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チゴハヤブサは、主にユーラシア大陸に生息するハヤブサの1種です。
繁殖のために海を渡る渡り鳥で、暖かい時期には日本にもやってくる意外と身近な野鳥です。
この項目では、そんなチゴハヤブサの生態について説明していきます。
チゴハヤブサはユーラシア大陸の寒帯から温帯で繁殖し、アフリカやインド、東南アジアや中国で冬を過ごす渡り鳥です。
日本には 「夏鳥」 として4~5月頃に渡来し、主に北海道や東北地方で繁殖を行います。
チゴハヤブサの大きさは28~36cmほど。
他のハヤブサ類と同じく、メスはオスよりもやや体が大きいという特徴があります。
チゴハヤブサは 「キュキュキュキュ」 もしくは 「キッキッキッキッ」 といった鋭い声で鳴きます。
鳴くことは稀ですが、繁殖期には比較的鳴くことが多いです。
チゴハヤブサは肉食性の動物です。
野生のチゴハヤブサは小型の鳥類や哺乳類、昆虫を捕獲して食べています。
狩りをする時は空中に舞い上がり、上空からの急降下で獲物を捕らえます。
その際の最高速度は、なんと時速200Kmを超えるといわれています。
チゴハヤブサの特徴の1つは、体が小さいことです。
名前の「チゴ」は漢字で書くと「稚児」(子ども、幼児)であり、ハヤブサより体が小さいことからこのような名前が付けられたと考えられています。
2つ目の特徴は、捕食者とは思えないほど愛らしい顔です。
チゴハヤブサは成長になっても目が大きく、丸っこい顔をしているため、猛禽類の中でも特に顔がかわいいといわれています。
そして3つ目の特徴としては、成鳥になると下腹とすねが赤茶色になることが挙げられます。
幼鳥のころの下腹部は白色ですが、成長に伴ってチゴハヤブサらしい色になっていきます。
チゴハヤブサは渡りを行う鳥です。
日本に渡来するチゴハヤブサの場合は4~5月頃に日本に渡来し、5~6月頃に卵を産みます。
そして1回に2~4個の卵を産み、卵は28日程で孵化するとされています。
雛は30日程親鳥とともに暮らし、やがて巣立っていきます。
チゴハヤブサの寿命は、20年程度といわれています。
寿命は飼育下の方が長く、野生下の方が短いものと考えられます。
分類:鳥綱 ハヤブサ目 ハヤブサ
学名:Eurasian hobby
英名:Falco subbuteo
分布:ユーラシア大陸(インド、東南アジアや中国など)、アフリカ
大きさ:28~36cmほど
鳴き声:「キュキュキュキュ」「キッキッキッキッ」
食性:肉食
繁殖:
繁殖形態:卵生
産卵数:2~4個
寿命:20年
チゴハヤブサはペットとして飼うことができます。
しかし、猛禽類は全体的に飼育難易度が高く、簡単に飼える動物ではありません。
お迎えをする前にしっかりと勉強し、環境を整えておくことをおすすめします。
チゴハヤブサのアヒル寝
— 𓅊和製パスタ (@Pasta_Aquila) August 20, 2017
翼も解放 pic.twitter.com/WacqtD10TO
チゴハヤブサは猛禽類専門店やブリーダー、ペットショップから購入できます。
飼育に必要なグッズや情報を揃えるために、猛禽類専門店かブリーダーで購入することをおすすめします。
なお、国内に生息する野生のチゴハヤブサを保護、もしくは捕獲して飼育することはできません。
許可なく野生動物を捕獲した場合は、鳥獣保護管理法による罰則の対象となり、懲役1年以下又は100万円以下の罰金に科せられる可能性があります。
もし負傷したチゴハヤブサを見つけた場合は、最寄りの役所や担当機関の指示を受けてください。
チゴハヤブサは20万円前後で販売されています。
年齢や個体の状態によって、大幅に価格が異なる場合もあります。
流通している数が少ないため、極端に値段が下がることはないと考えられます。
チゴハヤブサは体が小さくかわいらしい顔をしていることから、ペットとしても人気がある猛禽類です。
そうとはいえ、ペットとして猛禽類を飼うことは簡単なことではありません。
イヌやネコと比べると飼育している人が圧倒的に少ないため、一般的なペットより情報や飼育用品を扱う店が少ないことを覚悟しておいてください。
この項目では、チゴハヤブサの飼い方について説明していきます。
野生のチゴハヤブサは、主に小型の鳥類や昆虫類を主食としています。
中でもトンボが好物のようで、秋になると親鳥がトンボを捕らえて幼鳥に与える姿が見られます。
チゴハヤブサをペットとして飼育する場合は、マウスやラット、ウズラやヒヨコなどを与えます。
もし入手できるようであれば、副食として昆虫類を与えても良いでしょう。
エサは1日に1回、もしくは2回に分けて与えます。
定期的に体重を測って太りすぎないように、また痩せすぎないように注意してください。
エサを用意した後は、チゴハヤブサの飼育環境を整えていきましょう。
チゴハヤブサを飼育するためには、どのようなものを用意すれば良いのでしょうか。
まずはチゴハヤブサの家となる、ファルコンブロックかボウパーチを用意しましょう。
ファルコンブロックやボウパーチは、猛禽類用のケージのようなアイテムです。
さまざまな材質・大きさのものが販売されているため、自分に合うものを選んでください。
まずはチゴハヤブサの大きさを考慮し、掃除がしやすく安定感があるものを選ぶと良いでしょう。
ファルコンブロックやボウパーチは自作をしている方も多いため、作り方を調べてみるのも1つの手です。
フクロウや鷹などの猛禽類用の着脱式アンクレットの試作品が出来ました!!
