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レッドテールキャットは、アマゾン川に住んでいるナマズの仲間です。
ときおり熱帯魚ショップで見かけることがありますが、初心者が手を出してはいけない熱帯魚の一種です。
その理由は、レッドテールキャットの稚魚は手のひらサイズですが、最終的には1.5mもの大きさになるからです。
1.5mとは平たく言えば、人間の子どもや小さめの女性くらいのサイズです。
そんな魚を飼うためには広いスペースや十分な時間、資金力が必要になってきます。
「ナマズらしい愛嬌のある顔や動きに一目ぼれして飼ってみたら、あっという間に大きくなって飼いきれなくなってしまった…」という話をよく耳にします。
お迎えする前に彼らのことをよく理解し、天寿を全うするまで飼いきれるかよく考えてみてください。
野生のレッドテールキャットは南米のアマゾン川流域に生息しています。
レッドテールキャットは5~6cmの大きさで販売されています。
しかし、成魚になると体長は1.5m程になり、体重は80Kg程に達することがあります。
あまり美味しくはないようですが、現地では貴重なたんぱく源として食用に供されています。
レッドテールキャットは肉食性の魚です。
野生では小魚や甲殻類、両生類や水生昆虫などを食べています。
レッドテールキャットの特徴の1つは、名前の通り赤みを帯びたしっぽです。
背中側は灰色から黒色、腹側は白色とはっきり色が分かれています。
頭から背びれの前あたりまでの皮膚はやや黄色く、小さな斑点模様が入ります。
また、レッドテールキャットにはナマズの仲間らしい、目立つヒゲが生えています。
幼魚のうちはヒゲが6本ですが、成魚になると下あごのヒゲが無くなり最終的には4本になります。
レッドテールキャットを自宅で繁殖させることは現実的ではありません。
最大1.5mにもなる魚をペアで飼育し、かつ稚魚を育てるにはかなり広いスペースが必要となります。
繁殖を狙う熱帯魚ではなく、観賞するための熱帯魚であると割り切った方が良いでしょう。
レッドテールキャットの平均的な寿命は10〜20年程と言われています。
20年以上生きる個体も少なくありません。
分類:条鰭綱 ナマズ目 ピメロドゥス科
学名:Phractocephalus hemioliopterus
英名:Redtail catfish
分布:アマゾン川流域
大きさ:全長1.5m、体重80Kg程
食性:肉食性
繁殖:現実的ではない
寿命:10~20年ほど
レッドテールキャットはペットとして飼うことができます。
愛嬌のある顔立ちをしていること、とても陽気な性格で人に懐くことからとても人気があります。
しかし、レッドテールキャットは成魚になると1.5mもの大きさになる魚です。
1.5mの魚を10年以上飼育することができるかどうか、よく考え準備を整えてからお迎えしてくださいね。
熱帯魚を扱うショップで販売されていることがあります。
通販でも購入することができますが、気軽に飼うことはおすすめできません。
1匹あたり1,500~2,000円で販売されています。
生体自体は手軽な値段ですが、飼育設備を整えるために多くの費用がかかります。
レッドテールキャットも、幼魚のうちは他の熱帯魚と変わらない飼い方ができます。
ただ、あっという間に大きく成長し、成長に伴ってエサ代や電気代もかさんできます。
当項目では、レッドテールキャットを自宅で飼うために、最低限必要な商品を紹介します。
レッドテールキャットは肉食性の熱帯魚です。
なるべく早いうちから肉食魚用の人工飼料に慣れさせると、日頃のエサやりが楽になります。
生き餌を食べる個体の場合は、ときおり金魚やメダカを与えると良いでしょう。
体が大きくなってきた場合はイカや魚の切り身、鶏肉(ハツ、レバー、胸肉など)も併用して与えます。
なお、レッドテールキャットは、急に今まで食べていたエサを食べなくなることがあります。
そんな時にも対応できるように、日頃から色々なエサに慣らしておくと良いでしょう。
諸説ありますが、レッドテールキャットの適温は20~28℃の間と言われています。
そこまで水温にうるさい熱帯魚ではありません。
しかし、元々アマゾン川に住んでいることを考えると、あまり水温を下げないようにしたいものです。
体が大きいレッドテールキャットですが、病気にかかりやすいため秋~冬はしっかり加温してあげてください。
必ず水槽のサイズに合う、パワーのあるヒーターを用意してください。
レッドテールキャットは非常に大きくなる熱帯魚です。
