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飼いやすいおすすめのヘビ 3:ボールニシキヘビ(ボールパイソン)
みなさんは蛇にどんなイメージをお持ちでしょうか。
猛毒を持った獰猛な爬虫類?かわいい爬虫類のペット?それとも…
苦手な人も非常に多い蛇ですが、ペットとしてコアな人気を誇る爬虫類です。
その特徴は、なんといってもそのひょろひょろと細長い体とクリクリとした瞳、そして長い舌。
ペットと一口に言っても、犬や猫、うさぎといった定番ペットとは一味違う魅力を持っています。
今回は、そんな蛇の飼育方法や特徴を余すことなくお伝えします。
古代エジプトでは王権のシンボルだったヘビ。
日本でも、ヘビを祀った神社がありますね。
ヨーロッパでは、知恵の象徴でもあったようです。
一方で、ヘビというと、気持ち悪い!怖い!という反応が先立つ人も多いようです。
ヘビの本当の姿とは、どんなものでしょうか。
ヘビをはじめとする爬虫類は、食べることによって体内で熱を作るのではなく、外部の熱で体温を保っています。
外部の温度が下がると、体温も一緒に下がり、もっと下がれば、ついには動けなくなってしまいます。
外部の温度が上がると、体内の温度も上がります。
上がりすぎると、やはり生きていけません。
ヘビを飼うポイントの一つは、温度管理です。
適切な温度は、ヘビの種類によって異なります。
ヘビは何年くらい生きるのでしょうか。
種類や個体によって違いはありますが、10年から15年ほどです。
そのため、飼うかどうかを決める前に、10年後、15年後も問題なく飼育ができそうか想像してみてください。
永いお付き合いになります。
ヘビや トカゲ が舌をひらひらと動かしているのを見たことがありませんか?
ヘビは、舌で匂いの成分を集めているのです。
口の中にはヤコプソ器官というものがあって、舌から送られた匂いを嗅ぎ分けています。
舌で敵を刺したりすることはありません。
哺乳類や 鳥類 は、なでたり掻いたりしてもらうのが好きな個体もいますが、爬虫類は、あまり人間の手を気持ちいいと感じないようです。
幼いときから飼えば、人間の手に慣れるヘビもいます。
手に取ると、腕に巻き付いたりします。
そうなれば、ケージの掃除や治療もしやすくなります。
ただ、ヘビが喜んでいるわけではないことを忘れないようにしましょう。
ヘビを手に取ることを、ハンドリングと言います。
上から掴もうとすると怖がるので、お腹からすくうようにしましょう。
ヘビがハンドリングに慣れると、お互いにやりやすくなります。
ただ、ヘビにスキンシップは必要ないということをお忘れなく。
1日10分から長くても15分に留めるようにしてください。
あまりいじくりまわすと、ヘビは病気になってしまうこともあります。
また、餌を与える前後には触らないでください。
手が餌と間違えられてしまう恐れがあります。
丸くてかわいらしいヘビの目に気づいたことがありますか。
ヘビが好きな人は、よく「あの目に参った」と言います。
音を立てない動物が飼いたかったら、爬虫類や両生類は理想的なペットでしょう。
ヘビは鳴き声も出しませんし、夜の物音や近所への騒音を気にする心配もありません。
バラエティーに富んだ体色。
そして動きも見ていて飽きません。
スルスルと滑るように移動したり、とぐろを巻いたり。
こんなしなやかな動物がほかにいるでしょうか。
言うまでもないことですが、ヘビは私たちと非常に異なります。
私たちは哺乳類。
ヘビは爬虫類。
見えている世界からして違います。
生き方も感じ方も違う動物なのです。
先史時代から人間と一緒に生活してきた 犬 や 猫 、馬とも違います。
だからこそ、神秘的な動物として、崇められたこともあったのでしょう。
ファンにとっては興味のつきない動物なのです。