— トロピカル🎍ジェム (@TropicalGEMGEM) April 16, 2017
当店のオリジナルです。
専用の工具を使わずに誰でも簡単に着けたり外したりできるアンクレットです! pic.twitter.com/FtLp08Ky5i
「アンクレット」はチゴハヤブサの足に装着する、足革のことです。
「ジェス」を取り付けるために必要なもので、首輪のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。
猛禽類用ジェス各サイズ入荷!!
— トロピカル🎍ジェム (@TropicalGEMGEM) April 24, 2017
春の新色です(^O^)
以前紹介した、着脱式アンクレットに合います! pic.twitter.com/KCJdOTFrzj
「ジェス」は「アンクレット」に通して使う、手綱のようなアイテムです。
使用しているうちに劣化していくため、必ず予備を用意しておいてください。
パラコードを編んでロープジェスとリーシュを作ってみた(その2)
— 荒鷲仮面 (@Tukinowakotetsu) October 17, 2018
【制作費】
ジェス1組 約 150円
リーシュ1本 約→100円
お店などで買うと何方も1,000円〜3,000円と意外と効果なので、私はボンビーなので猛禽類用の消耗品は自作しますσ(^_^;) pic.twitter.com/wlboFeFWle
「リーシュ」は「ジェス」に付けて使う、リードのような役目を果たすアイテムです。
チゴハヤブサに合う大きさ、材質のものを選んであげてください。
「ファルコングローブ」は猛禽類の飼育に欠かせない、とても丈夫な革手袋です。
体が小さいとはいえ、チゴハヤブサも立派な猛禽類の仲間です。
爪がかなり鋭いため、フライトの練習をする時には必ずファルコングローブを装着してください。
ファルコングローブなしで腕に乗せると、怪我をしてしまう可能性があります。
フライトをさせない場合も、ファルコングローブを1組用意しておきましょう。
なぜなら、チゴハヤブサが怪我や病気をした時、災害時などに捕獲しなければならない状況になる可能性があるからです。
素手での捕獲は、人間にとってもチゴハヤブサにとってもリスクが高いため、なるべく避けましょう。
ここまでチゴハヤブサの生態や特徴、ペットとしての飼い方について説明してきました。
上の項目でも説明した通り、チゴハヤブサは自宅で飼育することも可能な猛禽類です。
チゴハヤブサの飼育を検討している方は、一度動物園に行って実物を見てみてはいかがでしょうか。
小さいといわれているチゴハヤブサが実際にどのくらいの大きさなのか、どんな場所で日中を過ごしているのか…動物園に行くことで、よりよい飼育をするためのヒントが得られるかもしれません。
当項目では、チゴハヤブサが飼育されている動物園を紹介していきます。
1枚目、2枚目:チゴハヤブサ
— パトリック (@patoric_touhou) May 19, 2018
3枚目:ハヤブサ
4枚目;旭山動物園からのメッセージ #旭山動物園 #けものフレンズ #けもフレ写真部 pic.twitter.com/XFPtzVFKFW
動物本来の動きや姿を見られる「行動展示」で有名な、国内最北端にある動物園です。
当動物園においては、チゴハヤブサは常に展示されている訳ではありません。
道内で保護されたチゴハヤブサの治療や訓練を行っており、その過程で展示されていることがあります。
住所:旭川市東旭川町倉沼
マップ: Googleマップ
電話番号:0166-36-1104
入園料:
大人(高校生以上) 820円
小人(中学生以下) 無料
開園時間:「 開園期間・時間 」にて要確認
休園日:「 開園期間・時間 」にて要確認
公式ホームページ: 旭川市 旭山動物園
※合わせて読みたい: 動物園好きなら必ず行っておきたい!「旭山動物園」の情報と魅力まとめ
寒くなってきたのでチゴハヤブサのために保温を始めました。いつもは手前の丸太の上にいることが多いのですが、夕方になるとちゃんと暖かいライトの下で過ごしています。
— 盛岡市動物公園 (@moriokazoo) November 22, 2019
スポットライトを浴びているアイドルではありません。でも飼育係の中ではこの姿悶絶するほど可愛い!! #鳥類ゾーン一言ボード pic.twitter.com/bN76v08Gdo
岩手県盛岡市にある盛岡市動物公園では、チゴハヤブサが飼育展示されています。
チゴハヤブサがいる鳥類ゾーン(猛禽類)では、同じくハヤブサ科の「チョウゲンボウ」も飼育されています。
2種にはどんな違いがあるのか、ぜひ見比べてみてください。
住所:岩手県盛岡市新庄字下八木田60-18
マップ: Googleマップ
電話番号:019-654-8266
入園料:
大人(高校生以上) 500円
こども(中学生まで) 無料
開園時間:9:30~16:30
休園日:水曜日(祝祭日の場合は翌平日)、冬季休園
公式ホームページ: 盛岡市動物公園
小さな体に愛らしい顔が特徴の、チゴハヤブサについて説明してきました。
彼らは日本国内でも見られる身近な野鳥ですが、警戒心が強いためなかなかお目にかかれません。
チゴハヤブサは絶滅が心配される状況ではないものの、野生では少しずつその数を減らしています。
国内でも営巣数が減っているうえ、車や風力発電所にぶつかって命を落とす個体も少なくないようです。
チゴハヤブサのお迎えを検討している方、チゴハヤブサが好きな方へお願いがあります。
ぜひ野生のチゴハヤブサのことを知り、彼らの生息地や命を守るためにできることを考えてみてください。
同じ国に棲む命に思いをはせ、彼らのためにできることが見つかったらぜひ挑戦してみてください。
そして、もしチゴハヤブサをお迎えしたならば、最期まで責任を持って可愛がってあげてくださいね。
最終更新日 : 2023/06/12
公開日 : 2020/01/24