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オジロワシはユーラシア大陸一体で繁殖している海ワシの一種で、冬鳥として日本にも渡ってきます。
少数がそのまま北海道や東北に留まって生活・繁殖しますが、単独で生活することは少なく、ほとんどが群れで生活しています。
オジロワシは絶滅が心配されており、国内外で保護されている動物です。
しかし、国内では森林や海岸の開発によって生息地や獲物が減ったこと、電線による感電死、風力発電の施設への衝突、鉛中毒など様々な原因により数を減らしています。
そのため、文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省の4省により「オジロワシ保護増殖事業計画」が策定され、国を挙げた保護・繁殖の試みが行われています。
オジロワシはデンマークからユーラシア大陸、日本にかけて生息しています。
日本では北海道や東北にかけて生息しており、ときおりその姿を見かけることができます。
全長は約69~92cm、体重はオスで約4kg、メスは約5kgです。
翼を広げると2m程にもなる大型の猛禽類です。
オジロワシは「カッカッカッ」と鳴きます。
肉食で鋭い眼光をしているオジロワシですが、意外とかわいらしい鳴き声をしています。
オジロワシは主に海鳥や魚、哺乳類を食べて生活しています。
漁のおこぼれに預かったり、漁師が捨てた魚を食べたりすることもあるようです。
全身茶色い羽毛に覆われていますが、名前の通り尾には白くてりっぱな尾羽が生えています。
オオワシと似ていますが、オオワシの方が黄色くておおきなくちばしをもっているため、慣れるとくちばしの色で見分けることができます。
オジロワシは4~9月に繁殖期を迎え、1回に1~3個の卵を産みます。
卵はメスが主体となって温め、1か月ほどで孵化します。
分類:鳥綱 タカ目 タカ科 オジロワシ属
和名:尾白鷲
学名:Haliaeetus albicilla
英名:White-tailed eagle(White-tailed Sea Eagle)
分布:デンマークからユーラシア大陸、日本
大きさ:
全長:約69~92cm
体重:オス5〜6kg、メス7〜10kg
鳴き声:「カッカッカッ」
食性:動物食
繁殖:
性成熟:5~6年
抱卵期間:約1か月
産卵数:1~3個
寿命:野生下で約20~25年、飼育下では約40年
結論からいうと、オジロワシをペットとして飼うことは現実的ではありません。
オジロワシは国の天然記念物であり、CITES(ワシントン条約)の付属書Ⅰ類に分類され、かつ特定動物に指定されている動物です。
飼育するためには多くの行政の許可を得ることが必要となりますが、「個人がペットとして飼う」という目的で許可が下りるとは考えづらいのが現状です。
実際にオジロワシを飼うためにはどのような許可を取り、施設や道具を用意すれば良いかをご紹介します。
オジロワシは普通のペットのようにペットショップでお迎えできる動物ではありません。
国で保護されている動物であり、購入するのは困難を極めるでしょう。
ペットショップやブリーダーから購入できる動物ではないため、具体的な価格はありません。
希少な動物であることから、値段が付くとしてもかなり高額になるものと推測されます。
オジロワシは CITES(サイテス・ワシントン条約のこと)の付属書Ⅰ類 に分類されている動物です。
絶滅の恐れがあることから、国際間の商業取引が原則禁止されています。
CITESⅠ類の動物は、動物園でさえ入手が困難になってきているという声も聞かれるため、個人がペットとして飼う目的で輸入をすることはほぼ不可能であると考えられます。
また、日本国内でも 「国内希少野生動植物種」 に指定されており、オジロワシ自体だけではなく、卵や体の加工品でさえも販売や譲渡が原則禁止されています。
環境大臣の許可を得た場合はこの限りではありませんが、研究など具体的な目的が無い限り、許可が下りることはまずないと考えられます。
さらに 「天然記念物」 にも指定されているため、捕獲する場合は各都道府県および指定都市の教育委員会に申請を出し許可を得る必要があります。
つまり、オジロワシを国内で捕獲したい場合は環境大臣、教育委員会に申請を出して許可を得る必要があります。
海外で捕獲された個体を輸入したい場合は、輸出国から「CITES輸出許可書等」、経済産業大臣から「輸入承認証」または「事前確認書」を発給してもらう必要があります。
個人がペットとして飼いたいという目的でこれらの書類が発給されるのか、承認されるのかはわかりませんが、かなり厳しいものがあると考えて差し支えないでしょう。