魅力的な動物であるヘビ。
どのように飼えば、健康で長生きしてくれるのでしょうか。
ヘビを入れるケージは、ビバリウム、または テラリウム ともいいます。
ヘビは、長さの割に場所を取りません。
とぐろを巻くこともできますし、体はとてもしなやか。
それに、運動量もあまり多くありません。
ケージの一辺の長さは、ヘビ全長の半分あればいいでしょう。
繁殖させる予定がなければ、一匹で飼うのがお勧めです。
ヘビはあまりケンカをしませんが、ちゃんと餌を食べているか、脱皮しているか、管理しやすいからです。
最近は、爬虫類専用のケージを売っています。
通気性が十分にあること、逃げられないことに注意して選びましょう。
ヘビは脱走の名人です。
また、ヘビは上から手を入れると怖がります。
できれば、側面が観音開きになったケージがお勧めです。
メーカー名:GEX
サイズ(幅×奥行×高さ) :61.5×46.5×48cm
重量:19.8kg
原産国:インドネシア
参考価格:17,836円(税込)
ケージを暖めるには、パネルヒーターやヒーターマットが便利です。
昼間と夜間の温度を管理するために、タイマー機能の付いたサーモスタットがあると便利でしょう。
ケージ内の温度を測るためにも使います。
メーカー名:GEX
サイズ(幅×奥行×高さ) :7.8×3×15.3cm
重量:350g
原産国:日本
参考価格:8,909円(税込)
ヘビは、とてもデリケートな動物です。
シェルター(ハイドボックス)がないと、ストレスで参ってしまいます。
お家にお迎えした直後や、環境が変わった後は、何日かそっとしておいてあげましょう。
ヘビを買う前に、ヘビの住まいを整えておいてあげてください。
シェルターはショップでも売っています。
上がふさがった木の箱でも、素焼きの植木鉢を伏せて置いてもいいです。
餌を丸呑みした時のことを考えて、出入り口は大きめに。
植木鉢の場合、穴はふさいでおきましょう。
ヘビが無理に通ろうとして、詰まってしまう場合があるからです。
釘と金づちを使って、側面に出入り口を作ります。
シェルターの大きさは、体がすっぽり入るぐらい。
出入り口が大きすぎたり、シェルターの内壁に体が触れないと、安心できないようです。
大きすぎる場合は、ミズゴケをゆるく詰めておくといいでしょう。
メーカー名:スドー
サイズ(幅×奥行×高さ)::21.3×12.5×19cm
重量:1.5kg
参考価格:2,228円(税込)
脱皮するために、ヘビが体をこすりつけます。
シェルターがざらざらした素材なら、石はなくてもいいです。
衛生管理の面では、新聞紙などの紙が便利です。
地面に潜る種類の場合は、落ち葉やバークチップが使えます。
落ち葉は熱湯消毒して、よく乾かしてから使いましょう。
中途半端な大きさの砂利は、飲み込んで体内に残ってしまう恐れがあります。
飲めないくらい大きい小石か、排泄しやすい砂の方が安全です。
ただし、ダニの隠れ家になるので、目を光らせていなければなりません。
木の上に棲むヘビの場合は、丈夫な枝を渡してあげましょう。
メーカー名:ポゴナクラブ
内容量:4L
材質:パインバーク樹皮
参考価格:1,445円(税込)
水は、飲むだけでなく、水浴びにも使います。
特に、脱皮前には、皮をやわらかくするために水に入ります。
ヘビがとぐろを巻いて完全に入れる大きさの容器を使いましょう。
浅くて、安定したものを選んでください。
スネークフードなるものは、まだ開発されていません。
多くのヘビは、 ネズミ や他の爬虫類、両生類、鳥のヒナなどを丸呑みします。
ペットのヘビのためには、冷凍のマウスやラットを通販で買います。
ビニール袋に入れたまま、40°くらいのお湯で解凍して与えます。
動物を丸ごと食べることで、カルシウムやビタミン豊富な完全食を得ることができます。
