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世界で3番目に大きくなるリクガメ「ケヅメリクガメ」の特徴や飼い方を解説






「ケヅメリクガメ」という、アフリカに生息するリクガメをご存知でしょうか。
動物園で飼育されていることも多く、ペットショップでもよく見かけるため、名前や姿を知っている方もいることでしょう。

ケヅメリクガメはペットとしても人気が高く、SNSでも飼育している人をよく見かけます。
しかし、あまりにも大きくなることから飼いきれなくなり、捨てられてしまうという悲しい事件が後を絶たないのが現状です。

本記事ではそんなケヅメリクガメについて、その生態や飼い方を解説していきます。

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【目次】世界で3番目に大きくなるリクガメ「ケヅメリクガメ」の特徴や飼い方を解説

 

ケヅメリクガメの生態

分布

大きさ

鳴き声

食性

特徴

繁殖

寿命

ケヅメリクガメの生態まとめ

ケヅメリクガメはペットとして飼えるのか

ケヅメリクガメの購入方法

ケヅメリクガメの値段

ケヅメリクガメの飼い方

ケヅメリクガメのエサ

飼育ケージ

紫外線ライト

ヒーター(保温器具)

温度計・湿度計(温湿度計)

シェルター

餌入れ・水入れ

ケヅメリクガメを飼育する際の注意点

1. 30年後、50年後のことを想像してから飼う

2. 食費がかかることを覚悟しておく

さいごに

 

 

ケヅメリクガメの生態

 

後ろにピンク色の花があるケヅメリクガメ

 

ケヅメリクガメは 「は虫綱 カメ目 リクガメ科」 の動物です。

後ろ足の付け根付近に「蹴爪(けづめ)」のような突起(トゲ状のウロコ)があることから、この名前が付けられたといわれています。

 

ケヅメリクガメの飼い方について解説する前に、まずはその生息地や大きさ、特徴などをご紹介します。

 

分布

 

サバンナを歩くケヅメリクガメ

 

野生のケヅメリクガメは中央~南アフリカにかけた、砂漠やサバンナなどの乾燥地帯に生息しています。

 

日差しが強い日中は自分で掘った巣穴、もしくは他の動物が使っていた巣穴の中で休みます。

また、水があるところでは泥浴びを行い、体温を下げようとする習性があります。

 

大きさ

 

正面をみるケヅメリクガメ

 

ケヅメリクガメの甲長(甲羅の長さのこと)は60~90cm、体重は45~90kg(最大100kgほど)です。

メスよりもオスの方が一回りほど大きくなる傾向にあります。

 

鳴き声

 

口を開けるケヅメリクガメ

 

ケヅメリクガメには声帯がないため一般的に鳴かず、鳴き声はないといわれています。

 

しかし、個体によっては「キュー」「グェー」といった様々な音を出すことがあります。

これは鳴き声ではなく、人間でいうゲップのように空気を吐き出した時の音だといわれています。

 

ただし、時には病気で鼻が詰まってしまい、口呼吸をせざるを得なくなり音が出ることもあります。

ケヅメリクガメがひんぱんに鳴いている時は鼻水が出ていないか、口呼吸をしていないか確認することをおすすめします。

 

食性

 

野菜を食べるケヅメリクガメ

 

ケヅメリクガメは草食性の動物です。

野生ではイネ科の植物や野草、花や果実、多肉植物(サボテンなど)など、水分が多い植物を食べています。

 

動物園やペットとして飼育される際は野菜や果物、野草を与えられることが多いです。

 

特徴

 

ケヅメリクガメの特徴

 

ケヅメリクガメ最大の特徴は、後ろ足の付け根付近にある蹴爪のような突起です。

 

蹴爪はニワトリやキジなどにも見られ、彼らはこの蹴爪を攻撃や防御などに使っています。

しかし、ケヅメリクガメがこの蹴爪を何に使っているか、どういった役割があるのかははっきりとわかっていません。

 

また体が大きくなることも特徴で、ケヅメリクガメはアフリカに生息するリクガメの中では1番、世界中に生息するリクガメの中では3番目の大きさを誇ります。

 

繁殖

 

卵からふ化するケヅメリクガメ

 

ケヅメリクガメは性別を問わず、体重が11~18kgほど(生後5~8年ほど)になると性成熟を迎えます。

メスは1回の産卵で15~30個の卵を産み、卵は85~100日ほどでふ化します。

 

寿命

 

木の床の上を歩くケヅメリクガメ

 

ケヅメリクガメの寿命は飼育下で30~50年ほどだといわれています。

野生下では100年以上生きるのではないかといわれています。

 

ケヅメリクガメの生態まとめ

 

分類:は虫綱 カメ目 リクガメ科

学名:Centrochelys sulcata

英名:African Spurred Tortoise

分布:中央~南アフリカ

大きさ:甲長:60~90cm

体重・45~90Kg

鳴き声:鳴かない

食性:草食性

繁殖:

性成熟・生後5~8年ほど
産卵数・15~30個
ふ化までにかかる日数・85~100日ほど

寿命:

飼育下・30~50年
野生下・100年以上(?)

