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鳥綱ツル目ツル科ツル属に分類される「タンチョウ」は、日本や中国などで古来から親しまれている 鳥類 です。
タンチョウを漢字で書くと「丹頂」、学名は「Grus japonensis」です。
学名にある「japonensis」とは「日本産」という意味を持っています。
これに倣い英名でも「Japanese crane」と表記することがあります。
英語表記ではこれ以外にも「Manchurian crane」や「Red-crowned crane」などがあげられます。
日本の国鳥をご存知でしょうか。
まるで日本を象徴するかの如く、長い年月を共にし、なじみ深い存在であるタンチョウは、実は日本の国鳥ではありません。
日本の国鳥は「キジ」なのです。
しかし、タンチョウは先ほどもお話しした通り、日本人にはとても親しみのある存在です。
それは昔話に登場する事であったり、折り紙の折鶴であったり、千円札のデザインであったり、さまざまです。
日本を代表するエアライン「JAL」のジャンボジェットにも鶴が描かれています。
JALのジャンボジェットのデザインに至っては、日の丸と鶴を表すデザインとなっています。
この鶴のイラストはタンチョウを摸して描かれていると言われています。
ここまでくると、鶴は日本を象徴する鳥として、世界から認識されているのもおかしくはありません。
「タンチョウ」の和名となる「丹頂」とは、その見た目から名前の由来が来ています。
タンチョウといえば、頭頂部から後頭部が赤くなっていることが特徴的です。
その赤い部分こそが「丹頂」と呼ばれる由来です。
「丹」は「赤い」という意味を持ち、「頂」がそのものずばり「いただき」や「てっぺん」を指しているので「丹頂」となります。
英名の「Red-crowned crane」も頭頂部の美しい赤い部分から来ているのがわかります。
「crowned」は日本語に訳すと「戴冠(たいかん)」となります。
戴冠とは王の座に即位した後、初めて王冠を頭に乗せることを意味しています。
「crane(クレーン)」は鳥の「鶴」のことを指しています。
Red(赤い)戴冠の鶴。
乱暴に直訳するとこうなりますが、赤い王冠をかぶった鶴と見た目を象徴する名前となっています。
もう一つの英名である「Manchurian crane」は、「満州の鶴」という意味を持っています。
タンチョウの生息エリアである満州から取られたことがわかります。
このように、生息エリアや見た目から名前が付けられることは大変多くなっています。
タンチョウの生態をご紹介する際にもお話ししますが、現在日本でのタンチョウの生息地は北海道の東部エリアのみです。
しかし、江戸時代ごろまでは北海道の東部のみならず、北海道全域で生息していたと言われています。
なんと一部の説では関東エリアでもその姿を見ることができたとまで言われています。
江戸時代の荒川あたりに飛来してきていたようです。
しかし、明治時代に入るころタンチョウの乱獲が始まってしまいます。
それまでは鶴そのものが最高級のものとして扱われていたため、一般人の鶴の狩猟を厳重に禁止していました。
藩に保護されていた時は関東エリアでまで目撃することができた鶴は、乱獲されその数を減らしてしまいます。
更には生息地となる湿地帯も、開発のため減少していきました。
それが拍車をかけたのか、大正時代になるころにはタンチョウなどの鶴の姿を目撃することはなくなっていきます。
もしかして、タンチョウは絶滅したのではないかとまで言われたほどでした。
大正時代末期ごろ、北海道の東部エリアにある「釧路湿原」でようやく数十羽のタンチョウが発見されました。
そこからは保護する活動が始まり、現在に至ります。
日本で唯一繁殖することができる鶴「タンチョウ」
どのような特徴があるのかをみていきましょう。
タンチョウのシンボルともいえる頭頂部の赤い部分。
真っ白な体に浮かぶ鮮やかな赤色はなぜそこだけ赤いのでしょう。
タンチョウの頭頂部の赤い部分、実は羽毛が赤くなっているのではありません。
少々生々しくなりますが、赤い部分は皮膚がむき出しになっているため、あのような赤みを帯びているのです。
しかも、タンチョウの皮膚は人間のように滑らかな形状をしておらず、凹凸が激しくなっています。
そのため、アップで見ると気持ち悪いと感じる方が多いかもしれないです。
遠くから見ると純白のボディに浮かび上がる鮮やかな赤。