マウスのサイズもいろいろあります。
幼いヘビには、ピンクマウスと呼ばれている、2,5cmから3cmくらいの一番小さいものを与えます。
それでも大きすぎる場合は、刻んだ足を与えるといいでしょう。
餌は、石の上に置いておきます。
それで食べない場合は、長いピンセットでつまみ、ヘビの顔の前で揺らしてください。
手から直接与えないでください。
通常、生後2年くらいまで、週2回餌を与えます。
その後は、週一回で十分です。
ヘビが好きでも、マウスを与えるのに抵抗を感じるという人は少なくありません。
そんな方にはタマゴヘビを飼うのがお勧め。卵だけを食べます。
小さな個体には、 ウズラ の卵を与えます。
ウズラの卵も呑めない幼いヘビには、卵を割って小皿に入れ、黄身と白身を混ぜてあげます。
冷蔵庫から出したての冷たい卵だと食べないので与える30分前には冷蔵庫から出し、人肌程度に暖めるといいでしょう。
野生では、野鳥の産卵時期しか餌を食べません。
ですから、餌を与えるときは、一度に5個くらい置いてやります。
十分食べた後は、1か月は食べなくても大丈夫です。
どの種類も、生まれてから一週間くらいは、まだ卵の中にいたときの栄養が残っているので、餌を食べません。
また、脱皮中も餌を食べません。
ヘビ類はおよそ2400種いるとといわれ、一年中凍結した地域以外、地球上のあらゆる場所に住んでいます。
その中で、飼いやすいヘビとはどんなヘビなのでしょうか。
ヘビは環境の変化に敏感で、デリケートな動物です。
ストレスを受けると、餌を食べなくなってしまいます。
あまり神経質ではなく、餌付きがいい種類を選ぶのが重要です。
また、性質の穏やかなものを選ぶことも大切。
世話や掃除ができないようでは困ります。
どんな動物も、攻撃されていると感じれば、逃げるか反撃します。
普通に飼っていればめったなことでは咬まないヘビ、毒のないヘビ、大きくなっても全長が3mにはならないヘビを選びましょう。
次にあげるヘビは、どれもその条件を満たしています。
人気・定番の品種を中心に、初心者でも飼いやすいものをまとめましたので参考にしてください。
また、一般的に大人になってから捕獲されたものは新しい環境に慣れにくく、餌付きもよくありません。
飼育下で生まれたものの方が穏やかです。
幼いときから飼えば、人の手にも慣れやすいものです。
アメリカ原産、ナミヘビ科、成長すると1mから2mになります。
体色にバリエーションがあり人気です。
初心者におすすめ。
飼いなれた人もやっぱりコーンスネークが好きだという、奥の深さもあります。
※合わせて読みたい: コーンスネークの飼い方
ナミヘビ科のタマゴだけを食べるヘビです。
砂漠から森林まで、さまざまな地域に棲んでいて、体色にもバリエーションがあります。
アフリカ・タマゴヘビは、アフリカやアラビア半島南部に生息しています。
成長してもおよそ30cmから1mです。
歯は退化しています。
中央および西アフリカに生息。成長すると、およそ全長1mから1m80cm。
ニシキヘビ科でも、小型で穏やかな性質です。
臆病で、触りすぎると餌を食べなくなるので要注意。
怖がると、頭を中に入れてボールのように丸まります。
※合わせて読みたい: 人気上昇中のヘビペット!ボールパイソンの生態や飼い方
オーストラリア大陸北部に生息しています。
全長1mから1m20cmほど。
体色が光の加減によって、茶色や紫色にきらめきます。
体の模様は成長するにしたがって薄くなります。
動物学者ジョン・ジョージ・チルドレンにちなんでこの名前が付けられました。
毒蛇や大蛇は、余程の設備がない限り家庭で飼うべきではありません。
ヘビは逃げだすのが好きで、思わぬすき間から逃げてしまうことがあります。
2013年にカナダで起きた事故はショッキングなものでした。
