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ウロコインコは、オウム目インコ科ウロコメキシコインコ属に分類される 鳥類 。
胸のあたりにウロコの様な模様があることが、「ウロコインコ」と呼ばれる名前の由来です。
ウロコインコは様々な種類が存在しますが、日本でポピュラーなのは「ホオミドリアカオウロコインコ」。
ホオミドリアカオウロコインコは、全体的に緑色で、赤く長い尾羽が特徴です。
俗称で「ホオミドリアカオウロコインコ」と呼ばれることがありますが、正式には「アカオ」は付かず「ホオミドリウロコインコ」と言います。
そのため、本記事では「ホオミドリウロコインコ」の名称を主として用います。
ウロコインコの大きさはどの種類も大体同じで、体長は24cm~26cm、体重は60g~85g程です。
アカハラウロコインコは若干大きめの子が多いです。
ウロコインコの寿命は10年程と、ペットとしてポピュラーなインコ類の中でも平均的です。
10年程が平均と言われていますが、うまく飼育すれば30年も生きた例も報告されています。
ウロコインコにはホオミドリウロコインコ他にも、複数の種類が存在します。
ホオミドリウロコインコは、異なる色も存在し、人気を集めています。
一番人気なカラーは「パイナップル」と呼ばれるもので、ノーマルに比べ、全体的に淡い色合いです。
他にもオパーリン、シナモン、ターコイズなどのカラーが存在します。
ウロコインコは南アフリカ(ボリビア、ブラジル、マトグロッソ)などに分布しています。
日本で野生のウロコインコを目にすることはできません。
オスの頭部はメスよりも大きいと言われていますが、個体差が激しいため、性別の判断は非常に困難です。
卵を産んで初めて、メスであるとはっきり判別することができる程度です。
どうしても性別を判別させる必要がある場合には、動物病院で検査を受けましょう。
野生下では木の実などの種子類や穀物を中心に、昆虫や幼虫などの虫、果物などを食べて生活しています。
ウロコインコの性格は陽気で明るく、好奇心旺盛です。
とても賢い頭脳の持ち主であり、人間の幼児並みとも言われるほど。
感情表現や行動から気持ちや機嫌が分かりやすく、遊ぶことがとても大好きです。
学習能力や記憶力にも優れており、色々な芸を覚えて披露する子もいます。
鳴く頻度はそこまで多くはありませんが、声は非常に大きく響き渡ります。
綺麗なさえずりではないため、中には耳障りに感じる場合もあります。
飼育の際は防音対策をしっかりと行う必要があり、隣近所が近い場合には、迷惑にならないように工夫や配慮を行ってください。
九官鳥 をはじめおしゃべりを得意とする鳥類ほどは上手にできませんが、中にはおしゃべりをする個体もいます。
長文は苦手で、自分の名前や「おはよう」「おやすみ」のような発音しやすい短い単語、音真似、口笛などを覚える子が多くいます。
ただし、全ての個体がおしゃべりをするわけではありません。
また、飼育環境にも影響され、飼い主さんが良く話しかけることで、おしゃべりをするようになる確率が上がります。
鳥類を多く扱っているペットショップで見かけることができます。
インコ の中でも特別珍しいわけではないので、意識して探していれば見つけることは困難ではないでしょう。
ウロコインコの代表とも言えるホオミドリウロコインコの価格は、大体5〜8万円台。
人気のパイナップルになると10万を超える個体もいますので、価格の範囲は幅広いです。
ケージ は尾羽の長さや羽を広げた際でも窮屈せず、ある程度動き回れる余裕のある広さのものを選びましょう。
50㎝×50㎝×60㎝ほどあると余裕のある大きさでおすすめです。
可能な限り大きいものが良いと言われています。
力が強いため、ステンレスなど頑丈なものでないとすぐに破壊されてしまいます。
かじって遊ぶことが大好きなウロコインコがケージ内でも退屈しないよう、かじれるタイプのおもちゃを入れておくことも必要です。