なんとも美しくカッコいいのですが、近くで見るとかなりグロテスクな赤色に、密集した皮膚の凹凸となっているのです。
ちなみにこの皮膚の凹凸のことを「肉瘤(にくりゅう)」と呼びます。
わかりやすく説明すると「こぶ」のことを指しています。
野生で生きる動物として、あの赤い部分は大変目立つため、どこにいるかすぐわかってしまい危険です。
それなのに、タンチョウの頭頂部にあのような赤い部分がなぜあるのでしょう。
この赤い部分は ニワトリ のとさかと同じようなものだと考えてください。
ニワトリのとさかはなぜ赤いのでしょう。
それはメスにアピールするためではないかと言われています。
しかし、あの「とさか」がある意味はそれだけではありません。
もう一つある説が「体温調節」をするためのものということです。
タンチョウにも同じ意味があるかどうか、はっきりとしたことは分かっていませんが、恐らく同じ役割を果たしているのではないかと言われています。
そしてもう一つ、忘れてはいけないのはあの赤い色はなんなのかです。
あの見事な赤色は「血液」の色なのです。
体長はおよそ102~147cm程度、翼の長さとなる「翼長(よくちょう)」は64~67cm程度と言われています。
その翼を大きく広げた端から端のサイズとなる「翼開長(よくかいちょう)」は240cmにも達します。
この翼開長により、タンチョウは日本で最大級の鳥類と言われています。
体重は約4~10.5kg程度。
さすが国内で生息する鳥の中でも最大級と呼ばれるだけあり、体重も重めです。
そして、あの美しいシルエットには目を見張ります。
小さな頭にすらりと伸びた長い首。
胴体を支えきれるのか不安になる細く長く黒い脚。
これぞまさしく、鳥界のモデル体型と言っても過言ではありません。
実際、足の長さ(背の高さも)世界中に生息している鶴の中でダントツトップと言われているほどです。
ちなみに体の大きさに関しては、成鳥になるころにはメスよりもオスのほうがサイズが大きくなります。
大きな体で空を飛ぶわけですので、胸の筋肉がとても発達しています。
細くて長いきゃしゃな足は、湿原地帯での生活に特化していますが、これだけの重量を支えられることには驚きです。
タンチョウといえば、まぶしいほどの白い羽毛です。
そこにアクセントとして絶妙な量の黒い部分があり、美しさを際立たせています。
基本的には全身は白い羽毛で覆われていますが、目元から喉にかけての部分と首の部分は黒くなっています。
また胴体の部分の後ろ端は、長くて黒い「風切羽(かざきりばね)」となっています。
そのまま地続きとなって尾羽も黒くなっているように見えますが、実際の尾羽の羽毛部分は白色です。
お尻の部分の黒い羽が尾羽に覆いかぶさり白い部分を隠しているのです。
タンチョウが羽を広げると、黒いと勘違いされている尾羽の下から、短かく白い尾羽が顔を出します。
胴体の後ろ端部分の風切羽は、繁殖期の求愛の際に使用されます。
白い羽毛の上に覆いかぶさった黒い風切羽を、豪快に持ち上げて目立つようにメスにアピールするのです。
虹彩(こうさい)と呼ばれる眼球の色は「黒」が多いですが「暗褐色」のものもいます。
アクセントカラーのような黄色や黄褐色の長いくちばしは、食料となる湿原地帯での狩りに適しています。
細く長い華奢な足も見事な黒色です。
これらのあちこちにちりばめられた絶妙な配色が、より一層タンチョウの美しさを際立たせます。
「鶴の一声」という言葉があります。
これは実際の鶴の鳴き声と大きく関係しています。
実はタンチョウを含む鶴の仲間は、滅多なことでは鳴き声を上げることはありません。
その代り、鳴くことがあればその鳴き声はとても大きく、遠くまで響き渡る見事な声となるのです。
その鳴き声が余りにも大きく、辺りを静まりかえせるほどの迫力であることから「鶴の一声」という言葉が誕生したという説があります。
タンチョウなどの鶴だけでなく、鳥類は一般的に「鳴管(めいかん)」と呼ばれる器官を用いて鳴き声をあげます。
その「鳴管」を動かす筋肉がタンチョウなどの鶴の仲間は、その他の鳥類に比べてとても発達しています。
さらにはタンチョウの特徴となる首の長さ。
首が長いということはそれだけ器官も長くなります。
長い器官を抜けて増幅される鳴き声。
辺り一帯に響き渡るような大きな鳴き声が出るのは、トランペットのような管楽器と同じ原理です。
滅多に鳴くことがないと言われているタンチョウが鳴くのは、主に求愛行動をおこなうときです。
