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冒頭でも述べましたが、日本に生息するコクワガタは 「コクワガタ」 の仲間と 「アマミコクワガタ」 の仲間に分けられています。
ここからは、まずコクワガタの仲間について解説し、追ってアマミコクワガタの仲間について解説していきます。
コクワガタは日本のほぼ全土に生息している、小型のクワガタムシです。
小型のクワガタといっても実はそれほど小さい訳ではありません。
成虫になればオスは5cmほど、メスは3cmほどの大きさになります。
ちなみに、大型のクワガタである「 オオクワガタ 」の成虫はオスで7cmほど、メスで4cmほどになります。
コクワガタは小型のクワガタといっても、 “オオクワガタと比較すると小さいクワガタである” 程度に考えておいた方が良いでしょう。
そんな国産のコクワガタは、生息地ごとに5つの亜種に分けられています。
まずはコクワガタの名前のもとになっている、「コクワガタ」とその亜種についてその特徴をご紹介します。
コクワガタは非常に生息数が多く、よく見かけるクワガタです。
雑木林はもちろん、街路樹や街角のちょっとした緑地でもその姿を見かけることがあります。
コクワガタはうまく飼育すれば2〜3年生きること、性格が穏やかで環境の変化にも強いことからとても飼育しやすいクワガタです。
採取も飼育も比較的容易なことから、クワガタ初心者の方に一番おすすめしたい種類です。
分類:コウチュウ目 クワガタムシ科 オオクワガタ属 コクワガタ亜属
学名:Dorcus rectus rectus
生息地:北海道、本州、九州、伊豆諸島、四国、対馬などほぼ日本全土
大きさ:オス・17~54mm、メス・21~33mm
八丈島のみに生息している、コクワガタの1種です。
他のコクワガタと比べると、体の赤色が強い個体が多いと言われています。
学名:Dorcus rectus miekoae
生息地:八丈島(東京都)
大きさ:オス・23~49mm、メス・18~28mm
たまにはツイート。中之島産トカラコクワガタ、早いのはわかってましたが割り出しました(1枚目は親♂ね)。結果、8ニョロ+22エッグ。無事に孵化してくれるといいんだけど、スペース辛いなってところです。 https://t.co/GhsORjmOuU pic.twitter.com/d6duglTdAE
— えたくわ (@etakuwa0608) June 16, 2019
その名前の通り、トカラ列島のみに生息しているコクワガタです。
体の光沢感が強いツルッとした個体、赤みが強い個体が多い傾向にあると言われています。
学名:Dorcus rectus kobayashii
生息地:トカラ列島の中之島、悪石島など(鹿児島県)
大きさ:オス・23~50mm、メス・18~35mm
トカラコクワガタと近い種類のコクワガタです。
全体的に細身であり、かつ赤みが強く内歯が退化しかかっているのが特徴です。
※内歯(ないし)とは、クワガタの大アゴの内側にある突起のことを指します。
学名:Dorcus rectus mishimaensis
生息地:三島村、口永良部島など(鹿児島県)
大きさ:オス・18~49mm、メス・20~31mm
離島にのみ生息している、希少なコクワガタです。
離島産のコクワガタの中ではやや大きめで、体の光沢が弱めであるとされています。
学名:Dorcus rectus yakushimaensis
生息地:屋久島、種子島など(鹿児島県)
大きさ:オス・21~48mm、メス・21~30mm
アマミコクワガタ。
— ひぃ爺さん (@aero_dynamics4) October 14, 2018
奄美群島固有亜種で本土のコクワとは別種。オオクワみたいな大顎がイイね。 pic.twitter.com/cSu5gqsTZx
アマミコクワガタは沖縄やその周辺の離島に生息している、コクワガタの1種です。
コクワガタという名前が付いていますが、実は先程紹介したコクワガタとは遺伝的にかなり遠い昆虫です。
見た目もコクワガタとは異なり、どちらかというとオオクワガタに近い体つきをしています。
また、本土に生息しているコクワガタと比べると、体にやや光沢があるという特徴も持っています。
コクワガタと遺伝的に遠いとはいえ、アマミコクワガタも他のコクワガタと同じく樹液を主食にしています。
しかし、生息地が関係しているのか、よりバナナやパイナップルといった甘い果物を好む傾向が強いようです。
