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ヤモリとイモリ、トカゲの違いについて解説する前に、まずは爬虫類と両生類の違いを解説します。
似たような見た目をしていることも多い両者ですが、どんな特徴があるのでしょうか。
爬虫類はトカゲやワニ、 カメ 、 ヘビ などの仲間の総称です。
ほとんどの爬虫類は体に鱗を持ち、四本の足で歩き、卵で繁殖するという特徴を持っています。
両生類から進化したといわれており、乾燥に強いため水辺以外でも生活できます。
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両生類は カエル やサンショウウオ、イモリなどの仲間の総称です。
ほとんどの両生類は乾燥に弱いため水辺に生息し、エラを持ち、卵で繁殖します。
幼生と成体で体型が全く異なるもの、再生力が強いものなど面白い特性を持った種が多いのも特徴です。
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次に、本記事の主人公であるヤモリとイモリ、トカゲの特徴を見ていきましょう。
名前も姿も似ている3種ですが、それぞれどんな特徴を持っているのでしょうか。
ヤモリは、 爬虫類 有鱗目(トカゲ亜目)ヤモリ下目 ヤモリ科 に分類される爬虫類です。
ヤモリ科という分類になっていますが、トカゲ亜目の仲間なので広い意味で考えるとトカゲの1種です。
そんなヤモリを漢字で表すと 「守宮」 もしくは 「家守」 となります。
古くから害虫を食べてくれる家を守る守り神、縁起の良い生き物と考えられてきたようです。
田舎で宿泊した時、窓や壁にたくさんのヤモリが張り付いている姿を見て驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。
ヤモリの大きな特徴の1つは、壁や窓に張り付けるところです。
彼らの足の裏には非常に細かい剛毛が生えた、趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる器官があります。
その器官のおかげで壁に張り付き、自由自在に移動できるのです。
また、ヤモリにはまぶたがなく、瞬きができないという特徴もあります。
目にゴミが付いてしまった場合には、舌で眼球をなめてきれいにします。
そしてヤモリには自分で尻尾を切る、 「自切」 (じせつ)という行動が見られます。
これは外敵に襲われた時などに起こす行動で、切り落とした尻尾で敵の注意を引きその隙に逃げることが多いです。
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ヤモリの仲間の中には、 「トカゲモドキ」 というなんともややこしい名前を持った仲間がいます。
トカゲモドキはヤモリの仲間なのにまぶたがあり、トカゲのような足をしているため壁に登ることができません。
ペットとして人気のある ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー) もヤモリの仲間です。
イモリは 両生綱 有尾目 イモリ上科 イモリ科 に分類される両生類です。
トカゲやヤモリと見た目は似ていますが、イモリは水がないと生きていくことができません。
そのため、イモリには水中で呼吸をするためのエラがあります。
そんなイモリを漢字で書くと 「井守」 、井戸を守ると書いてイモリと読みます。
ヤモリと見た目が似ているため、どちらが爬虫類で両生類なのかわからなくなる方も多いのではないでしょうか。
そんな方は 井戸を守る=イモリ=水辺で暮らす生き物=両生類 と覚えると忘れにくいと思います。
また、イモリにはまぶたがあり、まばたきができます。
眠る時は人間や他の動物と同じように、目を閉じて眠る姿が見られます。
なお、イモリは尻尾を切る行動、自切はしません。
しかし、再生能力が非常に高く、体の一部(足や尻尾など)を失ってもほぼ元通りに再生できるという驚くべき能力を持っています。
この再生能力を人間の医療に生かせないか、という観点から研究を進めている方もいるそうです。
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トカゲは 爬虫類 有鱗目(トカゲ亜目)スキンク下目(トカゲ下目) トカゲ科 に分類される、爬虫類の1種です。
世界中に3,400を超える種類がいるとされる、爬虫類の中でも最も数が多い仲間です。
爬虫類 有鱗目(トカゲ亜目)という大きな分類ではヤモリも仲間ですが、ヤモリ下目とヤモリ科とスキンク科目トカゲ科で、分類は異なります。
トカゲの特徴の1つは、穴を掘ることが得意という点です。
ヤモリのように壁にくっつくことができない彼らは、穴を掘って天敵から隠れ身を休めます。
また「自切」を行うことも特徴の1つで、その様子は 「とかげの尻尾切り」 という言葉にもなっています。
これは“組織内で不祥事が起きた時に、立場が弱いものに責任を押しつけて切り捨てる”というなんとも不名誉な意味合いですが、人間の組織と異なり、トカゲが切り落とした尻尾はいずれ再生します。
再生した尻尾はもともとの尻尾とそっくりではありますが、色合いが若干異なります。
また、尻尾の中にある骨までは再生することがなく、その代わりに軟骨が生えて尻尾を支えています。
1つだけ注意したいのが、トカゲの尻尾を故意に切るように仕向けることはやめてください。
トカゲの尻尾は基本的にまた生えてくるものですが、多くのトカゲは尻尾に栄養を蓄えています。
その尻尾が切れてしまうと体調を崩してしまうこともあるため、わざと弱らせるようなことはしないであげてくださいね。
※合わせて読みたい: トカゲの種類と飼い方
ご存じの通り、ほとんどのトカゲには4つの足があります。
しかし、ヨーロッパや南米などには足が1本もない、 「アシナシトカゲ」 という不思議なトカゲが生息しています。
