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ダイオウサソリは、クモ綱サソリ目コガネサソリ科に分類されるサソリの一種です。
外見は ザリガニ に似た形をしていますが、実はクモの仲間なんですね。
体長は約20㎝でサソリの中では最大級の大きさを誇ります。
主な生息地はアフリカ大陸の中西部で、日本に居るものは主にペットとして輸入されてきたもの。
ペット用の個体のほとんどは野生のダイオウサソリよりも一回り小さく、10㎝から17㎝ほどのものが多いです。
体の色は青光りするほどの黒で、大きくどっしりとした体形と立派なハサミが特徴です。
しかし、外見に反して性格は大人しく、毒性も弱く毒針で刺されても少し腫れたりかゆくなったりする程度と、健康な成人であればまず毒で死ぬことはないと言えます。
学名:Pandinus imperator
分類:クモ綱 サソリ目 コガネサソリ科
生息地:アフリカ大陸中部・南部
大きさ:体長20㎝、体重30~50g
大きく立派な外見を持つダイオウサソリには一体どんな特徴があるのでしょうか。
ダイオウサソリの魅力的な特徴について紹介していきます。
ダイオウサソリは成長すると体長約20㎝(中には40㎝ほどになる個体も)、体重は30g~50gほどの大きさになり、世界最大のサソリと言われています。
大きさに比例しハサミも巨大なため、力が強く挟まれるとケガをすることもありますので注意しましょう。
サソリと言えば、毒針というイメージがある人も多いのではないでしょうか。
ダイオウサソリもサソリの例に違わず、しっぽの先に立派な毒針を持っています。
しかし、毒針の存在感に反して毒性は弱く、刺されても患部が腫れたり痛痒くなる程度です。
そのため、アレルギー症状などが起こらない限り、ダイオウサソリの毒が原因で亡くなることはないと考えていいでしょう。
ダイオウサソリ自体も大人しい性格のため、不用意に刺激することがなければ攻撃的に刺してくることはありません。
ダイオウサソリは、ペットとしてサソリを飼いたいと思った時におすすめな種類です。
その理由は前述した通り大人しく、またサソリの中では丈夫で飼いやすいため。
ダイオウサソリは日本には生息していませんが、流通量が多く入手できる機会も多様です。
また、価格も3,000円から5,000円もあれば購入することができます。
虫は寿命が短いというイメージがありますが、ダイオウサソリは生まれてから約3年ほどで成体になり、10年ほど生きると言われています。
ちなみに、サソリはクモの仲間のため、脱皮を繰り返すことにより成長していきます。
ペットとして飼育していれば脱皮の様子が見られるかもしれません。
ダイオウサソリの気になる生態について紹介していきます。
謎の多い生き物であるサソリですが、その一端を垣間見ていきましょう。
サソリは夜行性のため、主に夜に元気に動き回ります。
そのため、昼間は地面に掘って作った巣穴や、木の枝や葉の裏側に隠れていることが多いです。
野生のダイオウサソリは30㎝ほどもある穴を掘って、その中で暮らしています。
狭くて暗いところが好きなため、ペットとして飼育していても、飼育ケースの中にシェルターがあればそこに隠れていることがよくあります。
ダイオウサソリは、自ら狩りをして食べ物を得る肉食の動物です。
コオロギやゴキブリなどの小さな昆虫や、クモなどが主食になります。
大きなハサミを使って、しっかりと獲物を捕らえ食べやすいように切り刻んでから口に運ぶのです。
毒針は敵に攻撃された時に自衛として使うことが多いため、基本的に狩りの際には使うことがありません。
ダイオウサソリの珍しい一面で、雌は子供を産んだ後、2週間ほどは背中の上で子供たちを保護して育てるというものがあります。
一度で10数匹の幼体を産み、その子供たちは生まれると自ら親の背中に乗っていくのです。
サソリの幼体の色は白く、脱皮を繰り返してだんだんと色が付いていきます。
そのため、子供を産んだ後のダイオウサソリの雌の背中は遠目から見ると真っ白に見えるのです。
ダイオウサソリに興味が沸き、「実際に飼ってみたい!」となったら、一体どのような準備が必要になってくるのでしょうか。
ここでは、ダイオウサソリの入手方法から、飼育に必要な道具、さらにおすすめの餌まで紹介していきます。
ダイオウサソリを手に入れる方法については、ペットショップで売っている個体を購入するというものが一般的です。
犬や猫などを扱っている一般的なペットショップでは販売していないことが多いため、爬虫類などのエキゾチックアニマルを扱っているペットショップを尋ねてみると良いでしょう。
また、地域によっては定期的にエキゾチックアニマルの即売会が開催されていることもあり、そこでもダイオウサソリが売られていることがあります。