それ以外にはつがいで「鳴き交わし」をおこなうこともあるようです。
もちろん危険を感じた際に威嚇として鳴き声を上げることもあります。
タンチョウはつがいをとても大切にしますので、相手の姿見えない時に鳴き声を上げながら上空を飛ぶ姿も目撃されています。
タンチョウの特徴が分かったところで、どのような生態なのかをみていきましょう。
先にお話しした通り、日本でのタンチョウの生息エリアは北海道東部のみとなっています。
日本以外での生息地は、ロシアの南東部エリア、中国の東北部エリア、韓国の北部エリア、朝鮮などとなります。
生息エリアによって越冬するもの、留鳥(りゅうちょう)するものとにわかれます。
日本に生息しているタンチョウは留鳥となりますので、季節を問わず同じ場所で生活します。
夏の季節に中国やロシアのアムール川流域で生息・繁殖を行う個体は、冬になると朝鮮半島や中国へと越冬をおこないます。
夏場はどちらかといえば群れを成さず小さな群れかつがい・親子で活動します。
育児などが終わる冬になると人里近くに越冬し、いくつかの家族で構成される群れで生活をおこないます。
主に湿原や湖沼、河川などで生息しています。
日本で最も有名なタンチョウの生息地は「釧路湿原」となりますが、時折、石狩平野の上空を飛ぶ姿も目撃されています。
タンチョウは多くの野生の動物と同じく、春先の3~5月にかけて繁殖期を迎えます。
繁殖相手が決まると、その相手を生涯の伴侶としてとても大切に扱います。
その姿は何とも仲睦まじく、相手の姿が見えないと不安になって鳴きながら探し始めるほどです。
よほどのことが起こらない限り、タンチョウはつがいの相手を変えることはありません。
湿地帯で生活しているタンチョウは、出産のために湿地帯の中の、地面がむき出しになっている部分に巣をつくります。
巣は主に枯れ草などを集めたものでできています。
完成した巣に卵を産みますが、1度の出産で2個の卵を出産します。
稀に3個産まれることもありますが、大半が2個だと言われています。
卵の見た目は乳白色のようなクリーム色をしています。
その卵を温めるため、タンチョウは作った巣にうずくまります。
すると湿原の草に紛れ込んで、抱卵中の母親の姿はほとんど見えなくなります。
残念なことに産まれた2個の卵が2個とも無事にヒナになるまで育つ確率は大変低くなっています。
パーセンテージであらわすと、およそ10%程度。
タンチョウは天敵が多いことや、天災に弱い傾向があるため、卵から孵る前に命を落としてしまうことが大半なのです。
またせっかく卵から孵って無事ヒナになれたとしても、今度はそのヒナ同士が争いをお越し死んでしまうケースもあるのです。
このようなことから、基本的にはタンチョウのつがいは、1度の子育てで1羽のヒナを育てると言われています。
タンチョウの子育ては原則、オスとメスが交代でおこないます。
卵を温めるのも当然交代でおこないますので、タンチョウのオスはイクメンといえます。
卵は30日間ほど温められ、そののちヒナに孵ります。
産まれたてのヒナは、タンチョウの子どもとは思えない程、淡い茶色の羽毛で覆われています。
足も短いため、別の鳥のヒナにようにも見えることでしょう。
ですが、この短い足は産まれてすぐ立ち上がることができるため、危険が多いタンチョウにはうってつけなのです。
タンチョウのヒナは、生後3日間程度巣の中で親のタンチョウから餌を貰いながら生活します。
そして3日を過ぎるころには家族で巣から離れることとなります。
そんなに早く巣立ちをさせること、できることにも驚かされます。
しかし、巣の中に居続けるのは危険であるからと考えているのかもしれません。
ですが、巣の外にも多くの外敵や、天災の影響は存在します。
むしろ巣の中にいたほうが安全と考えてもおかしくありません。
それでもタンチョウはあっというまに巣立ちをさせるのです。
そうすることで、自然界にいち早く適応できるようにするためかもしれません。
その代り巣から出たヒナは、母親のタンチョウがつきっきりで守り、世話をします。
その間父親のタンチョウは、ヒナを守ることに協力しつつ、ちゃんとつがいの母親タンチョウを守る役割も担います。
何とも美しい家族愛があってこその子育てということになります。
巣から出た後もタンチョウのヒナは自力で餌をとることができても、親から餌を与えられて成長していきます。
成鳥のタンチョウに比べると、生後しばらくしてもヒナはとても小さく、やはり足も短いままです。
