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【獣医師監修】ハムスターの病気まとめ。予防方法と対策、症状、原因まで!






体が小さく弱いハムスターは、病気になると致命傷になることも多く、かつ治療出来る病院も犬や猫に比べてはるかに少ないのが現状です。
その分、普段からの観察と予防がより重要になってきます。

今回は、ハムスターの病気と健康について飼い主として知っておきたいことをまとめました。

ハムスターの病気の予防と対策、掛かりつけの病院について、ハムスターの健康状態、病気の種類と症状など、気になる項目を1つずつ確認していきましょう。
小さな彼らの健康を守るため、少しでも本記事がお役に立てれば幸いです。

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【目次】【獣医師監修】ハムスターの病気まとめ。予防方法と対策、症状、原因まで!

 

ハムスターの病気の予防と対策

1. 生活環境の管理をしっかりする

2. ケージは適切な大きさ、素材のものを選びましょう

3. 多頭飼いについて

4. ストレスを与えないようにする

5. ケージ内は毎日チェックする

6. 健康診断を受ける

7. 肥満予防

8. 交配、繁殖はよく考慮して

掛かりつけの病院を見つけておく

ハムスターの健康な状態とは?

1. 耳

2. 目

3. 鼻

4. 口

5. おしり、しっぽ、排泄物

6. 毛並み

7. 手足、歩き方

8. 身体に傷は無いか

9. 行動

ハムスターの病気の種類

1. 皮膚の病気

2. 腫瘍、悪性のガン

3. 口内、口回りの病気

4. 目や耳の病気

5. 呼吸器官の病気

6. 消化器官の病気

7. 泌尿器系の病気

 

 

ハムスターの病気の予防と対策

 

ハムスター

 

まずハムスターには予防接種というものがありません。

 

また、その小さな身体ゆえ、一度病気にかかると治療が難しく、ハムスターを治療してくれる病院も少ないのが現状です。

そのため、ハムスターの健康を守るためには治療よりも日々の予防が大切になります。

 

1. 生活環境の管理をしっかりする

 

ハムスター 眠たい

 

ハムスターは乾燥には強く、湿った環境が得意ではありません。

常に安定した室温を保つことが大切で、最も飼育に適した温度環境は20~24ºC、湿度は45~55%とされています。

 

なお、ハムスターは気温が5℃以下になると疑似冬眠に入ってしまいます。

この疑似冬眠は睡眠とは全くの別物で、非常に体力を消耗し、そのまま死んでしまうこともあるのです。

 

余りにも寒い冬はエアコンで室内温度を暖めたり、ペットヒーターを利用して気温の低下を抑えましょう。

 

2. ケージは適切な大きさ、素材のものを選びましょう

 

ハムスター ケージ

 

ハムスターの大事なテリトリーは、動き回るのに十分な広さを確保してあげましょう。

また、ケージを上ったり、かじったりして、怪我をする場合もあるので、2階や3階の設備があるものは控えた方が良いです。

 

場合によっては ケージ でなく、水槽やプラスチックのケースでも代用が可能です。

 

3. 多頭飼いについて

 

ハムスター 多頭飼い

 

ハムスターは親子、兄弟であっても、ケンカにより死亡することがあるため単独飼育が基本です。

種類によっては複数飼育が可能である場合はありますが、元々が縄張り意識の強い動物なのです。

 

多頭飼いをする場合は別ケージで飼育するようにしましょう。

 

4. ストレスを与えないようにする

 

ハムスターにとってストレスは病気の元になります。

強い匂いを発する場所での飼育は避ける、ケージは騒音がしない場所に置く、十分遊んだり運動できる環境を用意する、嫌がるときは無理に身体に障ったりしないなど、ハムスターがなるべくストレスを溜めないよう心がけましょう。

 

ハムスターはもともと夜行性なので、夜間活動し、日中は穴に潜って寝るのが本来の姿です。

寝ている時間帯に起こす行為は、ハムスターにとってストレスになります。

 

5. ケージ内は毎日チェックする

 

ハムスター ケージ

 

まず、お水は毎日取り替えましょう。

エサ に関しては、腐りやすいもの以外は毎日取り替える必要はありません。

常に十分な量が入っているか確認をしてください。

 

ハムスターは頬袋や巣箱に溜め込む習性があり、それが腐敗の原因になったりします。

定期的に巣箱の中を確認し、かわいそうではありますが、ため込んでいる餌は処分しましょう。

 

また、ハムスターはオシッコの場所は覚えますが、うんちはケージ内であれば色々なところにします。

ハムスターの健康のために、ケージのお掃除は毎日行いましょう。

 

