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アカマタは体が非常に大きく、とても気性が荒い日本固有種のヘビです。
気性の荒さからよく噛みついてきますが、ハブと違って毒はありません。
個体数が比較的多いことから、緑の生い茂るところや水辺に行くとその姿をよく見かけます。
野生のアカマタは日本、奄美諸島と沖縄諸島に生息しています。
南西諸島だけに住んでいる、日本の固有種です。
アカマタの大きさは全長80~170cm程です。
大きな個体では2mを超えることもある非常に大型のヘビです。
アカマタは肉食性のヘビで哺乳類や鳥類、爬虫類、魚類など食べられるものであれば何でも口にします。
エサとなる動物は自分で捕まえる他、車にひかれた動物の死骸を食べることもあります。
海辺で待ち伏せし、孵化した直後のウミガメの赤ちゃんを狙って食べる姿も目撃されています。
また、自分より小さな個体に限りますが、毒蛇であるハブ(ホンハブ)を食べてくれる益獣でもあります。
しかし、ハブも自分より小さなアカマタを食べてしまうことがあるようです。
アカマタの特徴は頭から尾の先まで並んだ、黒色の横じま模様です。
背中の色は赤褐色、腹の色はクリーム色~黄色と全体的にかなり派手な色をしています。
この色合いから毒蛇だと思われがちですが、アカマタ自体は無毒のヘビです。
また、アカマタは尾の基部に臭腺があり、とても臭い液体を出します。
毒がない分臭腺の臭いで敵に対抗しようとしているのか、アカマタは他のヘビに比べても臭いが特にキツイと言われています。
この臭いは水で洗った程度では落ちないため、アカマタを捕獲するようなことがあればなるべく臭腺をこすりつけられないように気を付けましょう。
現地では 「マッタブ」 という別名で呼ばれることもあります。
アカマタが卵産み始めた(*´ω`*) pic.twitter.com/vfuvnwuOTT
— どん吉🙃 (@Hinukannakamata) May 31, 2019
アカマタは7月に3~15個ほどの卵を産みます。
卵は40日程で孵化します。
アカマタの平均的な寿命は10年程度と言われています。
一般的なヘビの寿命と同じ程度と考えれば良いでしょう。
沖縄県北部では、かつて動物性タンパク質の1つとしてアカマタを食べる習慣があったそうです。
しかし、アカマタの肉はやや脂っぽくて特有の臭いがあり、そのまま焼いて食べても美味しくありません。
そのため、皮をはいでからぶつ切りにし、スープにして食べるという調理法が一般的だったそうです。
なお、現在は積極的にアカマタを食べている人はあまりいないようです。
分類:爬虫綱 有鱗目 ナミヘビ科
学名:Lycodon semicarinatus(Dinodon semicarinatum )
英名:Ryukyu odd-tooth snake
別名:マッタブ
分布:日本(奄美諸島、沖縄諸島)
大きさ:全長80~170cm程
食性:肉食性
繁殖:
繁殖形態:卵生
産卵数:3~15個
寿命:10年
アカマタはペットとして飼うことができますが、初心者向けのヘビではありません。
とにかく気性が荒く、すぐに噛みついてくることから油断すると流血沙汰になりかねません。
アカマタは爬虫類を扱うショップで販売されていることがあります。
特に捕獲や飼育が禁じられている種類ではないため、野生の個体を捕獲して飼育することもできます。
1匹あたり5000円~1万円程度で販売されている ようです。
国産のヘビであること、野生で捕獲した個体を販売できることからそこまで高価ではありません。
アカマタは基本的に他のヘビと同じような飼い方をすれば問題ありません。
しかし、大変気性が荒いことから、世話をしている時にうっかり噛まれないように気を付けてください。
アカマタは肉食性のヘビです。
エサとしては冷凍マウス、ヒヨコ、ウズラなどを与えると良いでしょう。
野生下では食に貪欲なアカマタですが、飼育下では興奮するあまりエサを食べないことがあります。
また、偏食するようになってしまい、特定のエサしか食べないという状態になることもあるようです。
なるべく野生下での食性に近づけるために、食べるようであればなるべく色々なエサを与えた方が良いでしょう。