 

 

ケヅメリクガメはペットとして飼えるのか

 

バケツとケヅメリクガメ

 

ケヅメリクガメは、ペットとして飼育できます。

この項目ではケヅメリクガメの購入方法とその値段について解説します。

 

なお、ケヅメリクガメは絶滅危惧種に指定されていますが、国内で流通している個体は基本的に飼育下で繁殖したものです。

そのため、現在のところはケヅメリクガメを飼育するにあたり、特別な許可は必要ありません。

 

ケヅメリクガメの購入方法

 

ヤシの木とケヅメリクガメ

 

ケヅメリクガメは、ペットショップで販売されています。

 

価格は比較的安定していますが、は虫類(カメ類)に詳しいショップから迎えることをおすすめします。

なぜなら、カメの仲間は適切なエサや紫外線を与えられていないと甲羅が変形してしまい、一生涯その変形が治らないことがあるからです。

 

なお、ショップによってはケヅメリクガメをモロッコタイプやガーナタイプとして販売していることがあります。

前者は甲羅の色が白くコブが出にくい、後者は甲羅の色が黒くコブが出やすいとされていますが、モロッコにもガーナにもケヅメリクガメは生息していないため、なぜこのような分け方をされているのかは定かではありません。

 

ときおり事情があって里親を探している方もいるので、里親募集サイトを見てみるのも良い手段かもしれません。

 

ケヅメリクガメの値段

 

ケヅメリクガメのベビー2匹

 

ケヅメリクガメは1匹2万~3万円程度で販売されています。

ベビー(赤ちゃん)のうちはこの程度の価格ですが、成長した個体はもう少し高価になるようです。

 

 

ケヅメリクガメの飼い方

 

芝生の上のケヅメリクガメ2匹

 

ケヅメリクガメは人になつくというよりは慣れやすく、丈夫なため比較的飼いやすいといわれています。

ただし体が大きくなること、食費がかかること、広いスペースが必要になることから、誰にでも飼えるペットとはいえないのが正直なところです。

 

この項目では、ケヅメリクガメを飼育するために必要なものを説明していきます。

 

ケヅメリクガメのエサ

 

ケヅメリクガメの餌

 

ケヅメリクガメの主食には野菜や野草、果物を与えます。

 

野菜としてはコマツナ、モロヘイヤ、チンゲンサイ、ダイコン葉、キャベツなど、野草としてはタンポポ、オオバコ、カラスノエンドウ、シロツメクサ、クワの葉、クズの葉などを与えると良いでしょう。

他にも与えられるものはありますが、シュウ酸が多い物はたくさん与えない方が良いとされています。

 

エサの頻度は1日1回、量は野菜や野草、牧草などの植物であれば食べたいだけ食べさせて構いません。

 

果物としてはバナナ、リンゴ、オレンジ、イチゴなどが与えられます。

ただし果物は糖分が多いため、たまにおやつとして与える程度にしてください。

 

 

なお、リクガメ用のペットフード(配合飼料)も市販されていますが、フードは主食にしてはいけません。

ケヅメリクガメの主食はあくまで野菜や野草と考え、フードはサプリメントのようなイメージで使うと良いでしょう。

 

最大で100Kgほどになるケヅメリクガメは、大きくなればなるほど必要なエサの量が増えます。

野菜を主食にしてしまうと後々食費がかさんでしまうため、牧草を食べる習慣をつけると良いでしょう。

特に乾燥した状態の牧草を食べてくれるようになれば、かなり食費が抑えられます。

 

なおケヅメリクガメは急にエサを食べなくなる、食欲不振に陥ることがあります。

食欲不振の原因としては環境の変化や気温の低下によるストレス、体調不良などが考えられます。

 

長期の絶食は命に関わる可能性があるため、食欲が落ちた時はすぐに原因を探して対処してください。

 

飼育ケージ

 

 

ケヅメリクガメは体が大きくなるうえ成長速度が速く、非常に活発で活動量の多いリクガメです。

そのためケージで飼い続けるのは困難ですが、ケージで飼う場合は最初からなるべく大きくて丈夫なものを用意してください。

 

しかし成長して体重が10Kg、20Kgと大きくなってしまうと、どうやってもケージでの飼育はできません。

 

ケヅメリクガメを飼い続けるためには部屋を1つケヅメリクガメ用にする、あるいは屋外にケヅメリクガメ用の小屋を建てるといった覚悟と、十分なスペースの確保をすることが必要となります。

