本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
リチャードソンジリスは 「哺乳綱 ネズミ目(齧歯目) リス科」 の動物です。
ジリスはリスの仲間ですが、シマリスやエゾリスのようなリスとは異なり、木には登りません。
この項目では、主に野生のリチャードソンジリスに関する生態を解説していきます。
リチャードソンジリスは、カナダから北アメリカにかけて生息しています。
彼らは昼行性で短い草の生えた草原を好み、地面に穴を掘って暮らしています。
リチャードソンジリスの体長は26~32cmほど、体重はオスで350~500g、メスで250~400gほどです。
なお、見た目が良く似たプレーリードッグは体長が30~40cm、体重が700~1,400gほどです。
国内で良く見られるオグロプレーリードッグは名前の通り、尻尾の先が黒いのが特徴です。
リチャードソンジリスは 「ピー」「キー」「ピヨ」 といった、小鳥のような声で鳴きます。
何も知らない人がその声を聞いたら、鳥の鳴き声だと思うかもしれません。
リチャードソンジリスは基本的に、草食性の動物です。
野生では主に植物の葉や花、種子などを食べて暮らしています。
簡単に手に入る状況であれば昆虫や肉類、卵などの動物性たんぱく質も好んで食べます。
リチャードソンジリスの特徴は小さくて短い耳、黒くて大きな目、ややふさふさした尻尾です。
またプレーリードッグとは異なり、エサをためるための頬袋があるのも特徴の1つといえます。
体の色は背中が濃い茶色で腹が薄い茶色~褐色ですが、ときおり全身真っ黒な個体や真っ白な個体(アルビノ)が生まれることもあります。
野生のリチャードソンジリスは1年のうち4カ月だけ地上で活動し、残り8カ月は冬眠しています。
彼らはその長い冬眠から目覚めると、すぐに繁殖期を迎えます。
メスは1回の繁殖期でたった1日(2~3時間)だけオスを許容し、その間に1~4頭のオスと交尾します。
そのため、オスはメスより早く冬眠から目覚め、交尾の準備を行います。
妊娠期間は23日ほどで、1回に5~8頭の子どもを産んで地面に掘った巣穴の中で育てます。
子どもは生後1カ月ほどで離乳してすぐに固形物を食べ始め、冬眠に向けて脂肪を蓄えていきます。
そして初めての冬眠を迎え、冬眠から目覚めると初めての繁殖期を迎えるのです。
諸説ありますが、リチャードソンジリスの寿命は3~7年ほど。
野生下の寿命はオスで3歳未満、メスで3~4歳ほどといわれています。
飼育下では性別による寿命の差はありませんが、4~5歳で死亡することが多いようです。
分類:哺乳綱 ネズミ目(齧歯目) リス科
学名:Urocitellus richardsonii(かつてはSpermophilus richardsonii)
英名:Richardson's ground squirrel
別名:gopher(ゴーファー)、 flickertail(フリッカーテール)
分布:カナダ~北米
大きさ:
体長・26~32cm ほど
体重・オスで350~500g、メスで250~400g
鳴き声:「ピー」「キー」「ピヨ」など
食性:草食性(の強い雑食性)
繁殖:
妊娠期間:30日ほど
産子数:1回に5~8頭
寿命:3年~7年ほど
リチャードソンジリスは、ペットとして飼育できます。
この項目ではリチャードソンジリスの購入方法および、その値段について解説します。
リチャードソンジリスは、ペットショップから購入できます。
ただし、リチャードソンジリスの繁殖期は年に1回であることから、常に購入できるとは限りません。
あらかじめペットショップやブリーダーを探し、事前に予約しておくと良いでしょう。
事情があって里親を探している個体も見られるため、里親募集サイトをチェックしてみても良いかもしれません。
リチャードソンジリスは1匹あたり、3~4万円ほどで販売されています。
リチャードソンジリスは比較的珍しく、飼育している人が少ない動物です。
飼育に関する情報が少ないため、わからないことは自分で解決する必要があります。
この項目ではリチャードソンジリスを飼育する際に必要なものと、その理由を説明していきます。
エサは牧草(チモシー)を主食に、ジリスやプレーリードッグ用のペレットと少量の野菜を与えましょう。
