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世界最大のカブトムシ です。
オスは体長140mm前後が平均とされています。
最大では約180mmになった固体もいます。
メスは65mm前後が平均サイズです。
オスの大きな体に長い角が2本(胸角と頭角)、そして黄褐色の前羽が特徴です。
強さもカブトムシの中で1番とされています。
闘うときに2本の角で相手を挟み込み投げ飛ばす豪快なスタイルも魅力的です。
主に南米中部に生息しています。
名前はギリシャ神話のヘラクレスに由来しています。
ヘラクレスオオカブトの値段には幅があります。
オス、メスのペアで売られていることもあればオスだけということもあります。
何が価格に影響を与えるかと言うと主に「角の長さ」、「角の曲がり具合」、「体長」です。
一般的な値段相場は、130mm程度の個体でおよそ2万円です。
「サイズが小さい」、「角が短い」、「角が過度に曲がっている」などの固体は価格が下がり、5,000円前後でも買えたりします。
逆に「角が長くて真っすぐ」で「大きなサイズ」を持つ個体は価格が上がっていきます。
特に体長に関しては、1mm単位で価格が変わります。
平均の140mm前後を超え、150mmを超えてくると価格は一気に上がります。
150mmを超えてくるとヘラクレスオオカブトの中でも大きいサイズで、5万円になることも珍しくありません。
150~160mmでの相場は5万~10万円ぐらいが一般的です。
良質な固体はどんどん価格が上がります。
見た目で価格が決まると言っても過言ではありません。
特に体の大きさが価格を決める1番の要因です。
大きくても体の欠損、角が曲がっている、体が細すぎるなどは価格が大きく下がる要因となります。
また、繁殖させた人がオークションなどで安く売っていることもあります。
しかし、条件を完璧に満たした固体だと300万円を超える価格がつくこともあるそうです。
では、なぜヘラクレスオオカブトはここまで大きさが重要視されているのでしょうか。
それはヘラクレスオオカブトの見た目の貫禄が大きな魅力だからです。
もっと簡単に言うと、ヘラクレスオオカブトが「世界最大のカブトムシ」だからです。
小さなヘラクレスオオカブトだと鑑賞するにも物足りないですよね。
また、大きな個体で繁殖すると、大きい子孫が生まれやすく、繁殖目的で購入する人は大型の個体を選ぶことが多いのです。
購入する際は価格と固体をよく見比べましょう。
次に、ヘラクレスオオカブトの飼育方法について説明していきます。
ですが、その前にヘラクレスオオカブトに限らず、 カブトムシを飼育する前に知っておいてほしいこと を挙げておきます。
カブトムシは夜行性です。
昼間はマット(土)の中に潜って休んでいます。
ところが夜になると活発に活動し始めます。
食事や交尾、ケース内を移動したりなど、活動する際に、ケースにぶつかったり、引っ掻いたりして音がします。
生き物を飼育する以上、生活音がすることは当然ですが、カブトムシは生活音が大きい方です。
特に飛び回るときの羽音はなかなかの音量で、静かな部屋だと響き渡ります。
一般的に寝ている方が多い夜に音を立てるので、物音が気になる方は飼育場所に気をつける必要があります。
これはヘラクレスオオカブトに限らず、カブトムシ全般に言えることです。
クワガタの中には一部、越冬できて数年生きるものもいますが、カブトムシは基本的に1シーズンぐらいで死んでしまいます。
国産のカブトムシだと、12~15カ月が一般的で、羽化後、1~3カ月ほどで死んでしまいます。
ヘラクレスオオカブトはカブトムシの中でも寿命が長い方で、羽化後6~12カ月程生きます。
しかし、長生きしても生まれてから2年弱で死んでしまいます。
交尾や産卵をさせるとさらに寿命は縮まっていきます。
これもペットを飼う上では当然と言えば当然ですが、やはりカブトムシも飼っていると臭いがします。
主な臭いはマットと尿の臭いです。
マットは飼育する上で必須の土であるため、多少臭いがします。
尿に関しては、食事中や食後に尿を勢い良く飛ばすため、ケース壁面が汚れたり、ケースの外にも飛び出す恐れがあります。
そして臭いもあります。
マットと尿の混ざり合った独特な臭いを発するということは頭に入れておいてください。
以上の3点を飼う前に頭に入れておいてください。
ペットを飼ったことがある人であれば、それほど気にならないレベルではあります。
飼育方法はほぼ国産のカブトムシと同じです。
基本的に1匹ずつ飼いましょう。
