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カンガルーのような長い足を持つ「トビネズミ」の特徴や飼い方を解説






「トビネズミ」は、後ろ足が長くてまるでカンガルーのような見た目のネズミです。

トビネズミはとある理由により、国内のペットショップではほぼ姿を見かけません。
そのため、どんな動物なのか知らない、見たことがないという人も多いのではないでしょうか。

しかし、トビネズミはかつてペットとして流通し、飼育書が発売されるほどの人気を博していました。

本記事ではかつてトビネズミに起きたこと、そしてその生態やペットとしての飼い方を解説していきます。

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【目次】カンガルーのような長い足を持つ「トビネズミ」の特徴や飼い方を解説

 

トビネズミの生態

分布

大きさ

鳴き声

食性

特徴

繁殖

寿命

トビネズミの生態まとめ

トビネズミはペットとして飼えるのか

トビネズミのお迎え方法

トビネズミの値段

トビネズミの飼い方

トビネズミの餌

ケージ

温度計・湿度計

保温器具

床材(砂)

巣箱・シェルター

餌入れ

水入れ

トビネズミがいる動物園・施設

【東京都】上野動物園

トビネズミの種類

さいごに

 

 

トビネズミの生態

 

植物背景のトビネズミ

 

トビネズミは 「哺乳綱 ネズミ目(げっ歯目) トビネズミ科」 に属する動物の総称です。

 

33種ほどの仲間に分類されると言われており、日本ではかつてヒメミユビトビネズミやコミミトビネズミ、バルチスタンコミミトビネズミ(ピグミージェルボア)と呼ばれるトビネズミを中心に、数種類のトビネズミが輸入販売されていました。

 

この項目では、トビネズミの生息地や大きさ、特徴などを説明していきます。

 

分布

 

砂漠とラクダ

 

トビネズミは種類が多く、種類によって生息地が異なりますが、主に北アフリカから東アジアにかけた乾燥地帯(砂漠、荒れ地など)に生息しています。

 

トビネズミは体が非常に小さいことに加え、単独行動をする種類も少なくありません。

そのため、野生下において彼らがどんな生活をしているのか今もよくわかっていません。

 

大きさ

 

 

トビネズミの大きさは、種類によって大幅に異なります。

ペットとしてよく飼育されていたヒメミユビトビネズミは体長10cm・体重は60gほどですが、バルチスタンコミミトビネズミは体長36〜47mmほど・体重は5gほどです。

 

鳴き声

 

 

トビネズミはなんともいえない、 「キュウ」「プゥ」 といった感じの声で鳴きます。

 

食性

 

 

トビネズミは雑食性の動物です。

野生では植物の種子や葉、多肉植物や木の根、昆虫など、あらゆるものを食べていると考えられています。

 

特徴

 

トビネズミ縦写真

 

トビネズミ最大の特徴は足がとても長く、カンガルーを思わせる体の形をしていることです。

トビネズミの仲間はこの大きな足を使い、砂漠をぴょんぴょんと飛び回りながら移動していると考えられています。

 

もう1つの特徴は、体の大きさの割にとても長いしっぽを持っていることです。

トビネズミの仲間は食べ物や水分が貴重な乾燥地帯に生息しているため、摂取した栄養分を脂肪分としてしっぽにためています。

 

繁殖

 

 

トビネズミの繁殖方法は種類によって異なるため、ここでは一例としてヒメミユビトビネズミの情報を挙げます。

 

ヒメミユビトビネズミはオスが生後4~5ヶ月ほど、メスが生後8~12ヶ月ほどで性成熟を迎えます。

妊娠期間は20~25日ほどで、1回に3匹の子どもを産むことが多いといわれています。

基本的に春から夏にかけて繁殖期を迎えますが、年に2回繁殖をすることもあるようです。

 

ヒメミユビトビネズミを含むトビネズミの仲間を飼育下で繁殖させることは難しく、出産してもストレスから母親が育児放棄をしてしまうことも多いようです。

 

寿命

 

 

トビネズミの寿命は種類によって異なりますが、長くても5~6年ほどではないかと考えられています。

ただし、飼育下で寿命を全うさせるのはかなり難しく、あっという間に死んでしまうことも珍しくありません。

 

トビネズミの生態まとめ

 

分類:哺乳綱 ネズミ目(げっ歯目) トビネズミ科

英名:jerboa

分布:北アフリカから東アジアにかけた乾燥地帯(砂漠、荒れ地など)

