画像/動画(127)
まとめ(871)

人気記事ランキング