早死にしてしまうからです。
オス同士は喧嘩してしまいます。
オスとメスでも繁殖させるとき以外は別々が望ましいです。
オスが求愛しすぎてメスにストレスを与えてしまいます。
それではまず、用意するものを紹介していきます。
飼育ケースはヘラクレスオオカブトが動き回ることができるように、ある程度の広さを確保してあげましょう。
特にオスは角が長いので幅と奥行きはそれなりの長さが必要です。
サイズで言うとオスはL、メスはMぐらいは欲しいところです。
具体的な数値としては、オスの飼育ケースは、幅300mm、奥行き200mm程度、高さ100mm以上であれば充分です。
メスに関しては幅200mm、奥行き100mm、高さ100mm以上であれば大丈夫です。
あくまで目安ですのでヘラクレスオオカブトが狭そうにしていなければ問題ありません。
エサは何か変わったものをあげる必要はなく、市販の昆虫ゼリーで大丈夫です。
ただ、ヘラクレスオオカブトはゼリーの大きさ、 置く場所には気を配る必要があります。
体が大きく角も長いため、ゼリーが小さかったりケースの隅に置いたりすると、角が邪魔になってゼリーを食べられなかったりします。
大きいサイズのゼリーを与えたり、小さいゼリーを別の容器に移してあげてください。
置く場所は、角がケースに当たらないようにゼリーを壁際から離して置いてあげましょう。
また、ゼリーを与えるとき、フィルムを剥がさずにカッターナイフなどで十字に切れ込みを入れて与える工夫もおすすめです。
ゼリー表面がマットで汚れたり、中身がこぼれることを防ぐことができます。
ヘラクレスオオカブトがゼリーを食べる分に支障をきたす恐れはありません。
マットとは飼育ケースに敷く土のことです。
カブトムシは、昼間はマットの中に潜り休んだりします。
マットを潜ることができる程度の深さまで敷いてあげましょう。
オスはあまり潜らないので2~3cm、メスは5cm程あれば大丈夫です。
また、マットではなく、上記のようなハスクチップでも構いません。
ハスクチップとは、ヤシの実の外皮を粉砕し、水洗してあく抜きしたものです。
ハスクチップを使うメリットはたくさんあります。
ヤシの細かな繊維の束は通気性、保湿共に優れています。
使うときは、霧吹きで湿らせるだけで使えます。
取り換えた後の捨てるハスクチップは、燃えるゴミとして捨てることができるので手間があまりかかりません。
ヘラクレスオオカブトの足場になるので、転びにくくしたり、転んでも起き上がりやすくなります。
カブトムシは、転んで仰向けになることがよくあります。
そして、コバエが沸くことも防ぐことができます。
マットだと意識的に清潔に保っていないとコバエが沸いてしまいます。
ハスクチップだと、こぼしたエサを放置したりしない限りその心配はありません。
ただ、産卵や幼虫の飼育は、ハスクチップではできないので、繁殖させるときはマットにしましょう。
マットを敷いてその上に敷いてヘラクレスオオカブトの足場とさせるのも1つの手です。
これはケース内でカブトムシが止まったり、移動するための木です。
お店でゼリーを入れる穴付きのタイプを販売していることが多いです。
ヘラクレスオオカブトにとってマットよりも木の方が歩きやすいのでぜひ入れてあげてください。
コバエ除けは、コバエの侵入を防ぎ、マットに産卵して繁殖したりすることを防ぎます。
置き型タイプ画像のようなシートタイプもあります。
コバエ対策を一切せずにヘラクレスオオカブトを飼育しているとコバエが寄ってくるので使うことをおすすめします。
必要なものが揃ったら早速セッティングしてみましょう。
ケースにマットを深さが2~5cm程になるように敷きます。
オスかメスかによって調節してください。
ハスクチップを敷く場合も同じ深さで構いません。
マット、ハスクチップを霧吹きなどで湿らせる必要があります。
目安としては、マットを握ったとき軽く固まる程度が望ましいです。
マットは乾燥しないように適度な湿度をキープしましょう。
乾燥するぐらいなら、まだ湿りすぎている方がマシです。
湿度キープする方法としてコバエ除けのシートを使う手もあります。
本来はコバエがケース内に侵入しないように、ケースと蓋の間に挟むものです。
これは、ケース内の水分が外に出ることも防ぐため、保湿にも貢献します。
後は、登り木、エサを設置すればOKです。
温度は、直射日光を避け、20℃~25℃をキープしましょう。
え?カブトムシは夏の昆虫で、ましてやヘラクレスオオカブトは南米の赤道付近に生息しているのだから、寒さはともかく熱いのは平気でしょ?