ですが、その小ささと足の短さのおかげで、まるで鴨のように湿地帯の水辺を泳ぐことができるのです。
ヒナの成長は著しく、生後100日を超えるころには、小さかった体も親とほぼ変わらない大きさにまで成長します。
春過ぎに産まれたヒナは、秋を迎えるころには親鳥と一緒に空を飛ぶ練習を始めます。
そして親鳥と同じように飛べるようになると、越冬の準備をするため餌場に自力で飛んでいき集まります。
ひと冬行動を共にしたタンチョウの親子は、次の春が来るといよいよ親離れをすることとなります。
本当の意味の巣立ちです。
タンチョウの食性は雑食です。
昆虫やそれらの幼虫、湿原地帯に多く見受けられる甲殻類やカタツムリ、貝類となる タニシ なども捕食します。
ドジョウや鯉、ヤチウグイやヌマガレイなどの魚類も喜んで食べます。
エジアカガエルのような両生類、アオジやコヨシキリのような鳥類のヒナ、ヤチネズミ類などの哺乳類も食べます。
体が大きく、寒いエリアで生息するので栄養価の高い肉類は必須となります。
もちろん、セリやハコベのような葉っぱ類、アシやスゲ、フキなどの芽、スギナの茎やフトモモ・ミズナラなどの果実も喜んで食べます。
その時々に応じて幅広く捕食を行うのもタンチョウの特徴です。
餌の少なくなる冬の時期には、タンチョウを保護する人たちが与える「デントコーン」を食べて飢えをしのぎます。
タンチョウによっては人間に慣れているものおり、人の手から食事を摂る光景も見られたそうです。
タンチョウの保護については後程お話ししますが、冬場、タンチョウは餌が足りなくなるため、人間が餌を与えてやらなければ餓死してしまいます。
本来、タンチョウが生息している湿原地帯というのは、常に水が流れていて凍ることがない川が大多数のはずです。
しかし時代とともに環境に変化が起こり、冬の時期になると凍ってしまう川が増加してしまいました。
川が凍ってしまうと餌をとることができなくなってしまうのです。
北海道阿寒郡にある「鶴居村」には、「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」というものが設置されています。
ここではタンチョウを保護するための整備が行われており、餌が減少する冬場でもタンチョウが快適に食事ができるよう配慮しています。
タンチョウを見ることができる観光地としても有名ですので、北海道に旅行される際はぜひ足を運んでほしいスポットです。
タンチョウの天敵は中~大型の動物が主となります。
「 キツネ 」や「野犬」、中には海外から持ち込まれ野生に放たれた「ミンク」などもあげられます。
しかし、多くの野生動物と同じく、タンチョウの一番の敵となるのは「人間」ではないかと言われています。
環境破壊や、開発による生息エリアの減少や汚染。
本来そこにいないはずの、ミンクのようなタンチョウの天敵となる外来動物。
そして乱獲。
全て人間の手によって行われたものばかりです。
ただ、現在はその人間こそがタンチョウを守る・保護する強い味方となっているのです。
一時期は絶滅も危ぶまれたタンチョウですが、多くの人々の努力で絶滅の危機は免れ、その数は増加していっています。
先でお話しした通り、明治時代に入り鶴の狩猟が解禁され、そこから乱獲されたタンチョウなどの鶴たちは減少の一途をたどります。
危機を感じた明治政府は、明治25年に鶴の狩猟禁止令を出しますが、時すでに遅くタンチョウはすでに絶滅寸前まで追い込まれていたのです。
しかし、大正14年に釧路湿原で30羽ほどのタンチョウを発見することができ、即座にそのエリアは狩猟禁止区域となりました。
そして、昭和35年には釧路湿原そのものと一緒にタンチョウは「天然記念物」に指定されました。
次いで昭和52年には、釧路湿原に生息しているタンチョウは「特別天然記念物」となりました。
最終的には昭和67年にすべてのエリアに生息しているタンチョウが「特別天然記念物」と指定されたため、種の保存のため全面的な活動が開始されました。
現在タンチョウは「絶滅危惧II類 (VU)」に指定されており、環境省のレッドリストにも指定されています。
「絶滅危惧II類 (VU)」は、上から5番目の「危急 (VU)」となりますので、かなり絶滅の危機から改善がされています。
天然記念物に指定されると環境省のサポートの元、保護活動がおこなわれます。
つまりそれは継続した保護活動を行えるということです。
保護活動の内容としては生息数の確認や、餌が少なくなる冬場の餌やり。
タンチョウが生息するための湿原地帯の環境保護などがメインとなっています。