 

紫外線ライト

 

 

ケヅメリクガメが健康的に成長するためには、十分に紫外線を浴びる必要があります。

屋外に出せるスペースがある場合は日中外に出し、日光浴をさせると良いでしょう。

 

ただしケヅメリクガメは力が強く、地面を掘ることも得意なので、脱走しないように注意してください。

 

十分に日光浴をさせることが難しい場合は、紫外線ライトを使い紫外線を照射します。

ケヅメリクガメはもともと砂漠などの乾燥地帯に生息しているため、強めの紫外線を必要とします。

 

紫外線不足になると甲羅の形が変形して戻らなくなってしまうので、紫外線不足にならないように注意してください。

 

ヒーター(保温器具)

 

 

ケヅメリクガメは自力で体温を調整できず、気温に合わせて体温が変化する変温動物です。

成体になったケヅメリクガメは比較的低温に強いといわれていますが、気温が下がる時期は保温する必要があります。

 

ケージや小屋の中には保温球やヒーターを設置し、自由に体を温められる場所を作ってあげてください。

室内で飼育する場合は部屋ごとエアコンやヒーターを使い、暖めてしまうのも良い方法です。

 

温度計・湿度計(温湿度計)

 

 

ケヅメリクガメのようなは虫類の体調を管理するためには、温度計と湿度計が欠かせません。

 

日頃ケヅメリクガメが過ごす場所に温湿度計を設置し、温度と湿度を確認する習慣をつけましょう。

そして保温器具やエアコンを使い、ケヅメリクガメに適する温度と湿度に調整してあげてください。

 

なお、ケヅメリクガメに適する温度は昼間22~30℃で夜間18~22℃、湿度は30~60%程度だといわれています。

 

シェルター

 

 

野生のケヅメリクガメは地面に巣穴を掘り、その中で休む習性があります。

そのためケージや部屋の中には、ケヅメリクガメが全身を隠せるシェルターを用意してあげてください。

 

餌入れ・水入れ

 

 

衛生的にエサを与えるために、できれば大きめの餌入れを用意しましょう。

 

また、意外と水を飲む個体もいるため、ケージの中には水入れを用意してあげてください。

ただし水入れが深いと溺れてしまう可能性があるので、水入れは浅くてしっかりしているものを選んでください。

 

 

ケヅメリクガメを飼育する際の注意点

 

右向きでアップめのケヅメリクガメ

 

ケヅメリクガメの飼い方を説明した後は、飼育する際の注意点をご紹介します。

 

1. 30 年後、50年後のことを想像してから飼う

 

芝生の上で右を向くケヅメリクガメ

 

ケヅメリクガメは非常に寿命が長くその寿命は30年~50年、一説には100年以上ともいわれています。

また最大で甲長90cm、体重100kgとかなりの大きさになる可能性があります。

 

実際に迎える前にそれだけの長い間ケヅメリクガメを飼い続けられるのか、もし自分に何かがあった時に後を引き継いでくれる人はいるのか、最大100kgの動物を養い続けられるのか、よく考えてから飼うことをおすすめします。

 

実際にケヅメリクガメを飼い始めたものの飼いきれず、飼育放棄する人も少なくありません。

 

ケヅメリクガメは長生きするとても大きな動物です。

迎える際は相当の覚悟を必要とする動物と言えるでしょう。

 

2.  食費がかかることを覚悟しておく

 

食事中のケヅメリクガメ顔アップ

 

先述の通りケヅメリクガメは最大で体重100kgにもなる動物です。

成体になったケヅメリクガメがエサを食べる量は半端ではなく、ベビーの時とは比べ物になりません。

 

エサを毎日数十年の間用意し続けられるのか、それだけの食費を出し続けられるか、野草を毎日取りに行き続けられるか…ケヅメリクガメの胃袋を満たし続けられるかどうか、自分や家族の生活のペースと照らし合わせてよく考えてください。

 

 

さいごに

 

柵の近くを歩くケヅメリクガメ

 

アフリカ最大のリクガメ 「ケヅメリクガメ」 について解説してきました。

ケヅメリクガメがペットとして飼えること、ただし非常に大きくなることが伝わったでしょうか。

 

彼らは比較的安価で入手できること、丈夫であることから体の大きさを除けば飼いやすいリクガメです。

は虫類好きにはたまらない動物だといえますが、あまりにも大きくなることから万人に向くペットとはいえません。

 

もしケヅメリクガメを迎えるのであれば、生涯飼い続けられるかよく考え、家族とも相談してください。

覚悟を決めてケヅメリクガメを迎えたら、ぜひ1日でも長生きさせられるように愛情を込めて世話をしてあげてくださいね。


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