そう思われる方も多いと思います。
ところが、 カブトムシは暑さに強い訳ではありません。
確かに成虫が活動しているのは夏です。
しかし、生息場所は主に木陰が多い雑木林です。
昼間は土の中で休んで夜涼しくなっていてから外に出てきます。
耐えられる暑さにも上限があります。
それはヘラクレスオオカブトも例外ではありません。
生息場所は赤道直下の南米ではありますが、標高1000メートル付近の涼しい地域に生息しています。
暑いのはいくらでも平気というのは誤解です。
28℃を超えてくると、注意が必要です。
30℃を超えると危険です。
成虫になってから1年弱で死んでしまうヘラクレスオオカブトに高額を払ってまで飼うのはちょっと抵抗があるという方も多いと思います。
ヘラクレスオオカブトをペットにさせる魅力はただ飼育するだけではありません。
繁殖を繰り返し、ヘラクレスオオカブトを飼い続けることもできます。
また、良質な固体同士を交尾させて、より大きく、より形のきれいなヘラクレスオオカブトを生み育てることも楽しみ方としてあります。
では、その繁殖の方法を紹介していきます。
交尾させる前にしておかなければならないことがあります。
それは 成熟の確認 です。
ヘラクレスオオカブトが成虫になっているからと言ってすぐに交尾できるという訳ではありません。
しっかり成熟してからではないと子孫を残すことができないのです。
しかし、成熟前と成熟後でどこか外見が変化するわけではないので見た目では判断することはできません。
判断基準は 後食 したかどうかです。
一般的に成熟してから1~2カ月はじっとしていてエサもほとんど食べません。
個体差はありますが、2カ月程経つとエサをしっかり食べるようになります。
これを後食と言います。
目安としては2日でゼリー1つ完食するぐらいの食事量になれば成熟していると言えます。
ヘラクレスオオカブトを購入する際には大まかでも羽化日が分かる固体を購入することをおすすめします。
オス、メス共に後食が確認されれば交尾はできます。
でもいきなり交尾させるのではなく、1週間ぐらいは高たんぱくゼリーを食べさせましょう。
しっかり栄養をつけたら準備完了です。
オスとメスを同居させてみましょう。
それぞれを飼育するときと基本的に環境は同じですが、マットだけはハスクチップに替えて、薄く敷く程度にしてください。
これは、メスがマットの中に潜ってしまって交尾ができなくなることを防ぐためです。
1週間ほど同居させれば交尾完了したと考えても大丈夫です。
交尾は1時間ほどで終わりますが、充分な産卵量を確保するには1週間ほど同居させて複数回交尾させた方が良いとされています。
もちろんたくさん卵を産まれても世話できないなら1回交尾させてすぐ別居させても構いません。
1週間より長い期間同居させるとオスがメスを追いかけすぎてメスがストレスを抱えてしまいます。
また、交尾、産卵はメスにとって負担が大きく寿命が縮むので、長生きさせたい場合もすぐ別居させた方が良いでしょう。
メスを産卵させるために単独で産卵セットでの飼育をします。
なぜ普通の飼育環境ではなく産卵セットを用意するのかと言うと、ヘラクレスオオカブトに限らずカブトムシの産卵の仕方に理由があります。
カブトムシは一般的に多くの量の卵を広範囲に産むばら撒き産卵です。
つまり、産卵セットのケースが大きければ大きいほど範囲が広くなるため、多くの卵を産んでくれます。
どれぐらい採卵したいかで産卵セットのケースの大きさを決めましょう。
理想は多く採卵できる、衣装ケースなどを使うのがおすすめです。
普通の飼育ケースで産卵させる場合は、LLサイズは最低でもほしいところです。
まずは、マットを敷きます。
密閉された袋に入っていたマットを使用するときは特にですが、マットを敷くときはしっかりと混ぜてください。