賢いので、入り口はしっかりと鍵を掛けるなどの工夫をしないと、簡単に脱走されてしまうので注意が必要です。
ケージの形がアーチ状であると、インコはストレスを感じるため、ケージの形はなるべく角形なものをおすすめします。
参考価格:11,346円(税込)
メーカー名:ホーエイ
サイズ(幅×奥行×高さ):46.5×46.5×58cm
重量:4.9㎏
生産国:日本
飼育下で与えるウロコインコの 餌 には、ペレットと混合シードが存在します。
おすすめはペレット状の餌です。
混合シードとペレットの特徴を紹介します。
ヒエ、キビ、アワなどをブレンドした混合シードです。
皮つきと皮むきが存在し、基本的には皮つきのものを与えます。
総合栄養食として与えることができますが、気に入った種類のみを選り好みして食べる子が多いことが欠点です。
また、シードだけではインコに必要な栄養を補いきることができないため、副食としてビタミン剤や野菜類、塩土などでビタミンやミネラルを摂らせる必要があります。
シードは嗜好性が高く、インコが大好きなため、総合栄養食としてはもちろん、おやつやしつけ時のご褒美として与えることもできます。
参考価格:2,241円(税込)
メーカー名:黒瀬ペットフード
内容量:3L
生産国:日本
ペレットは ドッグフード や キャットフード のように、人工的に作られた鳥用の総合栄養食です。
栄養バランスを考えて作られているため、ペレットのみで必要な栄養を摂ることが可能です。
基本的に副食は必要ありません。
ウロコインコには、シードよりもペレットをおすすめします。
しかし、ペレットは嗜好性が低く、最初は食べてくれない子が多いことが欠点です。
すぐに食べてくれる子もいますが、シードからの切り替えには1週間、長くて1ヶ月程かかる個体もいます。
おすすめの切り替え方法は、朝にペレットのみを与え、食べないようであれば夕方の餌はシードを与えます。
日中の餌をペレットのみにすることで、空腹時にペレットしかない状況を作ります。
以外と食わず嫌いの子が多いため、空腹に耐えられず食べてみたら、案外食べられたというケースも少なくありません。
1日何も食べないことは危険ですので、食べない場合には夕方にはシードに戻し、しっかり食事をさせてあげましょう。
シードとペレットを混ぜて与えると、ほとんどの子がシードのみを食べてしまうため、切り替えには適しません。
また、市販されているペレットでも、メーカにより好き嫌いがある子もいますので、少量のお試し品などを利用して好きな種類を見つけましょう。
参考価格:2,290円(税込)
メーカー名:ZuPreem
内容量:907g
生産国:アメリカ合衆国
おやつや副食として与える場合は、小松菜やブロッコリー、トウモロコシなどの野菜類、リンゴ、ぶどう、パイナップル、バナナなどの果物を好みます。
体重をチェックし、肥満にならないよう注意して与えてください。
ウロコインコは比較的体が丈夫だと言われています。
暑さには基本的に強い個体です。
しかし、真夏の日中などは室内が暑くなるため、エアコンを使用して空調管理をしましょう。
冬場はひよこ電球などを使用して、ケージ内が冷えすぎないよう注意します。
起きている状態で体を膨らませているようであれば、寒がっている証拠です。
冬場は最低でも20度を保つようにすると安心です。
ただし幼鳥や老鳥、病鳥はこの温度の限りではないので、ウロコインコの年齢や体調に合わせて調節するようにしましょう。
ウロコインコは賢いため、中にはトイレを一定の場所でするようにしつけられる子もいるようですが、基本的にインコがトイレを覚えることはありません。
そのため、放鳥時にはウロコインコが飛ぶ部屋の至る所に糞をされることを覚悟しましょう。
野鳥のような白く水っぽい糞ではなく有形便ですので、ティッシュなどで簡単に拭き取ることが可能です。