これらの果物を使ったトラップを使うと、比較的簡単に採取することが可能です。
そんなアマミコクワガタは、基本のアマミコクワガタを含めて4つの亜種に分類されています。
限られた場所にのみ生息しているコクワガタで、本土のコクワガタのように生息数も多くありません。
全体的に丸みがある体つきをしていて、成虫になってもアゴが大きくならないという特徴があります。
分類:コウチュウ目 クワガタムシ科 オオクワガタ属 コクワガタ亜属
学名:Dorcus amamianus amamianus
生息地:奄美大島、加計呂麻島など
大きさ:オス・20~35mm、メス・20~28mm
鹿児島県の離島周辺のみに生息しているコクワガタです。
アマミコクワガタと同じく、成虫になってもアゴが大きくなりません。
学名:Dorcus amamianus kubotai
生息地:徳之島など(鹿児島県)
大きさ:オス・20~40mm、メス・20~35mm
トクノシマコクワガタによく似た外見を持つコクワガタです。
アマミコクワガタとその亜種はかなり外見が似ているため、奄美大島や沖縄に生息するコクワガタをまとめて「琉球産」と表現することもあります。
学名:Dorcus amamianus nomurai
生息地:沖縄県本島
大きさ:オス・21~35mm、メス・20~32mm
以前はあまり数が出回らず、幻のクワガタや珍品などと呼ばれていたこともあるコクワガタです。
近年は採取数、ブリーダーともに増加していることから比較的入手しやすくなってきています。
学名:Dorcus amamianus yaeyamaensis
生息地:八重山諸島(西表島など)(沖縄県)
大きさ:オス・28~30mm、メス・24~30mm
大きくて小さいという不思議な名前が付いているのが、オオコクワガタです。
オオコクワガタは、オオクワガタとコクワガタの雑種です。
雑種であることから正式な名称や学名がなく、俗称としてオオコクワガタと呼ばれています。
飼育下だけではなく、野生でもときおりその姿を見かけることがあります。
幼虫の死亡率が高く成虫も寿命が短いとされているうえ、生殖能力がないことから繁殖もできません。
コクワガタは日本だけではなく、世界のいたる所に生息しています。
ここでは、その中でも比較的国内で飼育されていて、名前を見かけることがあるコクワガタを2種類紹介します。
ネパール アンナプルナのWF1ネパールコクワがようやく羽化しました。
— くわかぶプラネット (@kuwakabuplanet) June 9, 2018
「ネパールコクワガタ」なのにネパール産の個体は流通が少ないクワガタです。
カッコいいクワガタです。 pic.twitter.com/V2dkaBFacM
インドの北東部やネパールに生息している、海外のコクワガタです。
成虫になるとオスは7cmほど、メスは4cmほどになります。
コクワガタという名前が付くクワガタの中では、もっとも体が大きくなる種類です。
標高1500mほどの涼しい場所に生息していることから、なるべく低い温度で飼育することが望ましいとされています。
分類:コウチュウ目 クワガタムシ科 オオクワガタ属 コクワガタ亜属
学名:Dorcus nepalensis
生息地:ネパール、インド
大きさ:オス・45~75mm、メス・28~47mm
小型ながら、アゴと体の色が美しいことから根強い人気を誇る海外産コクワガタの1種です。
エレガントゥルスコクワガタの最大の特徴は、赤褐色の美しい体の色です。
内歯が大きくて美しい個体も多く、体は小さくてもクワガタならではの魅力をたっぷりと楽しむことができますよ。
分類:コウチュウ目 クワガタムシ科 オオクワガタ属 コクワガタ亜属
学名:Dorcus elegantulus
生息地:スマトラ島など(インドネシア)
大きさ:オス・25~45mm、メス・15~28mm
コクワガタの種類やその特徴について解説してきました。
外見がとても似ている種類が多く、クワガタに詳しくないと見分けがつかないこと少なくありません。
しかし、どの種類であっても、とてもおとなしくて飼いやすい傾向が強いことがコクワガタの魅力です。
クワガタを飼ってみたい方は比較的小さくて飼いやすい、国産コクワガタの飼育からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最終更新日 : 2021/03/17
公開日 : 2019/08/07