これをしないとマット内に充分な酸素が行き渡らずヘラクレスオオカブトが酸欠を起こしてしまう可能性があります。
そして、普通に飼育するときと同様にマットに加水しながら充分に湿らせます。
このマットをケースの7分目ぐらいまで敷き詰めます。
このときしっかりとマットを押し固めてください。
その上に2~3cmほど今度は押し固めずにマットを敷きます。
この上にエサの昆虫ゼリーと転倒防止用にハスクチップや止まり木を入れれば産卵セットの完成です。
産卵セットに交尾を完了したメスを入れるとメスはすぐにマットに潜っていきます。
マットに潜るとメスはしばらくはマットの中で産卵し続けます。
一般的に1日に1個から3個ぐらい産みます。
マットの中から出てくるのは、長いときには1週間から10日に1回程です。
10日もすれば、産卵できているとみて問題ありません。
メスがあまりマットに潜っていないときには2、3週間ほど待ってあげましょう。
潜っていることが多い場合には10日後に1回目の採卵をしてみましょう。
卵の段階で取り出すかふ化させて幼虫になってから取り出す、どちらも問題ありません。
しかし、卵だと潰してしまう恐れもあるので幼虫になって取り出す方がおすすめです。
幼虫の育て方を羽化させるところまで説明していきます。
成虫が大きくなるかどうかは幼虫時代にかかっています。
幼虫期間は1~2年程あり、根気よく世話をする必要があります。
プリンカップで1匹ずつ飼育するのが理想的です。
大きなコンテナなどでの複数飼いもOKです。
幼虫の飼い方はとても単純です。
温度に気をつける、定期的にマットを換えてあげる 、してあげることは大雑把に言えばこの2つだけです。
プリンカップで飼育する場合は860プリンカップがおすすめです。
温度に関しては、成虫と全く同じです。
20~25℃が理想で、28℃以上は注意、30℃以上は危険です。
幼虫はマットを食べて育ちます。
マットの交換のタイミングは、 表面に糞が目立ち始めたり、マットの量が目に見えて減ってきたら交換の目安 です。
3カ月~半年に1回は交換します。
マットは羽化するまで大体4、5回程交換します。
マットを交換するときは全て交換するのではなく、少しだけ古いマットも残しましょう。
幼虫が早く馴染める環境を糞などに含まれるバクテリアがつくってくれます。
それによって幼虫もストレスなくすくすく育ちます。
幼虫が大きくなるにつれて飼育ケースは変える必要があります。
蛹になる頃には1匹に飼育ケースS、Mぐらいの広さを与えてあげる必要があります。
黄色くなり始めたら蛹になる手前です。
普通、この状態で幼虫は蛹室(ヨウシツ)をつくりはじめます。
何事もなければこのまま安静にしておけば羽化します。
しかし、場合によっては人口蛹室に移してあげる必要があります。
どういった場合かと言うと、 何らかの要因で蛹室が壊れてしまった場合 と、 飼育ケースの隅っこに蛹室をつくってしまった場合 です。
蛹室が壊れてしまうと蛹になれなくなってしまいます。
蛹室をケースの隅っこにつくってしまうと角が生えてきたときにケースに当たり真っすぐではなく曲がって伸びてしまい、角が大きく曲がった成虫になってしまいます。
人工蛹室は一般的にスポンジをヘラクレスのサイズに合わせて削ることでつくれます。
蛹室に不具合が生じた場合だけでなく、羽化する瞬間を観察したい場合にも人工蛹室は使えます。
蛹室をつくってから2カ月程で羽化します。
羽化したら羽根や体が固まるまで待たなければなりません。
1カ月は触らないようにしましょう。
その後は成虫として責任を持って飼ってあげてください。
世界最大最強のカブトムシであるヘラクレスオオカブト。
ペットとしての魅力が少しでも伝われば幸いです。
圧倒的存在感をぜひあなたも味わってみてください!
公開日 : 2016/09/05