4mを超えるニシキヘビが、6歳と4歳の子どもを絞殺してしまったのです。
爬虫類ショップの経営者が自宅で飼っていたヘビでした。
ケージのガラス壁は天井まで届いていたので、まさか逃げ出すとは思っていなかったのでしょう。
しかも、子どもたちが寝ていたのは他の部屋でした。
わずかなすき間から、家の通風管に入って移動したものと見られています。
私たちは人間の社会に住んでいるのですから、動物を飼うなら責任を持って飼う義務があります。
拒食以外でヘビに多い病気は次の通りです。
病気かな、と思ったら、獣医さんに見せましょう。
ヘビを見てくれる獣医さんを事前に見つけておくのがいいですね。
小さな黒ダニが皮膚の上を歩いていたら、要注意。
水浴をした後は、水の中もよく確かめてください。
毎日ぬるま湯で水浴させると、かなり駆除できます。
ひどい場合は、迷わず獣医さんに相談。
予防としては、毎日水を取り替え、糞や脱皮の皮を取り除きます。
また、食べ残した餌をケージ内に置いておかないこと。
床材が汚れたら取り替えます。
そして、一週間に一回くらい、ケージを掃除しましょう。
体内の寄生虫にも気を付けてください。
嘔吐や下痢、体重の減少などが見られたら、獣医さんに検便してもらう必要があります。
ヘビは数日かけて脱皮します。
乾燥しすぎると、脱皮が完全に行えず、尻尾の先や目の周りに皮が残ってしまうことがあります。
これを放っておくと、感染症を起こすことがあります。
水を軽く吹きかけて、皮がやわらかくなるようにしましょう。
また、水浴のための水入れは、十分な大きさで、水がこぼれないものを用意しましょう。
あまり多くはありませんが、放っておくと大変なことになります。
頭を何かにこすりつけてできた、かすり傷が原因で起こります。
口の中に点々と出血があったら、獣医さんに診てもらった方がいいでしょう。
チーズのようなものが出てきて、ひどくなると顎が腐ってしまいます。
マウスロットとも呼ばれています。
ヘビに触った前後は、必ずよく手を洗いましょう。
ケージの水は、台所のシンクに流してはいけません。
爬虫類は、サルモネラ菌を持っていることがあります。
幼いヘビに咬まれた後も、必ず消毒をしてください。
ベビーの時に攻撃的なヘビでも、刺激しないように飼っていると、だんだん落ち着いてくることがあります。
ヘビは家畜ではないので、人間と一緒に暮らすことに慣れていません。
近年、熱心なファンや研究者のおかげで、だんだん飼育方法がわかってきたところです。
今ヘビを飼えるのは、ルールを守って飼ってきた先達たちのおかげ。
手に負えなくなったり、増えすぎたといって、捨てるのは絶対にやめましょう。
他の人に迷惑がかかるだけではなく、生態系を壊してしまいます。
大切に飼えば、10年、15年と私たちを楽しませてくれるヘビ。
ヘビたちと、いい関係を作っていきたいものです。
英語名:corn snake
原産地:アメリカ南東部
体色:オレンジ、ピンク、クリーム、黒、白など
値段:7,000~30,000円程度
餌:マウス
入手のしやすさ:ヘビを売っているお店なら大抵はおいている定番
英語名:egg-eating snake
原産地:アフリカ
体色:茶、赤茶、灰色、オリーブ色、黒
値段:10,000~30,000円
餌:ウズラの卵
入手のしやすさ:あまり入荷しない
英語名:ball python
原産地:西および中央アフリカ
体色:黒、茶、クリーム色による模様
値段:7,000~100,000円程度
餌:マウス
入手のしやすさ:ヘビを売っているショップなら大抵おいている
原産地:オーストラリア
体色:茶色。子ヘビには模様がある。
値段:30,000~40,000円
餌:マウス
入手のしやすさ:あまり入荷しない
最終更新日 : 2024/07/04
公開日 : 2016/07/03