本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
皆さんは日本でペットとして飼える最大の哺乳類を知っていますか?
そうです。キリンです。
アフリカのサバンナに生息する草食動物で、平均体高(身長)は5メートルほど、最高時速は時速50-60km、その強烈な蹴りは百獣の王 ライオン をも蹴り殺すというキリン…
これだけのハイスペックを誇りながら、餌代は月10万円前後、水は葉っぱに含まれる水分だけである程度なんとかなり、なんと睡眠は一日1時間程でも事足りるという驚異のエコっぷり…
どうです?ここまで読んだだけでもペット好きな皆さんなら興味が湧いてきたと思います。
「でも、どうやったら飼えるの?個人でも飼えるの?」とお思いのそこのあなた!安心してください、この記事でじっくり解説していきます。
以下がこの記事の目次になります。
キリンの飼い方その1-ワシントン条約と自治体からの許可の取得方法
それでは早速許可の取得方法から確認しましょう。
キリンはワシントン条約での国際取引規制対象に入っていません。
ですので、国際法上は自由に売買して飼育することが出来ます。
国内法はどうでしょう? いわゆる動物愛護法(=動物愛護管理法)に定めがあり、キリンは"特定動物"となっています。
特定動物(とくていどうぶつ)とは、日本の法律である動物愛護管理法の規定に基づいて、人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定められる動物種のことである。
…
特定動物の飼養または保管を行おうとするものは、あらかじめ都道府県知事の許可を受けていなければならない。
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律において希少動物、あるいは特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律において特定外来生物に指定されていない動物は原則として飼育することが自由であるが、他者に危害を加える可能性のある危険な動物に関しては上記の法律にてその種類を定め、飼育に際しても設備その他の基準(マイクロチップを埋め込む、毒蛇ならば抗血清を準備する、鳥類ならば脚環をとりつける等)を定めることで、このような許可制としている。
参照: Wikipedia
つまり"特定動物"は飼ってもいいよ、ただし人に危害を加えたりして危ないので自治体(都道府県)から許可を取ってねということになります。
許可の取得方法はどこの都道府県も大きくは変わりません。
例えば東京都でキリンを飼育するための許可取得手順は、東京都動物愛護相談センターが詳しく紹介してくれています。
1 事前相談・施設の設置
2 飼養・保管許可申請( 動物の種類ごと )
3 施設の検査
4 飼養保管許可( 有効期間は5年間 )
5 飼養・保管開始( 標識の掲示・基準等の遵守 )
6 識別措置の実施及び届出( 飼養を開始後30日以内 )
7 飼養・保管許可申請( 更新 )参照: 東京都動物愛護センター
ざっくり言うと、施設を準備して書類を提出すれば手続き上は許可が下りる可能性があるということですね。
他にも識別措置の実施とあるのでマイクロチップを埋め込む等の処置も必要です(逃げても超目立つのでマイクロチップ必要なさそうですけどw)
今まででペットとしての飼育例を聞いたことがないのでかなり許可を得るハードルは高いですが…
サーカス団なんかでは法人名義ではなく個人名義で許可を取ることもあるそうです。
家の庭を持て余して持て余して仕方ないという方は是非チャレンジしてみてください!
ちなみに特定動物は散歩をするのにも許可が必要なので、狭い庭で無理やり買ってしまうとキリンちゃんがめっちゃかわいそうなことになります…
キリンもペットです!ですので純血か雑種かというので値段は大きく変わります。
純血だと1000~1400万円、雑種だと300~500万円ほどが相場のようです。
キリンを輸入するには大きく二つの方法を乗り越えないといけません。
それは「1.売ってくれる人を探す」と「2.検疫を突破する」です。
それぞれに分けて説明しましょう。
実際にgoogle で検索するとわかるのですが"キリン 購入"とか"キリン 輸入" で検索しても日本語だと中々目ぼしい情報がありませんね…
やはりあまり買う人がいないので市場が全然整っていないです、なんでも揃うと評判なアマゾンでも見つかりません。
英語であればそれなりにヒットしますが、当記事は"日本で"キリンをペットとして飼う方法を書いているつもりです。
なんとか日本語が通じる業者さんを見つけたい…
探して…探して…探して…
あった!
弊社は、「小さなメダカから大きなキリン、ゾウにいたるまで」を掲げてきた会社でございます。
東京都が本社のこちらの 川原鳥獣貿易株式会社 さんがもはや社是にまで掲げてくれています。
ドメインまで http://www.mita-kirin.co.jp/ とキリンが入っているという徹底ぶりです。
メダカからキリンまでカバーしているという守備範囲の広さなので一安心ですね。
※個人向けの販売も行っているかは確認を取っていません。冷やかしでは連絡しないで下さい。
前述のようなプロの業者さんに頼めばすべて安心だとは思いますが、キリンを飼おうとする方の中には「アフリカの友人に頼もう」というワイルドな発想の方もいらっしゃることと思います。
その場合に問題になるのがこの項目で説明する"検疫" です。
実は結論から言うと、キリンは アフリカから直接輸入することが出来ません !