ペットショップよりも比較的多くの個体を実際に見て購入することができるため、そのような場所に足を運んで、気に入った個体を購入するのもおすすめです。
ダイオウサソリの生体を飼育するには、必要なものや揃えておいた方がいいものがいくつかあります。
ここでは、ダイオウサソリの飼育におすすめな道具について紹介していきます。
ダイオウサソリの飼育で注意したいのは脱走です。
そこで、飼育ケースは蓋がしっかり閉まるものをまず第一条件として選びましょう。
昆虫や小動物飼育用のプラケースや、蓋が閉まるようなガラス水槽がおすすめです。
高さは特に必要ありませんが、成長した後のダイオウサソリの大きさも考慮して、なるべく横幅と奥行きのあるタイプのケースを選ぶと良いでしょう。
飼育ケースに敷き詰める床材については、ヤシガラやピートモスなど湿度をきちんと保てるようなものを用意しましょう。
敷き詰める高さは3センチ以上がおすすめ。
厚めに敷いた方が湿度を保ちやすくなるためです。
ペットショップによってはサソリ用に既にブレンドされた床材を販売しているところもあるので、状況によってそのようなものを使うのも良いでしょう。
ダイオウサソリは水を良く飲みます。
そのため、ダイオウサソリがひっくり返すことのないような少し重めの水入れを用意しましょう。
深すぎたり大きすぎたりすると、ダイオウサソリが溺れて死んでしまうことがあるため、ペットボトルの蓋くらいの大きさを目安にするのがおすすめです。
ダイオウサソリは、狭くて身を潜めることができる場所があると落ち着く生き物です。
そのため、絶対に必要と言うわけではありませんが、小さなシェルターなどの隠れる場所を用意しておくのがおすすめです。
その際、あまり狭い隙間のあるものを用意してしまうと、飼育ケースの掃除を行う際にダイオウサソリが入り込んでケースから移動させるのが難しくなってしまう場合があるため注意しましょう。
ダイオウサソリは本来暖かい地域に生息している生き物です。
そのことから、室温を20度~30度ほどに保つことが必要となります。
冬場は飼育ケース内の温度を保つため、ケースの下に敷くパネルヒーターを用意しておきましょう。
ダイオウサソリの飼育に適した温度になっているか確かめるために、温度計を用意しておきましょう。
温度計と湿度計が一緒についているものも販売されているため、迷ったときはそのようなものを買うのがおすすめです。
ダイオウサソリは多湿の環境で生きているため、飼育ケースの中もある程度の湿度が必要になってきます。
そのため、定期的に湿気を追加するための霧吹きを用意しておくと良いでしょう。
ダイオウサソリは生きた虫やクモなどを捕えて食べて生活しています。
家で飼育する際も基本的には生餌がおすすめです。
爬虫類などを扱っているペットショップでは爬虫類用の餌として、コオロギやレッドローチが売られていますので、それらを購入するのが一番手軽な方法です。
また、時々ハニーワームのような栄養価の高い餌をあげると成長が早くなり大きく育てることができるため、「大きな個体のダイオウサソリを育てたい!」という人は、餌に取り入れてみると良いでしょう。
サソリは自分で必要な分だけ食事をし、食べすぎることがありません。
ダイオウサソリの食事は量も回数もとても少なく、週に1〜2回、コオロギやレッドローチを1匹与えるだけで問題ありません。
また、どうしても生餌は苦手という人は、冷凍コオロギを解凍した餌を与える場合もあるかと思いますが、ダイオウサソリは動くものに反応するため、その場合は解凍したコオロギをピンセットで掴んで、ダイオウサソリの前で何度か揺らしてあげると良いでしょう。
ダイオウサソリはなかなか周りに飼育している人が居ない生き物のため、注意点も分かりにくいことが多いです。
ここでは、ダイオウサソリを飼育する中で注意するべき点を紹介します。
ダイオウサソリは必要な分だけを食べる生き物のため、時に餌を食べ残すことがあります。
食べ残した餌を飼育ケース内で放置しておくとダニが発生する原因になりますので、食べ残した餌を見つけたらすぐに取り除くようにしましょう。
もしダニが発生してしまったら、一度ダイオウサソリを別のケースに移し、床材を取り換えて飼育ケースをよく洗い床材の入れ替えを行うことが必要です。
多くのダイオウサソリが同じケースにいる環境で生活していた場合、ペットショップから連れてきた時点で妊娠している可能性もあります。
もし出産した場合は、雌の背中に幼体が乗っている間は刺激を与えず、そっとしておきましょう。
2週間ほど経つと、幼体は親の背中から離れるため、離れたら別のケースに幼体を移動させてあげてください。
ダイオウサソリに近く、また同じく飼育しやすいサソリを紹介していきます。