大きさ:種類によって異なる

鳴き声:「キュウ」「プゥ」など

食性:雑食

繁殖:種類によって異なる

寿命:長くても5~6年

 

 

トビネズミはペットとして飼えるのか

 

 

トビネズミの仲間はペットとして飼育できますが、現状入手すること自体が非常に困難です。

この項目ではトビネズミのお迎え方法と、その値段について解説していきます。

 

トビネズミのお迎え方法

 

 

残念ながら、現在トビネズミの仲間を常に販売しているショップはほぼゼロに近いと考えられます。

なぜなら、ペストの発生予防を強化するため、2003年3月1日にはプレーリードッグに、2005年9月1日にはトビネズミを含むげっ歯類に輸入届出制度が施行されたからです。

 

2005年9月以降にげっ歯類を海外から輸入する場合、多くの条件をクリアしなければならなくなりました。

この条件がかなり厳しく、残念ながらトビネズミは実質禁止になってしまったといっても過言ではありません。

 

そうとはいえ、原産地に条件をクリアする環境で育てられた個体がいれば、輸入すること自体は可能です。

 

しかし、それらの条件をクリアしたトビネズミを探すことは難しく、かつ各種手続きに多くの手間がかかることを考えると、トビネズミを輸入すること、購入することは現実的ではありません。

 

それでもどうしてもトビネズミが飼いたい、諦められないという方もいるかもしれません。

そういった方は、輸出入に強い動物商、もしくはエキゾチックアニマルを扱うショップに相談してみると何かヒントが得られるかもしれません。

 

トビネズミの値段

 

右を向くトビネズミ

 

トビネズミの価格は不明です。

 

現在の入手難易度を考えると、売り手側の言い値になってしまう可能性が高いと考えられます。

種類や性別、生体の状況などによりますが、少なくとも10万円以上すると考えておいた方が良いかもしれません。

 

なお、バルチスタンコミミトビネズミについては多くの個体が流通していた時期(2001年~2006年頃)は、1匹あたり1~3万円で販売されていたようです。

 

 

トビネズミの飼い方

 

 

トビネズミは種類にもよりますが、基本的に体が小さく、環境の変化による影響を受けやすい動物です。

本来は乾燥した地域に生息しているため、湿度が多い日本では余計にストレスを感じやすいものだと考えておいた方が良いでしょう。

 

この項目では、トビネズミを飼育するために必要となるものを解説していきます。

 

トビネズミの餌

 

シードミックス

 

トビネズミは恐らく雑食性の動物だと考えられていますが、特に植物の種子を好む傾向が強いといわれています。

 

ただ、野生のトビネズミは食べ物が豊富にあるとは考えづらい、砂漠の周辺に生息しています。

そのため、植物や種子、木の根、小さな昆虫類など、食べられるものであれば何でも食べているのではないかと推測されています。

 

そんなトビネズミをペットとして飼育する際の主食には、小鳥用の皮付き種子を使用します。

1種類の種子だけでは栄養が偏ってしまうため、必ず複数の種子が入っているシードミックスを使用してください。

 

そうとはいえ、種子だけではトビネズミに必要な動物性たんぱく質やビタミン類が不足してしまいます。

したがって、動物性たんぱく質としてミルワームやゆでた鳥のささみを小さく裂いたものを、ビタミン補給のために豆苗やコマツナ、チンゲンサイ、キャベツ、ニンジンなどの野菜を少量与えます。

 

特に動物性たんぱく質が不足すると共食いや子殺しをする可能性があるため、注意する必要があります。

 

ケージ

 

 

トビネズミの飼育にあたっては、温度と湿度を適切に管理することが非常に大切です。

そのため、トビネズミの住まいには温度と湿度の管理がしやすいガラス製、もしくはプラスチック製の水槽や小動物用ケージを選ぶと良いでしょう。

 

温度計・湿度計

 

 

トビネズミの健康を管理するために、温度計と湿度計は欠かせません。

砂漠出身のトビネズミは特に湿度に弱いため、湿度計は定期的にチェックするようにしてください。

 

保温器具

 

 

トビネズミに適する温度は21~26℃程度、湿度は50%程度だといわれています。

そのため、トビネズミのケージ内は保温器具やサーモスタット、エアコンや除湿器といったアイテムを駆使して、トビネズミが暮らしやすい温度と湿度を維持するように努める必要があります。

