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うさぎの発情期が始まる年齢(月齢)は種類によって違いはありますが、大体下記の通りです。
個体差があるため、 早くて生後3ヶ 月ごろで発情を迎えることもあります。
ただし、上記の年齢(月齢)を迎えると必ず発情するわけではなく、発情しやすい時期や状況があります。
うさぎは、基本的に 1年中発情することが可能 です。
そのため、厳密には「いつが発情期」というものはありません。
メスは人と同様に周期的に繁殖可能な日が巡ってきます。
おおよそ12〜14日周期なので、繁殖力が他の動物よりも強いのでしょう。
また、 妊娠しやすい時期 というのはあります。
それは暖かく過ごしやすい気候になる 春 で、 換毛期(冬毛から夏毛に生え変わる時期)とだいたい同じ時期 と言われます。
ただ、うさぎは交尾排卵動物(交尾の刺激で排卵する)ので、基本的には交尾さえ成立すれば妊娠は容易です。
つまり、排卵している時にタイミングを合わせる必要が無いということです。
うさぎは、近くに 良く慣れた飼い主 や、 他のうさぎ がいると発情行動しやすくなります。
同性のうさぎでも、自分より弱いと判断したうさぎに対しては、発情行動(マウンティング行動)をとることもあります。
また、このような条件が揃っていなくても発情することはあります。
うさぎは発情すると下記のような特徴や行動を見せます。
偽妊娠をする(体の毛をむしる、巣作りをする、神経質になる、おっぱいが目立つ、ミルクが出るなど)
※偽妊娠は「疑似妊娠」とも言います。
※稀にメスでもスプレー行為やマウンティングをする子もいます。
うさぎに発情が見られるようになったら、あらゆる方法で発情を落ち着かせたり、ストレスを溜めないようそっとしておいてあげたりしなければなりません。
また、発情は体力を激しく消耗するため、健康管理も必要になります。
普段より体重や体型を気にしてあげ、痩せてきているようであれば、栄養価の高いペレットやサプリメントを与えましょう。
※合わせて読みたい: うさぎのペレットの選び方や与え方は?おすすめのペレットも紹介!
発情があまりに頻繁、またはあまりに激しいようであれば、体にかなり負担がかかっている可能性があります。
単なる発情と放っておかず、早めに動物病院で診察を受けましょう。
ここでは、うさぎの発情に対する具体的な対策方法をご紹介します。
威嚇や攻撃、マウンティングをする場合、その対象を遠ざけ、飼い主もできるだけ触らない、近寄らないようにしましょう。
特に自分のテリトリー(自分のケージ)に入られることを嫌がるため、ケージの掃除は最低限にとどめましょう。
威嚇や攻撃をしていなくても、飼い主に甘える、撫でられることで排卵を促進してしまう場合もあります。
特に背中~腰のあたりを撫でると交尾の体制に入りやすくなるため、背中~腰を撫でるのは控えましょう。
特にメスのうさぎが偽妊娠を起こし、巣作りのために自分の毛をむしる場合は、毛の代わりに牧草などの巣材を多めに敷いてあげましょう。
その上で、偽妊娠が収まるまで上記であげた対策(対象を遠ざける、撫ですぎない)を取ると良いでしょう。
うさぎは本来、頻繁に繁殖をする動物です。
そのため、発情は頻繁で激しい場合が多く、基本的には体に負担がかかっていると考えましょう。
目立った異常がなくとも、発情を迎えたらまず動物病院で健康診断を受けてください。
そして、そのうさぎに合った発情対策を獣医に相談すると良いです。
去勢(精巣摘出)および避妊(卵巣・子宮摘出)の手術を行うと、発情はほとんどなくなります。
ただし、去勢・避妊については、メリット・デメリットをしっかりと理解し、やる・やらないを判断をする必要があります。
先に述べた通り、発情対策として去勢(精巣摘出)および避妊(卵巣・子宮摘出)という選択肢もあります。
避妊・去勢手術を行うと、発情を抑制できるとともに、生殖機能に関する病気を予防することができます。
もともと野生のうさぎは繁殖を頻繁に行う(=生殖機能を頻繁に使う)動物です。
しかし、飼育下で生殖機能をほとんど使わない状態だと、ホルモンバランスを崩し、重い病気になることが多いです。
具体的には、特に中年期以降(4,5歳以降)に、精巣・卵巣・子宮・乳腺の病気になる可能性が高いと言われています。
特にメスはかなりの高確率で卵巣と子宮の癌を発症し、血尿などの出血を伴う症状が出て、貧血で亡くなります。
オスはメスほどには、生殖器関連疾患のリスクは高くないでしょう。
去勢および避妊をすると、そのような病気になる心配がなくなるというメリットがあります。
オスではスプレー行動の抑制が最も大きなメリットです。
もし去勢、避妊を行う場合は、生後半年~1年の間に行うのが良いとされます。(それ以降になると体に脂肪がついてくるようになり、手術が難しくなるとされます)
去勢・避妊手術はうさぎにとって命がけです。
うさぎをはじめとする小動物は、犬猫に比べて全身麻酔の管理が難しく、全身麻酔によってそのまま死亡することも少なくありません。
また、去勢・避妊手術は術後のストレスも大きく、餌を食べなくなったり神経質になったりすることもあります。
去勢・避妊手術は、うさぎの体に大きな負担をかけるということを理解しておきましょう。
以上の事情から、去勢・避妊をすべきかしないべきか、どちらが絶対正しいとは言えません。
当然ですが、うさぎは自分でどうするか決めることができません。
飼い主がうさぎの様子をしっかり把握し、うさぎのためには今後どうしていくかをしっかり判断しなければなりません。
もちろん、1人では判断が難しいと思いますので、獣医や専門家にアドバイスをもらいながら最適な選択を検討しましょう。
うさぎを飼い始める段階から、去勢と避妊についてはしっかりと考えてあげてください。
ただ、だいたいの獣医師はメスは避妊手術を推奨し、オスはスプレー行動を許容できるのであればあえて推奨はしないというスタンスです。
それぞれの動物病院によって、うさぎの手術に対する経験値が全く異なるので、件数についても聞いてみると良いかもしれません。
「うさぎ」と「発情」は切っても切れないと言っていいほど重要な関係にあります。
うさぎは自分ではどうするか決められないため、飼い主がきちんと知って、ウサギの発情とうまく付き合っていく必要があります。
そうとは言っても、過度に不安になる必要はありません。
最近はうさぎに詳しい獣医や経験豊富な専門家もいますので、まずは気軽に相談することが大切です。
大好きなうさぎさんの体をよく知り、楽しく健康なウサウサライフを送りましょう。
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監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/07/27
公開日 : 2019/07/19