アシナシトカゲは一見すると、ヘビのように見える生き物です。
ただ、ヘビにはないはずのまぶたがあり、自切もできることからトカゲの仲間に分類されています。
実はヘビはトカゲから進化した、比較的新しい爬虫類だと考えられています。
そのことを考えると、爬虫類にとって足は不要なものなのかもしれません。
ここまでイモリとヤモリ、トカゲの特徴を説明してきました。
この項目では、目の前にイモリなのかヤモリなのか、はたまたトカゲなのかわからない生き物が現れた時に見分けるためのポイントを解説していきます。
近くに水がない場所で見かけたら、ヤモリやトカゲの可能性が高いと思われます。
水の中で見かけたらイモリの可能性が、壁に張り付いていたらヤモリの可能性が高いでしょう。
次にエラがあるかどうかを確認してみましょう。
エラがあることが確認できたら、両生類であるイモリの可能性が高いと考えられます。
もう1つのポイント、まぶたがあるか確認してみましょう。
じっと観察するのは難しいかもしれませんが、もしまばたきをしたらイモリかトカゲのどちらかである可能性が高いと考えられます。
上記3つのポイントを確認すると、目の前にいる生き物がどの種類なのか見分けられるかもしれません。
ただし、この分類に当てはまらない水辺で暮らす爬虫類、まぶたがあるヤモリなどの例外もあるため、大体の見分け方として考えて頂ければと思います。
爬虫類や両生類はペットとしても人気が高く、年々飼育する方が増加しているといわれています。
ペットとしてはヒョウモントカゲモドキや フトアゴヒゲトカゲ が人気ですが、日本にも多くの爬虫類が生息しています。
この項目では代表的なイモリとヤモリ、トカゲを1種類ずつ紹介します。
日本や中国、朝鮮半島に生息しているヤモリです。
“ニホン”ヤモリという名前ですが、実はもともと中国原産で平安時代以降に日本に持ち込まれた外来種だといわれています。
ニホンイモリは家の窓や壁にはりつき、時には家の中に入ってくることがあります。
そんな彼らを守り神と考えて大事にする方がいる一方、不快だと思う方も多く駆除されてしまうこともあるようです。
しかし、ニホンイモリは害虫を食べてくれる上に大人しく、人間を傷つけることはありません。
もし見かけたら、なるべくそっとしておいてあげてください。
アカハライモリは別名アカハラ、イモリ、ニホンイモリとも呼ばれる、日本の固有種です。
北海道を除く日本全国に生息し、自然が多いところでは比較的良く見られます。
ただ、一部地域では絶滅が心配され、現在は準絶滅危惧(NT)に指定されています。
名前の通り腹部が赤いのが特徴で、微量ながらフグと同じテトロドトキシンという毒も持っています。
アカハライモリを触った後は、しっかりと手を洗ってください。
※合わせて読みたい: 可愛らしい見た目でペットとしても人気!アカハライモリの特徴と飼い方
近畿以西の本州、四国、九州と周辺の島に生息するトカゲです。
草むらや庭先など、さまざまなところで見かけます。
彼らの特徴は幼体のうちは体の側面に茶褐色の太い縞があること、尻尾が青いことです。
金属のような光沢がある青い尻尾は、なんともいない美しさがあります。
成長するにつれて、縞模様も青い色も薄くなっていきます。
※合わせて読みたい: 身近な爬虫類!ニホントカゲの生態や飼い方
可愛らしいニホントカゲの幼体を見つけました❗️ #のんほいパーク #豊橋 #動物園 #ニホントカゲ #幼体 #爬虫類 pic.twitter.com/8qOmc2bm08
— 豊橋総合動植物公園(豊橋のんほいパーク (@non_hoi_park) August 9, 2017
この項目では日本に生息するイモリやヤモリ、トカゲを飼育している動物園を紹介していきます。
日本に生息しているイモリたちは体も小さく、目立つ模様をしている訳でもありません。
決して花形動物とは言えない彼らですが、その小さい体にはたくさんの魅力を秘めています。
同じ日本に住んでいるとはいえ、特に街中に住んでいる方の場合は近くで見ることすら難しい彼ら。
興味が湧いた方はぜひ動物園に行き、間近でその姿を観察してみてください。
今度はニホンヤモリが卵を産みました!かわいい子ヤモリの孵化を、写真のお父さんヤモリも楽しみにしているはずです♪^^ pic.twitter.com/IEriNZweYw
— 横浜市立野毛山動物園≪公式≫ (@nogeyamazoo401) March 20, 2015
野毛山動物園では、ニホンヤモリとニホントカゲが飼育されています。
ライオンやトラ、キリンに会った後は、ぜひ爬虫類や両生類たちにも会いに行ってみてください。
住所:横浜市西区老松町63-1
マップ: Googleマップ
電話番号:045-231-1307
入園料:無料
開園時間:9:30~16:30
休園日:毎週月曜日(祝祭日の場合は翌日)、12月29日~1月1日
公式ホームページ: 野毛山動物園
京都市動物園では、アカハライモリが飼育されています。
他にも日本の爬虫類であるニホンイシガメやニホンスッポン、ニホンヒキガエルも飼育されています。
住所:京都府京都市左京区岡崎法勝寺町 岡崎公園内
マップ: Googleマップ
電話番号:075-771-0210
入園料:
一般 600円
中校生以下 無料
開園時間:
3月~11月 9:00~17:00
12月~2月 9:00~16:30
休園日:月曜日(祝祭日の場合はその翌日)、年末年始(12月28日~翌年1月1日)
公式ホームページ: 京都市動物園
意外と知らない、トカゲとイモリとヤモリの違いについて説明してきました。
3種の見分け方をいくつかのポイントに分けて説明しましたが、覚えることはできたでしょうか。
野生の爬虫類や両生類を見かけたら、ぜひじっくりと観察してみてください。
意外とつぶらな瞳をしている、身近な生き物であるイモリとヤモリ、そしてトカゲたち。
小さな体に秘められた魅力で、うっかり彼らのとりこになってしまうかもしれません。
最終更新日 : 2023/04/17
公開日 : 2020/01/24