幼魚のうちは小さい水槽を使っても構いませんが、 最終的には最低でも150cmの水槽を用意する必要があります。
水槽は大きければ大きいほど、レッドテールキャットにとって過ごしやすい環境になります。
大きな水槽を用意する場合は、設置する場所についても慎重に考えてください。
水槽自体もかなりの重量ですが、それ以上に水の重量がかかることを忘れてはいけません。
日頃のエサやりや水替えなどの世話がしやすく、かつ安定した場所を作るのは簡単なことではありません。
レッドテールキャットは体が大きくなる分、よく食べてよく排泄をします。
すぐに水が汚れてしまうため、水槽の大きさに見合った強力なフィルターを設置しましょう。
レッドテールキャットは混泳向きの熱帯魚ではありません。
しかし、レッドテールキャットの口や体より大きな魚であれば、混泳できる可能性があります。
混泳に挑戦するならば、アロワナや淡水エイなどの大型魚にしておきましょう。
レッドテールキャットはやや気性が荒いため、基本的に混泳に向きません。
また、口に入る大きさであれば何でも食べてしまう(飲み込んでしまう)性質をもっています。
レッドテールキャットより小さな魚と混泳させるのは絶対にやめましょう。
ここまで何度も書いてきましたが、レッドテールキャットは非常に大きくなる熱帯魚です。
そうとは知らずに購入し、飼いきれなくなって川に放流されたレッドテールキャットが日本の生態系に深刻な影響を及ぼしています。
レッドテールキャットは暖かいアマゾン川出身であり、通常日本の冬を超えることはできません。
ただ、冬を超える個体もゼロではなく、東京都の多摩川や岐阜県の長良川で野生化したレッドテールキャットが発見・捕獲されています。
野生化したレッドテールキャットは日本の在来種を食べ、生態系のバランスを破壊してしまいます。
レッドテールキャットを飼いきれなくなった場合は、絶対に川に放流せず、まずは熱帯魚ショップに相談してください。
里親募集サイトで里親になってくれる人を探すのも1つの手です。
大きな魚なので飼える人は限られ、すぐに引き取り手を見つけることは難しいでしょう。
ただ、飼い主としての最後の責任と愛情をもって、なんとか次の飼い主を探してあげてください。
レッドテールキャットはとても大きく見栄えがすることから、全国各地の水族館で飼育されています。
自宅でレッドテールキャットを飼育したいと考えている方は、ぜひ一度水族館へ行って実際の大きさを見てみてください。
岐阜県にある、淡水魚を扱う水族館としては世界最大級の施設です。
魚類と両生類を合わせて約220種2万点もの動物が飼育されています。
レッドテールキャットはピラルクやシルバーアロワナ、デンキウナギなど大型魚とともに「アマゾン川」フロアにて展示されています。
住所:岐阜県各務原市川島笠田町1453
マップ: Googleマップ
電話番号:0586-89-8200
入園料:
大人 1,500円
中学生・高校生 1,100円
小学生 750円
幼児(3歳以上) 370円
開園時間:
平日 9:30~17:00
土日祝日 9:30~18:00
休館日: 公式ホームページ・休館日にて
公式ホームページ: 世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ
大阪府にある、世界最大級の水族館です。
ジンベエザメやコツメカワウソ、アカハナグマなど様々な動物が飼育展示されています。
レッドテールキャットは「エクアドル熱帯雨林」のコーナーで展示されており、同じ水槽ではピラルクやピラニア・ナッテリー、レッドコロソマなどの大型魚が展示されています。
住所:大阪府大阪市港区海岸通1-1-10
マップ: Googleマップ
電話番号:06-6576-5501
入園料:
大人(高校生以上) 2,300円
子ども(小・中学生) 1,200円
幼児(4歳以上) 600円
シニア(60歳以上) 2,000円
開園時間:9:30~20:00
休館日:年中無休
公式ホームページ: 海遊館
当記事ではとても愛嬌があるものの、飼うことができる人は限られるレッドテールキャットを解説してきました。
人間と同じくらいのサイズに成長するレッドテールキャットは、子どもが1人増えるくらいの覚悟をもってお迎えする必要があります。
覚悟が持てないうちは水族館に行き、その姿をじっくりと観察して楽しんでみてはいかがでしょうか。
どうしてもレッドテールキャットを飼いたい方は、しっかりと準備を整えた上でお迎えしてくださいね。
最終更新日 : 2021/04/23
公開日 : 2019/05/23