昨今では環境省だけでなく民間の団体も保護活動に積極的に参加しており、その数は着実に増加傾向にあります。
絶滅が危ぶまれた30羽程度から、現在は1,500匹近くまで数が増えたのも、ひとえに人々の保護活動のたまものです。
実際にタンチョウをその目で見てみたい。
どこへ行けばタンチョウを観察することができるのでしょう。
野生のタンチョウとなると少々難易度が上がってしまいますが、野生にこだわらなければ通年を通してタンチョウを観察することが可能です。
昭和45年に世界で初となるタンチョウの人工ふ化に成功した希少価値のある自然公園です。
とても近い距離で通年を通してタンチョウを観察できる点が魅力です。
繁殖期・出産期となる春先(4~5月)には、なんとタンチョウのヒナの姿を見ることもできます。
子育てするタンチョウの姿は必見です。
場所も「たんちょう釧路空港」から車で約10分程度となりますのでアクセスも抜群です。
釧路市丹頂鶴自然公園
〒084-0926 北海道釧路市鶴丘112
電話:0154-56-2219
北海道最大規模の動物園である「釧路市動物園」でもタンチョウの姿を観察することが可能です。
コチラの動物園では、タンチョウの保護や増殖事業を実施しています。
「北海道ゾーン」の展示では、タンチョウだけでなく、北の大地でおなじみの「ヒグマ」や「シマフクロウ」なども観察できます。
〒085-0201 北海道釧路市阿寒町下仁々志別11
電話:0154-56-2121
冬場にタンチョウを観察するなら、餌場として人気の高い「阿寒国際ツルセンター(グルス)」もおすすめです。
生きたタンチョウを観察するだけではなく、タンチョウの研究やそれらの情報発信と保護を目的とした施設となっています。
施設内ではタンチョウの生態や特徴など、詳しく学ぶことができる展示もおこなわれています。
ここにいるタンチョウの数は最大300羽。
冬場は給餌が行われているので多くのタンチョウの姿を見ることができます。
もちろん、冬場だけでなく夏場にも数羽のタンチョウを飼育しています。
運が良ければ夏場は野生のタンチョウを観察できる可能性もあるそうです。
〒085-0245 北海道釧路市阿寒町上阿寒23-40
電話:0154-66-4011
道道53号線沿いに面した釧路湿原の北側に位置する「鶴居村」もタンチョウの観察スポットとして有名です。
夏場には観察をするのが難しく、こちらでタンチョウを見ることができるのは冬期となる11~3月ごろとなっています。
最大時、200羽近いタンチョウが集まり、美しく優雅な姿と雄大な北の大地を堪能することができます。
〒085-1205 北海道阿寒郡鶴居村下雪裡
電話:0154-64-2050
保護活動の項目でも登場した「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」も冬場のタンチョウ観察スポットとして有名です。
コチラの施設は日本野鳥の会がタンチョウの保護と、生息環境の保全をおこなうために作られました。
タンチョウの餌が少なくなる冬場の給餌活動を主に行いますが、保護活動をおこなう「ネイチャーセンター」も併設されています。
開館期間は10~3月までとなり、それぞれのシーズンごとにさまざまなタンチョウたちの姿を観察することができます。
コチラの施設では屋外だけでなく、屋内からもタンチョウを観察することが可能ですので、気温が低い季節でも安心してその姿をゆっくりと堪能できます。
〒085-1205 北海道阿寒郡鶴居村字中雪裡南
電話:0154-64-2620
日本人となじみの深い鶴「タンチョウ」についてご紹介しました。
人々の努力の結果、絶滅の危機から大きく改善し、美しいその姿が誰にでも観察できるまでになりました。
反面、個体が増えたことで管理がしきれず、自動車や電柱に激突してケガをしたり命を落とす事故も増えています。
そのような悲しい出来事が起こらないよう、北海道のタンチョウが生息するエリアに近づく際は安全運転を心がけてください。
もし、怪我をしているタンチョウを見つけたらすぐに警察に報告して保護してもらいましょう。
いろいろなことを見過ごさず、環境を守る小さな努力を怠らなければ、タンチョウは人間と共に長く共存していくことができます。
日本のシンボル的存在といえるタンチョウを、私たちの小さな努力の積み重ねで守っていきましょう。
最終更新日 : 2022/01/31
公開日 : 2018/01/22