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ジムグリは日本固有種のヘビです。
しかし、神経質で臆病なジムグリは、地面に潜る性質や物陰に隠れる性質が強く、意識しないとその姿を見かけることはほとんどありません。
また、林の中や山の中のように自然な場所に生息していることから、人里でその姿を見ることも多くありません。
そのため、生息数の割に見たことがある人が少ない レアなヘビ と言われています。
野生のジムグリは日本に生息しています。
北海道から本州、四国、九州やその周辺の島までかなり広い場所に生息しています。
ジムグリの大きさは全長70~110cm程です。
とぐろを巻いていると、そこまで大きく見えないかもしれません。
ジムグリは肉食性のヘビで、主にネズミやモグラなどの小型ほ乳類を食べます。
その中でも特に体が小さい幼獣を好みます。
エサとなる動物が少ない夏と冬になると、絶食状態になることが知られています。
本土ヘビ3種目はジムグリ
— サイトウ (@KinsectS) May 25, 2019
幼蛇は初めて見たので嬉しい pic.twitter.com/GEZgG4gSMf
ジムグリの特徴の一つは、成長に伴って体色が変わることです。
幼蛇は赤~赤褐色に黒い斑点が入った非常に派手な見た目をしています。
その色から毒蛇だと思われることもあるようですが、ジムグリは無毒で臆病なことから、滅多に人に噛み付くようなこともありません。
成体になると斑点は消え、全体的に黒色が入って落ち着いた色合いになります。
腹面に入った黒色が市松模様に見えることから、 元禄蛇(げんろくへび) という別名で呼ばれることもあります。
また、ジムグリは鼻先が丸く、上あごが下あごにおおいかぶさるような 独特の顔つき をしています。
これは地面を掘りすすんでいく時に、口の中に土が入らないようになっているのではないかと考えられています。
ときおり体が赤褐色で模様が無い、 アカジムグリ と呼ばれる個体が見られることがあります。
アカジムグリは北の方に行けば行くほど、そして標高が高い場所であればあるほどその姿を見かけると言われています。
以前はジムグリとアカジムグリは別種かもしれないと考えられていました。
しかし、同じ親から産まれた卵から普通のジムグリとアカジムグリが生まれることから、現在ではアカジムグリはジムグリの突然変異種であるとされています。
陽射しが気持ち良くて溶けそう。ジムグリが長ーい卵産んでた。 #上野動物園 pic.twitter.com/hm1BWHAr48
— rootnik (@rootnik) April 18, 2019
ジムグリは4~6月に交尾し、7~8月に1~7個の卵を産みます。
非常に神経質で臆病であることから、飼育下で繁殖させるのはかなり難易度が高いと考えられます。
ジムグリの平均的な寿命は10~20年と言われています。
野生下でも、飼育下でもその寿命は大きく変わらないようです。
分類:爬虫綱 有鱗目 ナミヘビ科
学名:Euprepiophis conspicillatus(Elaphe conspicillata)
英名:Japanese Forest Ratsnake
分布:日本(北海道、本州、四国、九州)
大きさ:全長70~110cm程
食性:肉食性
繁殖:
繁殖形態:卵生
産卵数:1~7個
寿命:10~20年
ジムグリはペットとして飼うことができますが、飼育難易度がかなり高いです。
野生では地面に潜っていることが多いヘビであり、高温や多湿に弱いことから温度と湿度管理が必須になります。
また、神経質な傾向があり、夏と冬の絶食期もあることから生餌以外(冷凍エサや人工エサ)には全く餌付かない個体も多いようです。
ジムグリ捕まえたった! pic.twitter.com/C6IZsizHHY
— 心折れたイモリ (@Newt_Tail) May 25, 2019
ジムグリは爬虫類を扱うショップで販売されていることがあります。
自分で野生の個体を捕獲して飼育することもできますが、日頃地面に潜っているジムグリを見つけるのは簡単なことではありません。
一頭のみ販売中のジムグリ。脱皮をしてめちゃめちゃ綺麗になりました。 pic.twitter.com/0XtWw1eDzW
— CANDLE ハタノ (@2994CANDLE) October 9, 2016
1匹あたり1万円前後で販売されていることが多いようです。
ジムグリは国産のヘビですが、捕獲することが難しいことからやや高価であると考えた方が良いでしょう。
ジムグリは基本的に他のヘビと同じような飼い方をすれば問題ありません。
しかし、高温に弱いことから、夏場はエアコンが効いた部屋に入れてあげてください。
ジムグリが耐えられるのは23~24℃までとされています。
また、床材を厚めに敷き、好きなように潜れるようにしてあげると良いでしょう。