いずれも手に入れやすい種類のため、ダイオウサソリの飼育に慣れて「もう一匹飼いたいな」と思った時には飼育をしてみるのもいかがでしょうか。
アジアンフォレストスコーピオンは、チャグロサソリと呼ばれるサソリのグループの一種です。
ダイオウサソリを同じく大きめのサソリではありますが、ダイオウサソリよりもシュッとした体形をしており、全体的にスマートなのが特徴です。
体の色がダイオウサソリよりもこげ茶色に近いため、それがチャグロサソリの名前の由来になったと言われています。
日本でペット用として購入できるサソリの中では最も安価で、3,000円程度で購入できることが多いです。
学名:Heterometrus spinifer
生息地:ベトナム南部、タイ、カンボジア、マレーシアなど
大きさ:12㎝ほど
アジアンロングクローフォレストスコーピオンは、アジアンフォレストスコーピオンと同じく、チャグロサソリのグループの一種です。
アジアンフォレストスコーピオンとよく似た名前で見た目も似ていますが、ハサミの大きさがアジアンフォレストスコーピオンよりも大きく、身体も少し大きめです。
特に雄の方がハサミが大きく、アジアンフォレストスコーピオンと並べるとその違いがよくわかります。
学名:Heterometrus longimanus
生息地:インドネシア、フィリピン
大きさ:13㎝ほど
レッドクロウスコーピオンはダイオウサソリよりも少し小さく、10㎝ほどのサソリです。
全体的にダイオウサソリよりも赤黒い身体をしており、また少し気性が荒いのが特徴です。
怒るとハサミを振り上げて威嚇してくるため、挟まれないように注意しましょう。
ダイオウサソリよりも少し高めの室温で飼育するのがおすすめです。
学名:Pandinus cavimanus
生息地:アフリカ中東部
大きさ:9~10㎝ほど
ペットとして輸入されている海外のサソリたちを紹介してきましたが、日本にも実はサソリが生息しています。
ここでは、日本国内に生息しているサソリの種類を取り上げます。
ヤエヤマサソリは八重山列島に生息するサソリです。
世界的にみると東南アジアやオーストラリア北部など幅広い場所に生息していますが、日本国内では八重山列島にのみ生息しており、朽ち木の下の隙間や倒れた木の下から見つかることが多いです。
体長は3センチ程度と小さめで毒性もほとんどなく、また人家に侵入してくることもないため、無害なサソリと言っていい存在です。
また、雌だけで繁殖することが可能な単為生殖を行う生き物でもあります。
学名:Liocheles australasiae
分類:クモ綱 サソリ目 コガネサソリ科
生息地:八重山列島、東南アジア、オーストラリア北部など
大きさ:3~3.5㎝ほど
マダラサソリは宮古島や石垣島、西表島などに生息しているサソリです。
全体的に薄茶色の体色をしており、点々とある黒っぽい斑紋がまだら模様に見えるため、マダラサソリと呼ばれています。
体長は4~6㎝ほどありますが、スマートでハサミも小さいためインパクトは小さめです。
樹木の下や石の下に生息しており、時々人家に侵入してくることもあります。
ヤエヤマサソリよりは毒性が強いと言われていますが、刺されても少し赤く腫れて痛みがある程度で、命にかかわる危険はありません。
学名:Isometrus maculatus
分類:クモ綱サソリ目キョクトウサソリ科
生息地:宮古島、石垣島、西表島、与那国島、東南アジアなど
大きさ:4㎝~6㎝ほど
サソリではありませんが、サソリによく似た身体をもっているサソリモドキという生き物もいます。
このサソリモドキは世界各国に生息しており、日本にも九州地方の一部にアマミサソリモドキ、沖縄本島などにタイワンサソリモドキが生息しています。
サソリと同じくハサミを持ちますが、尾っぽに針はありません。
しかし、危険を感じると代わりに強烈な匂いを持つ液を肛門腺から噴射するため、目に入ったり肌につかないよう注意が必要です。
この液が酢のような匂いがするため、別名ビネガロンとも呼ばれています。
学名:Thelyphonida
分類:鋏角亜門クモガタ綱サソリモドキ目
生息地:世界各国の熱帯、亜熱帯地域(ヨーロッパとオーストラリア大陸を除く)
大きさ:2.5㎝~8.5㎝(種類による)ほど
サソリと言うと、漫画や映画で誇張されて表現されていることもあり、毒のある怖い生き物というイメージがまだ強くあります。
しかし、かっこいい外見に反して、ダイオウサソリは毒性が弱く大人しいという、サソリのネガティブなイメージとは違う一面を持っています。
また、その姿や生態は近くで観察してみると新たな発見があってとても魅力的です。
ダイオウサソリの魅力ある一面に惹かれたら、ぜひ彼らについてさらに知ってみることをおすすめします。
公開日 : 2019/12/15