基本的にウロコインコを始めとする鳥類は、飛行するために体を常に軽く保つ必要があります。
そのため、食べたものを体内に貯めておくということをしません。
糞を頻繁にするのは習性であり、仕方のないことです。
ウロコインコを含めた鳥類の健康バロメータとして、「糞」は欠かせません。
体調の変化が糞に現れやすいからです。
毎日健康な糞をしているか、必ずチェックする必要があります。
これらがチェックすべき項目です。
動物病院を受診する際にも、できるだけ新しい糞を持っていきましょう。
毎日ケージ内の糞受けを掃除して、新しい糞の状況を確認できるようにしておくと、異常があった際に早期発見につながりやすくおすすめです。
また、餌に着色料が使用されていると、糞が着色料の色に染まってしまい、異常を見逃しやすくなるのであまりおすすめできません。
ウロコインコは好奇心旺盛な性格の反面、攻撃的な一面も併せ持っています。
そのため、複数飼育には注意が必要です。
同じウロコインコ同士はもちろん、ほかの種類の鳥類、動物であっても攻撃をする子は珍しくありません。
くちばしの力が非常に強いため、攻撃を受けた個体はケガをしてしまうことも少なくはありません。
中には相性が良く仲良くできる子同士もいますが、基本的に複数飼育をする場合にはケージを分け、放鳥時間も別々に行う必要があるでしょう。
また、より飼い主さんに懐きやすくするためには、一羽飼育の方が向いているケースが多いです。
ウロコインコは、飼い主とスキンシップを取ることや遊ぶことが大好きです。
そのため、毎日2時間は放鳥時間やスキンシップを取る時間を確保してあげることが必要です。
毎日忙しくて遊んであげられない、出張や旅行など留守にしがちな方には、ウロコインコの飼育は不向きだと言えます。
毎日ケージの中だけで長時間過ごすことは、ウロコインコにとって退屈でストレスです。
過度なストレスや退屈は、毛引きや自咬みといった自傷行為の原因に繋がり、時に致命的な結果になるケースもあるため注意が必要です。
しかし、毎日いつでもケージから出しておく自由飼育も考え物です。
脱走や誤飲などの事故の確率が上がることや、ケージに入れられることを非常にストレスと感じてしまうようになってしまいます。
他にも、放鳥されている室内全体が縄張りになり、荒らされることを警戒し攻撃的な性格になってしまうこともあります。
遊ぶことが大好きだとはいえ、自由な時間とケージ内でゆっくり過ごす時間のメリハリは必要です。
ウロコインコは遊びを良くするインコで、特に何かをかじって遊ぶことが大好きです。
そのため、木材などでできた、かじれるおもちゃを与えると喜びます。
放鳥時には、かじられては困るものや、ウロコインコにとって毒性や誤飲の原因になるものは排除しておく必要があります。
かじることはウロコインコの習性ですので、止めることはできません。
部屋が散らかっていたり、不衛生な環境は危険です。
放鳥前には戸締りの他にも、かじって困るようなものは置いていないかなど安全確認を行い、放鳥中は目を離さないようにすることが、ウロコインコの安全を守るために重要です。
ウロコインコは、私たちが想像する以上に噛む力が強靭です。
噛まれれば、流血沙汰になることは珍しくありません。
ウロコインコはかじる習性はあっても、噛む習性はありません。
そのため、噛むことは仕方のないことではありません。
幼鳥の頃から甘噛みをさせないように注意することが大切です。
噛み癖がつかないよう、人間の手や指などを怖がらせないようにすることも重要になります。
なお、噛みついたインコに叱っても効果はありません。
ウロコインコは、噛んだ際に「痛い」など声の反応や、振り払おうと手や指を振る行為を、逆に構ってもらっていると勘違いしてしまいます。
そして、噛めば構ってもらえると学習して繰り返して行うようになってしまいます。
このように、指や手を怖がっていない場合であっても噛み癖がついてしまい、いつの間にか手が付けられず、ケージから出せなくなってしまったという例も少なくはありません。