オジロワシは各法律で保護されているだけではなく、特定動物に指定されています。
※特定動物は「人の生命や財産に危険を及ぼす可能性がある」とされている動物のことを指します。
特定動物を飼育する場合は、飼育施設や管理方法に関する基準をクリアし、都道府県知事の許可を得る必要があります。
許可を受けずに飼育した場合や、基準に満たない施設で飼育した場合は、6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることがあります。
オジロワシは入手するためにも、飼育するためにも多くの申請と許可取りが必要になります。
数多くの申請と許可取りをすることができて、運良くオジロワシを入手することができてもそこで終わりではありません。
まず飼育するために必要な物を揃え、必ずオジロワシを診察してくれる獣医を探しておきましょう。
オジロワシほど大型の猛禽類になると、動物園の獣医や鳥専門の獣医でないと診ることができない可能性が高いと考えられます。
野生のオジロワシは海に住む魚や鳥、動物の死骸を食べていますが、動物園では鶏頭、馬肉、魚、マウス、ラットなどを与えているところが多いです。
毎日餌を与えることを考えると、オジロワシ専用の冷蔵庫・冷凍庫を用意した方が良いでしょう。
グローブや足革など、オジロワシを腕に乗せるための道具も用意しておいた方が良いです。
鷹匠の方がオンラインショップで販売しているため、そちらに相談すると良い道具を紹介してくれるかもしれません。
猛禽類であるオジロワシも水浴びをします。
オジロワシの体が入るくらいの容器か水浴び場を用意してあげましょう。
オジロワシを飼育する時に必要な物や必要な心構えは、可能であれば猛禽類のプロフェッショナルである鷹匠の方に教えて頂くと良いです。
しかし、大型でしかも元々野生動物であるオジロワシを飼育するのは、相当困難ないばらの道であると考えられます。
ほとんどの時間をオジロワシのために費やすくらいの決意と愛情を持ち、飼育に挑んでくださいね。
オジロワシをペットとして飼うことは一筋縄ではいかず、正直現実的ではありません。
しかし、家で飼うことは難しくても、動物園に行けば比較的簡単にオジロワシを観察することができます。
いくつかの動物園に行って好みの個体を見つけ、可能な限り会いに行ってみてはいかがでしょうか。
東京都の伊豆大島にある、大島公園内の動物園です。
国内有数の大きさを誇るバードゲージがあること、そして動物との距離が近いことが大きな魅力です。
どこか昔懐かしい雰囲気がある、のんびりとした空気を楽しんでください。
住所:東京都大島町泉津字福重3号
マップ: Googleマップ
電話番号:04992-2-4411
入園料:無料
開園時間:8時30分~17時
休園日:年中無休
公式ホームページ: 東京都立大島公園動物園
ペンギンの散歩やアザラシの円柱水槽など、動物の展示方法に工夫を凝らしていることで有名な旭山動物園。
こちらでもオジロワシが飼育・展示されています。
時期によっては、雪の上に立つオジロワシを見ることができるかもしれません。
住所:旭川市東旭川町倉沼
マップ: Googleマップ
電話番号:0166-36-1104
入園料:
大人(高校生以上) 820円
小人(中学生以下) 無料
開園時間:公式ホームページの「 開園期間・時間 」を参照
休園日:公式ホームページの「 開園期間・時間 」を参照
公式ホームページ: 旭山動物園
※合わせて読みたい: 動物園好きなら必ず行っておきたい!「旭山動物園」の情報と魅力まとめ
植物園も併設している、福岡市動物園でもオジロワシが飼育されています。
他にもオオワシ、コンドル、ハヤブサ、チョウゲンボウなどの猛禽類も飼育されているので、それぞれの違いや特徴を比べてみるのも楽しいですよ。
住所:福岡市中央区南公園1番1号
マップ: Googleマップ
電話番号:092-531-1968
入園料:
大人 600円
高校生 300円
中学生以下 無料
開園時間:9時00分~17時00分
休園日:月曜日(祝祭日の場合は開園、翌日休園)
公式ホームページ: 福岡市動物園
当記事ではオジロワシの生態や飼育方法について解説してきました。
野生動物は日本でも海外でも様々な法律で守られていることが多く、飼いたいと思ってもそう簡単に飼えるものではありません。
その動物を飼うことで人や動物が不幸にならないように、各法律を遵守しつつ念入りな準備をする必要があることを忘れないでくださいね。
最終更新日 : 2021/11/02
公開日 : 2019/03/29