 

なお、野生のトビネズミが暮らす砂漠は日中暑くて夜は寒く、一日の気温差は20℃以上になるといわれています。

したがって、飼育下でも適する温度の中において、少しでも気温差をつけた方が良いとされています。(例:昼は25℃、夜は21℃など)

 

床材(砂)

 

 

本来乾燥した砂漠に生息するトビネズミは、穴を掘ることが大好きです。

ケージにはハムスターの砂浴び用砂などを床材として敷き、好きな時に穴を掘れるようにしてあげてください。

 

なお、床材には「焼き砂」「高温加熱済み」などと書かれた衛生的なものを使用してください。

庭などで採取した土や砂には細菌やカビなどがいる可能性があるため、トビネズミの床材には適しません。

 

巣箱・シェルター

 

 

トビネズミは野生では様々な動物に食べられてしまう、被食者側の生き物です。

そのため、野生では常に岩の影などに隠れ家を作り、そこで身を隠して生活しています。

 

ペットとして飼う時も身を隠す場所がないと強いストレスを感じてしまうため、ケージには必ず巣箱やシェルターを設置してください。

 

餌入れ

 

 

トビネズミに衛生的に餌を与えるため、そして餌を食べた量を確認するためにも餌入れは必需品です。

餌入れはあまり深すぎないもの、ひっくり返せないくらいの重さがあるもの、そして洗いやすい素材のものを選ぶと良いでしょう。

 

水入れ

 

 

野生のトビネズミは水を飲まず、必要な水分は全て食べ物から摂取しているといわれています。

そのため、ペットとして飼育する時も水は不要だと思われがちですが、個体によっては水を飲むことが確認されています。

 

できれば水入れを用意し、トビネズミがいつでも水を飲める状況にしておいた方が良いでしょう。

 

 

トビネズミがいる動物園・施設

 

 

トビネズミを飼いたい方は、まず動物園に行ってトビネズミをじっくり観察してみましょう。

なぜなら、実際の動物を見ること、またその飼育環境を見ることによって学べることは非常に多いからです。

 

ただ、トビネズミは入手が難しい上に飼育が難しく、寿命が短いためか、飼育している動物園は多くありません。

この項目では、トビネズミを飼育している動物園を紹介していきます。

 

【東京都】上野動物園

 

 

上野動物園の小獣館にて、オオミユビトビネズミが飼育されています。

2003年頃にはバルチスタンコミミトビネズミも飼育されていましたが、現在はオオミユビトビネズミの飼育展示のみとなっています。

 

なお、餌としては種子類を主食にリンゴやサツマイモ、ニンジンやコマツナなどを与えているそうです。

 

上野動物園の基本情報

 

住所:東京都台東区上野公園9-83

マップ: Googleマップ

電話番号:03-3828-5171

入園料:

一般   600円
65歳以上 300円
中学生  200円
都内在住・在学の中学生、小学生までは無料

開園時間:9時30分~17時

休園日:

月曜日(月曜日が祝日や振替休日、都民の日の場合は翌日が休園日)
年末年始(12月29日~翌年1月1日)

公式ホームページ:  上野動物園

 

 

トビネズミの種類

 

  • オオミミトビネズミ
  • ヨツユビトビネズミ
  • イツユビトビネズミ
  • オオミユビトビネズミ
  • ヒメミユビトビネズミ(アフリカトビネズミ)
  • バルチスタンコミミトビネズミ(ピグミージェルボア) など

 

トビネズミは全体的にまだ謎が多い生き物ですが、33種ほどに分類されるのではないかと考えられています。

 

 

さいごに

 

しっぽが目立つトビネズミ

 

カンガルーのような不思議な見た目のネズミ、トビネズミについて説明してきました。

 

トビネズミはストレスを感じやすい性質が強いため、触れ合いに向く動物ではありません。

そんなトビネズミはあくまで鑑賞用のペットとして割り切れる人、そしてトビネズミのために環境を作りこめる人に向くペットだと言えるでしょう。

 

現状トビネズミの仲間を入手することは難しく、よほど運がよくなければお迎えすらできません。

もし幸運にもトビネズミをお迎えできたら、ぜひ1日でも長く一緒に暮らせるように日々トビネズミのことを考え、彼らが暮らしやすいよう環境を整えてあげてください。


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