一番良いのは、噛んだときには遊んでいた行為などを中断し、無視をすることです。
噛んでみても飼い主さんが無関心であれば、ウロコインコも面白みがないため、噛むことに得はないと学習します。
一度噛み癖がついてしまっても、様々なトレーニング方法で解決することが可能です。
噛み癖がついてから経過した期間により時間がかかる場合はありますが、せっかくのウロコインコとの生活を楽しくするために、諦めずに挑戦してみることをおすすめします。
ウロコインコは、愛情をしっかり込めて飼育をすれば、飼い主さんにとても良く懐きます。
しかしながら、嫉妬深く攻撃的な一面もあります。
そのため、家族の中で飼い主さんのみに懐いてしまった場合には、ほかの人間に嫉妬をし、噛みつくといった攻撃をすることがあります。
ウロコインコは噛む力が非常に強いので、特に小さな子供がいる家庭での飼育には、十分な注意が必要です。
他に家族や友人などが同居している環境下では、飼い主さん一人だけに懐かせるのではなく、同居しているすべての人間が協力してコミュニケーションをとり、どの人に対してもインコが敵対心を持たないように接することが理想です。
ウロコインコは飼い主さんとスキンシップを取ることや一緒に遊ぶことが大好きな鳥です。
愛情を込めて飼育をすると、飼い主さんにべったり懐く子が多いです。
飼い主さんの後を追いかけてくる姿は、とても可愛らしくついつい抱きしめたくなるでしょう。
ウロコインコは飼い主さんに抱きしめられることを好む個体も多く、ポケットや服の中に潜り込むことも大好きです。
基本的に飼い主さんと一緒にいることや甘えることを好みます。
かじることが大好きですので、かじって遊べるおもちゃを与えると、破壊しながら遊びます。
おもちゃにかかる出費はある程度覚悟しましょう。
もちろん、一人遊びもします。
たくさん話しかけていると、おしゃべりをするようになる個体もいます。
言葉は短い単語が精一杯で、活舌も良いほうではありませんが、発音しやすい単語や口笛、電子音などの音真似をするようになります。
また、鳥類では珍しく、寝転がって遊ぶことも特徴で、でんぐり返しを覚える子もいます。
逆さになることにあまり抵抗がないため、鳥好きさんの憧れである「ニギコロ(手の中で仰向けに抱っこする行為)」をさせてくれる子も少なくありません。
賢い頭脳の持ち主ですので、芸も得意とします。
短時間ではありますが、「待て」を覚えたり、バスケットボールや輪投げを応用した芸などを披露する子もいます。
ウロコインコが頭を使って遊ぶことは、実はとても大切な行動です。
野生化では常に頭を使い、餌を探すなどの行為を行っているため、環境の整った飼育下では退屈してしまいがちです。
退屈することはストレスに繋がり、その結果毛引きや自咬みといった自傷行為を引き起こしてしまうこともあります。
放鳥時にはおやつを簡単に食べられないようにするフォージング(フォレイジング)トイを活用することや、頭を使った遊びを行うことで、ストレスを解消することが可能です。
ウロコインコは人間に良く懐いてくれる、とても愛らしいインコです。
しかしその反面、しっかりとスキンシップや放鳥時間を確保することや、ある程度のしつけをすることは欠かせません。
ウロコインコは非常に懐きやすい反面、寂しがり屋でもあるインコです。
嫉妬深く、くちばしの力が非常に強いという特徴があることも忘れてはいけません。
噛み癖をはじめ問題行動を起こさせないよう、飼い主は日々学習や対策を取るなどして、ウロコインコとの生活をより良いものにしてください。
ウロコインコは飼い主をとても楽しませ、癒してくれる存在になってくれることでしょう。
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2023/06/12
公開日 : 2017/11/13