牧草は常にケージの中に入れておき、食べ放題の状態にしておきます。
ペレットの量はパッケージに書かれた数値を基準に、こまめに体重を量りながら増減させます。
上記のエサに加え、ときおり少量の動物性たんぱく質を与えることも大切です。
なお、ペレットはウサギやハムスター用のペレットでも代用できます。
代用品を与える際は牧草を主原料にした、質の良い物を選ぶようにしてください。
ケージには金網タイプと水槽タイプがありますが、大きめの水槽タイプがおすすめ。
大きさや値段、レイアウト性に重点を置いて、衣装ケースを使ってケージを自作する人も多いです。
金網ケージは金網を噛んだり登ったりしてしまい、不正咬合や落下事故に繋がる可能性があります。
水槽ケージは事故が少ない上、床材を敷くことで彼らの「掘りたい」欲求を満たせます。
ただし水槽ケージは通気性が悪く、湿気が溜まりやすい点に注意する必要があります。
なお彼らは昼行性なので、ケージは直射日光を避けつつ太陽光が感じられる場所に置いてください。
エサ入れは陶器やステンレス製のできるだけ丈夫な物を選びましょう。
リチャードソンジリスの前歯は非常にパワフルなので、プラスチック製のものはあっという間に破壊されてしまいます。
水入れは小動物用として販売されている、ボトル式の物を使うと良いでしょう。
野生のリチャードソンジリスは昼間活動し、夜は地面に掘った巣穴で休む習性があります。
また、彼らは野生下では多くの天敵(イタチ、アナグマ、コヨーテ、ヘビ、タカなど)に狙われる動物であることから、身を隠す場所がないと大きなストレスを感じてしまいます。
そんな彼らが身を隠すための場所として、ケージの中には必ず巣箱を用意してあげてください。
リチャードソンジリスの床材には、木材チップや牧草を使うと良いでしょう。
目が細かすぎるものは呼吸器疾患の原因となるため、やや目が粗いものを使うと良いとされています。
リチャードソンジリスは基本的に、決まった場所に排泄をする習性があります。
トイレのしつけをする際は、オシッコやウンチをした場所に小動物用トイレを設置すると良いでしょう。
ただし、トイレを覚えるかどうかは個体差があり、トイレを覚えない個体も少なくありません。
ペットとして飼育されるリチャードソンジリスは、運動不足による肥満になりやすい傾向にあります。
ケージの中には複数のおもちゃを設置して、少しでも運動できる環境を整えてください。
おもちゃにはトンネルに見立てたパイプ、回し車、齧り木、ハンモックなどが使えます。
野生のリチャードソンジリスの爪は地面を掘り、走り回ることで自然とすり減っていきます。
しかし、飼育下では爪がすり減るスピードより伸びるスピードが上回ってしまうため、定期的に爪を切る必要があります。
爪切り中に誤って血管を切ってしまった時のために、動物用の止血剤を用意しておくと安心です。
リチャードソンジリスに適する温度(適温)は、18~24℃だといわれています。
気温が下がりすぎると冬眠してしまうため、ケージの中は最低でも15℃以上を保つようにしてください。
冬眠してしまうと二度と目覚めない可能性があるため、冬眠させないことが大切です。
冬や夏は小動物用のヒーターやエアコンを活用し、ケージ周辺を適切な適温に保ってあげてください。
リチャードソンジリスの飼い方を説明した後は、飼育する際の注意点を紹介します。
【発情期のジリスと戯れてみた】
— ハチ公の僕 (@hacchi_pucchi33) June 3, 2020
舞い上がっちゃって〜
痛い…でも可愛いから許す💕
むしろ噛まれるのが楽しい #リチャードソンジリス #噛まれたところ痒い
こんな素早いハチは初めてです。 pic.twitter.com/oOdfwZcNrC
リチャードソンジリスには、オスメスともに発情期があります。
発情期になるとオスは睾丸がピンク色から黒色になり、体や尿の臭いが強く、きつくなります。
メスは乳首が黒く大きくなり、陰部がピンク色になって腫れてきます。
また、個体によっては食欲が減って体重が激減し、やたらと動き回り、フンが細く小さくなります。
餌を食べない、体重が減るといった状況が続くようであれば、動物病院に相談すると良いでしょう。
発情期の時期は冬~春が多いものの、夏に発情期が来る個体もいます。