とにかく神経質なヘビであることから、特に飼育したての頃は飼育環境を変えないことを一番に心がけてあげてください。
ジムグリは肉食性のヘビです。
基本的にはジムグリが食べやすいサイズのピンクマウスを与えると良いでしょう。
他のヘビのようにピンセットから食べてくれれば良いのですが、そこまで慣らすのは困難を極めます。
最初はピンクマウスをジムグリの近くに置き、食べるまでひたすら待ちましょう。
個体によっては、周囲が明るいだけでもエサを食べないことがあります。
どうしても冷凍のピンクマウスを食べない場合は、マウスを自家繁殖させて生餌を確保しなければなりません。
特に野生から捕獲した個体の場合は、生餌以外を受け付けない可能性があります。
エサを食べない場合に関しては、捕獲した場所に戻してあげることもジムグリに対する愛情です。
ジムグリを入れるためにプラケースを用意しましょう。
ジムグリは成体になれば1m程になるヘビなので、なるべく大きなものを用意してあげてください。
特に野生から捕獲した個体である場合、広い自然環境から狭いプラスチックケースに入れられてしまうストレスは大きいものです。
飼い主の責任として、なるべくジムグリが過ごしやすい環境を整えてあげてください。
ジムグリは地面に潜る性質が非常に強いヘビです。
地面に潜ることができないと強いストレスを感じてしまいます。
床材は土やヤシガラチップなどで構いませんので、たっぷりと使ってください。
ジムグリがしっかりと潜れるくらいの厚さにしてあげることが大切です。
ジムグリに限らず、ヘビも水を飲みます。
湿度調整の為にも必ず水を入れてあげましょう。
重量があり、ひっくり返されにくいものを使うことをおすすめします。
ジムグリはとても神経質なヘビです。
安心して隠れることができる場所を用意しておいたほうが良いでしょう。
ジムグリはその性質から、生息数の割にはお目にかかるのが難しいヘビです。
まずはジムグリを飼育している動物園に行き、実際にその大きさや飼育環境をチェックしてみてはいかがでしょうか。
のげウルトラクイズ~答え。 正解はヘビの「ジムグリ」でした!! 自分で新聞に潜って穴開けて出てきたそうです。 「地潜り」と言うだけあって、潜るのはお手のものです。 皆さまご解答ありがとうございました!#野毛山動物園
Posted by 横浜市立野毛山動物園≪公式≫ on Thursday, May 25, 2017
神奈川県にある、無料で入ることができる動物園です。
大きなキリンやライオン、トラたちに注目してしまいがちですが、ぜひは虫類も見てみてください。
ジムグリの他にも、アオダイショウやシマヘビなどの日本のヘビも飼育展示されていますよ。
住所:横浜市西区老松町63-1
マップ: Googleマップ
電話番号:045-231-1307
入園料:無料
開園時間:9:30~16:30
休園日:毎週月曜日(祝祭日の場合は翌日)、12月29日~1月1日
公式ホームページ: 野毛山動物園
【ニョロニョロ苦手なかた注意】今日はとべ、動物園の日(入園無料)。入ったところでジムグリのこどもを手に乗せさせてもらいました。きれいなこ! pic.twitter.com/HjPkmEnR
— mnk375 (@mnk375) October 28, 2012
人工保育で育ったことで有名なホッキョクグマ、「しろくまピース」で有名な動物園です。
ジムグリは「スネークハウス」というエリアで飼育展示されています。
スネークハウスでは日本産のヘビやカメの他、海外産のボールニシキヘビやビルマニシキヘビも飼育されています。
住所:愛媛県伊予郡砥部町上原町240
マップ: Googleマップ
電話番号:089-962-6000
入園料:
大人(18歳以上・高校生を除く) 500円
高校生(15歳~17歳) 200円
小中学生(6歳~14歳) 100円
幼児(6歳未満) 無料
高齢者(65歳以上) 200円
開園時間:9:00~17:00
休園日:毎週月曜日(祝祭日の場合は翌日)
公式ホームページ: 愛媛県立とべ動物園
本記事では身近なヘビだけれど知らない人も多い、ジムグリについて解説しました。
ジムグリは見れば見るほど味わい深い色合いや模様、大人しい性質からペットとしての需要が絶えないヘビです。
その反面、神経質で臆病な性質から飼育難易度が非常に高く、ヘビの飼育になれていない人が飼うと一度もエサを食べることなく死んでしまうということもあります。
また、すぐに床材やシェルターに隠れてしまうため、じっくりとその姿を観察することが難しいかもしれないと考えた方が良いでしょう。
それでもジムグリをペットとして飼いたい方は、環境の変化や刺激がなるべく少ない、ジムグリが安心して暮らすことができる環境をしっかりと整えてあげてください。
どうしても飼育できないと感じた場合は、命にかかわるほど弱ってしまう前に購入したショップに相談するか、あるいは捕獲した場所に返してあげるようにしましょう。
公開日 : 2019/06/07