何故かというとアフリカからの輸入では検疫を突破することが出来ないからなんですね…
そもそもなぜ検疫が必要かというと、家畜伝染病予防法という法律で定められた「法定伝染病」が国内に動物と一緒になって持ち込まれるを防ぐのが大きな目的になります。
輸入許可を貰う際には現在この「法定伝染病」が発生していないかや、適切な防疫体制が整っているかがカギになりますが、キリンが生息するアフリカの国々は今現在その基準をクリアしていないんですね…
なので、防疫体制が整った国を経由したり、国内の動物園から譲り受ける等の方法を取る必要があります。
ちなみにこの検疫で防ごうとしてる「法定伝染病」なんですが、キリンの場合は「口蹄疫(こうていえき)」という病気になります。
名称そのまんまで「口」や「蹄(ひづめ)」に病変を作るのですがこいつがヤバい。
致死率は高くないのですが、感染力が非常に強いため感染が確認されると半径30km内で移動制限がかかります。
また偶蹄目にしか感染しないという特徴を持っているので人間には感染しません。
偶蹄目とは蹄がチョキみたいに二股に分かれているヒツジとかヤギとかですね(人間はそもそも蹄がないので違います)。
キリンの特徴は首が長いことです!
はい、すいませんちゃんと書きます。
冒頭でも書いた通りキリンの体高は5メートルもあります。
これってビルやマンションの2階ぐらいの高さですね。
当然そのほとんどの高さを首で稼いでいるんですが、実は首の骨の数は7個だというのだから驚きです。
ですので実はあの首はめっちゃ曲がります。
疲れたらこんな風に休めるんですね。
ちなみに寝る時は通常立ったまま眠るのですが、睡眠時間は非常に短く、冒頭でも書いた通り1時間の睡眠時間程でも暮らしていけるようです。
それで寿命は30年もあるのですから非常にタフな動物ですね。
ちなみに飛行機やコンテナでの移動中もこんな感じでずっと首を曲げているそうです…
確かに入らないのでどうしようもないですがかわいそうですね…
キリンは草食動物ですので葉っぱを食べます。
あの長い首も高いところの葉っぱを効率良く食べるために発達したと言われています。
ちなみに高いところの葉っぱを食べるのがオスで、低いところにある葉っぱを食べるのがメスです。
長~い首にこれまた長~い下で葉っぱを絡めとるよう引き込み、櫛状の歯で葉っぱをしごきとります。
まじまじと見ると少し気持ち悪いですねw
このキリンの舌は45センチほどの長さがあるようです。
またキリンは満腹まで食べると70キログラム程の餌を食べるそうです。
厳しいサバンナでの生活に耐えるため、10キログラム程の餌でも暮らしていけるというのだから適応力がすごいですね。
実際に日本で買う場合は餌用に木を毎日買っていると破産してしまうので、合成飼料や根菜等も与えましょう。
動物園では一日3000円ほど、月だと10万円ほどにエサ台を抑えているところが多いみたいです。
また、通常は葉っぱに含まれる水分だけで暮らしていけるのですが、上記のように葉っぱ以外の餌で育てようとすると水分不足になることがあります。
その場合は低いところで大丈夫なので水桶やプールにでも水を入れて飲めるようにしておいてあげましょう。
以下はキリンが水を飲んでいる様子ですがいつ敵に襲われてもいいようにこんな格好をして水を飲んでいるそうです。
なかなかシュール…!!
ここまででキリンの食事や睡眠方法に関して学ぶことが出来ました。
最後にキリンを飼うに当たって是非注意してほしいことを書いて終わりにします。
雷は高いところに落ちます。
のでやはりキリンにも落ちます。
冒頭でも書いた通り、キリンはライオンを蹴り殺すほどのキック力を持っています。
足元に不用意に近づかないようにしましょう。
キリンは自分より背の高いものには攻撃的になるそうです(餌を取られるから…?)
ですので間違っても大型ロボットに乗ってキリンに近づかないようにしましょう。
まだまだキリンに関してお伝えしたいことはありますがそれはまたの機会にしましょう。
どうでしたか?皆さんもキリンを飼いたくなりましたか?
興味を持って飼い方もわかったあなたなら日本で初めてキリンをペットにする人になれるかもしれません。
実際にキリンを飼う際には是非Petpedia 編集部にもご一報くださいね。
最終更新日 : 2022/02/17
公開日 : 2016/03/13