期間は1週間程度で終わることもあれば、数か月に渡って続くこともあります。
飼育下の発情期については不明な点も多く、また現れる症状も個体差があるようです。
そして、発情期を迎えると性格が荒くなり、攻撃的になることも多いです。
発情期に入り、なついていたはずの個体に噛まれてショックを受けることもあるかもしれません。
しかし、ほとんどの場合は発情期が終われば元の性格に戻るため、発情期の間はなるべくそっとしておいてあげてください。
リチャードソンジリスは比較的野性味が強く、人に慣れにくいといわれている動物です。
人への慣れ方には個体差があり、べた慣れになる個体もいれば、なかなか人になれない個体もいます。
どちらにしても、犬や猫のようななつき方はしないと考えておいた方が良いでしょう。
こんな時にしか伝えられないから書かせて貰うね。
— ちん(でっかいジリス) (@oimookrock) April 11, 2020
動物飼うってお金かかります。
1回にこれだけかかります。(検査によってかわります)
お金払えないから病院連れていけないは絶対ダメ。お願い #リチャードソンジリス pic.twitter.com/WHH68elE3E
リチャードソンジリスをはじめ、エキゾチックアニマルの診察ができる動物病院は多くありません。
実際にお迎えをする前に、必ずエキゾチックアニマルの診察ができる動物病院を探しておいてください。
リチャードソンジリスのような野性味が強い動物は、本能的に体調不良や怪我を隠します。
いつもと違うと思った時に、すぐに対処できる体制を整えておきましょう。
お客様からおやつをもらえて2人でシェアしてる仲良しジリスさん🐿もぐもぐしてる姿がかわいい子達に会いに来ませんか?😌💨💨 #リチャードソンジリス #groundsquirre #かわいい #もぐもぐ #HARRY #原宿テラス店 #動物 #どうぶつ #ふれあい #動物カフェ #動物カフェ巡り pic.twitter.com/6MVD5vHp5x
— カワウソカフェ®︎HARRY原宿テラス店 (@zoocafe_HARRY) September 25, 2019
リチャードソンジリスを飼いたい方は、まず動物園で実際のリチャードソンジリスを見てみましょう。
そして実際の大きさや臭いを確認して、数年間一緒に生活できるかどうか判断する材料にしてください。
富士サファリに行ったらプレーリーさん!?
— はなぐろぷれーりー(赤犬) (@redfusa_miura89) January 22, 2020
…と一瞬勘違いしたがこの子らリチャードソンジリスだ!(2020年1月22日撮影)
今まで動物園で見かけたことないからある意味プレーリーさんよりレアだねー
なお一回100円で餌やり可能 #富士サファリパーク #リチャードソンジリス pic.twitter.com/iA7jlWbVf9
静岡県にある富士サファリパークでは、リチャードソンジリスが飼育されています。
1回100円でエサやりすることができるので、興味がある方はやってみると良いでしょう。
住所:〒410-1231 静岡県裾野市須山字藤原2255-27
マップ: Googleマップ
電話番号:055-998-1311
入園料:
大人(高校生以上) 2,700円
小人(4歳~中学生) 1,500円
シニア(65歳以上) 2,000円
3歳以下 無料
開園時間:
3月11日~10月31日 9:00~15:30
11月1日~3月10日 10:00~15:30
休園日:年中無休
公式ホームページ: 富士サファリパーク
プレーリードッグに似たジリスの1種、リチャードソンジリスについて解説してきました。
リチャードソンジリスは当初 “ミニプレーリードッグ” と呼ばれ、感染症対策のために輸入できなくなってしまったプレーリードッグの代替えのペットとして注目を浴びた動物でした。
確かにこの2種は見た目が良く似ていますが、その生態や性質は似ているようで似ていません。
リチャードソンジリスをお迎えする時はプレーリードッグではなく、リチャードソンジリスに関する知識をしっかり把握する必要があることが少しでも伝わっていたら嬉しいです。
リチャードソンジリスを家族として迎える時は、ぜひ入念な準備を行ってからお迎えしてくださいね。
公開日 : 2020/08/21