アカマタを入れるためのケースを用意しましょう。
アカマタは非常に体が大きくなるため、なるべく大きなケースを用意して少しでもゆったり過ごせるようにしてあげてください。
床材はウッドチップやヤシガラチップなどを使いましょう。
腐葉土やミズゴケなど、湿気を保つことができるものも入れてあげると良いでしょう。
アカマタは水浴びを好むヘビです。
飲み水兼水浴び用として大きめの水入れを用意し、毎日水を換えてあげましょう。
水は水道水で問題ありません。
アカマタを飼育する以上、残念ながら何度か噛まれる覚悟をしておく必要があります。
しかし、何か事情があって急いでアカマタを捕獲しなければならない時が来るかもしれません。
そんな時のために、ヘビの牙が通らない頑丈な皮手袋を1つ用意しておくと良いでしょう。
アカマタは販売しているショップが多くないこと、自分で捕獲する場合も沖縄まで行かなければならないことから、入手するまでにやや時間を要するヘビです。
まずはアカマタを飼育している施設に行き、どのくらいの大きさになるのか自分の目で確かめてみてください。
沖縄県にある、哺乳類からは虫類まで約200種類の動物を飼育展示している動物園です。
アカマタの他にも沖縄の固有種である リュウキュウイノシシ や リュウキュウオオコノハズク 、沖縄の家畜である アグー豚 や縄文時代から人間と共に暮らしていたと言われる 琉球犬 など、珍しい動物たちを観察することができますよ。
住所:沖縄県沖縄市胡屋5丁目7番1号
マップ: Googleマップ
電話番号:098-933-4190
入園料:
大人 500円
中学生・高校生 200円
4歳以上~小学生 100円
幼児(3歳まで) 無料
開園時間:
4~9月 9:30~18:00
10~3月 9:30~17:30
休園日:毎週火曜日(祝祭日の場合は翌日)、12月30日~1月1日
公式ホームページ: 沖縄こどもの国
おはようございます。今日は8月末日。夏もあっという間ですね。写真は先日脱皮を終えたアカマタです。マダラヘビ属に分類され、マダラヘビ属の中では最大種です。奄美諸島・沖縄諸島に棲息し、様々な小型脊椎動物を食べます。時には孵化したウミガメの子供や自分より小さなハブを食べることも。 pic.twitter.com/hxK2aNvB4i
— ジャパン・スネークセンター (@Hebiken_JSC) August 31, 2018
日本だけではなく、世界中のヘビを飼育展示している施設です。
とても珍しい毒蛇から採毒(血清を作るための毒を採取すること)をする光景や、ヘビのお食事タイムを見ることができます。
イグアナやリクガメも飼育されているため、爬虫類好きの方におすすめです。
住所:群馬県太田市藪塚町3318
マップ: Googleマップ
電話番号:0277-78-5193
入園料:
大人(中学生以上) 1000円
子供(4歳以上小学生まで) 500円
開園時間:
3~10月 9:00~17:00
11~2月 9:00~16:30
休園日:毎週金曜日
公式ホームページ: ジャパン・スネークセンター
本記事では、毒はないけれどとても美しくて気性が荒い、日本固有種のヘビ「アカマタ」ついて解説してきました。
沖縄県に住んでいる方や爬虫類好きの方以外は馴染みが薄いヘビかもしれませんが、日本にはこんなヘビも生息していることを知って頂けたら嬉しいです。
ペットとして見た時のアカマタは、飼育自体の難易度はそこまで高くありません。
ただ、「とにかく気性が荒いこと」が本種の特徴といっても過言ではないことから、飼育する時は1度や2度は噛みつかれてしまう覚悟を持って挑むことをおすすめします。
また、成体になれば2m近くの大きさになることから、飼育環境を整えることができる方もある程度限られるはずです。
ガラス越しでも牙をむいてくる、2m近くになるヘビを10年間飼育し続けることはできますか?
もし飼いきれなくなった場合は次の飼い主を探すか、あるいは元々捕獲したところに返すことはできるでしょうか?
アカマタをペットにしたいという方は、ぜひ数年先のことまで考えてからお迎えしてくださいね。
公開日 : 2019/06/10