ただ、彼らは夜行性です。

ストレスや睡眠不足にならないように日中は寝かせてあげて、夕方ごろお世話をするのが良いでしょう。

 

6. 健康診断を受ける

 

ハムスターの飼育をはじめて2週間程度したら、特に異変がなくとても健康診断を受けるのが良いでしょう。

検便や外観上ののチェックなどして貰えるはずです。

 

その後は1歳のうちは半年に一回、2歳になれば2〜3ヶ月に一度程度は健康でも健康診断を受けるのが望ましいです。

 

7. 肥満予防

 

ハムスター 体重チェック

 

食べすぎや運動不足による肥満は、万病の元になります。

ハムスターが十分運動出来るように十分な広さをもったケージにして、回し車は体格に合ったものを用意するようにしましょう。

 

また、食事は高カロリーのものは避け、主食、副菜をバランス良く与えるなどして日頃から肥満を予防するようにしてください。

 

8. 交配、繁殖はよく考慮して

 

ハムスター 赤ちゃん 生まれたばかり

 

まずハムスターの避妊手術、去勢手術についてですが、 と違いハムスターはその小さな身体故、生殖器の摘出手術は負担も大きく、基本的には行わないものと考えてください。

 

オスとメスが一緒にいればいつの間にか子供が生まれていたという事態になりやすいです。

交尾の後にオス・メスが一緒のままの状態だと、オスがメスに攻撃され大けがを負うこともあります。

 

また、たくさん生まれてしまうと里親を探す必要があります。

たくさんのハムスターを飼育すると、目が行き届かなくなってしまうこともあります。

そのため、交配はよく考えて行いましょう。

 

オスとメスは別々のケージで飼育し、一緒にならないように気を付けることをお勧めします。

 

 

掛かりつけの病院を見つけておく

 

ハムスターが受診できる病院は少ないのが現状です。

いざという時のためにも、ハムスターを飼いはじめたらきちんと受診できる病院を見つけておきましょう。

 

 

ハムスターの健康な状態とは?

 

病気や怪我の早期発見のためには、飼い主が日頃からハムスターと触れ合い、健康状態を把握しておくことが重要です。

ハムスターの身体に異常は無いか、健康な状態であるかを確認しましょう。

 

hamstar03

 

1. 耳

 

健康な状態であれば、耳はピンと立っています。

くしゃくしゃと歪んでいたり、異常に汚れていないか、赤くなっていないかを確認しましょう。


2. 目

 

目はパッチリと開いているか、目ヤニが出ていないか、涙が異常に出てはいないか、色はおかしくないか、赤く腫れていないかを確認しましょう。

 

3. 鼻

 

ハムスター 鼻

 

鼻水は垂れていないか、くしゃみや咳はしていないかを確認しましょう。

 

4. 口

 

歯が伸びすぎていたり、折れていないか、口臭は無いか、頬袋か飛び出ていないか、口は開きっぱなしになっていないかを確認しましょう。

 

5. おしり、しっぽ、排泄物

 

ハムスター おしり

 

おしり周辺は濡れていないか、下痢はしていないか、排泄物に血は混ざっていないか等を確認しましょう。

 

6. 毛並み

 

体調の悪いハムスターは毛づくろいをあまりしなくなるため、ボサボサと毛並みが悪くなります。

毛並みは乱れていないか、ベタベタと毛が固まって張り付いたりしていないかを確認しましょう。

 

7. 手足、歩き方

 

ハムスター 手足

 

手足に出血は無く、腫れていないか、白くなっていないか、爪や脚が不自然に曲がったりしていないかを確認しましょう。

 

8. 身体に傷は無いか

 

傷口からの出血や、出来物、不自然なしこりが無いかなどを確認しましょう。

 

9. 行動

 

ハムスター 回し車 行動

 

ハムスターはとても我慢強い動物と言われていますが、それは野生の本能で、外敵に弱っている姿を見られないようにするためです。

 

”身体が痛くてどうしたら良いか分からず、異常に走りまわる”

”休み無く動き回っている”

 

このような行動が見られたら、病気の可能性を疑いましょう。

 

逆にじっと動かない場合ですが、余りに身体の痛みが激しい時、ハムスターは身体を動かさずにじっとしているときがあります。

 

”ついさっきまで元気に走り回っていたのに突然動かなくなった”

”活動時間になってもずっと大人しいまま”

 

このようなことがあれば、余りに痛すぎて身動きすら取れなくなっている可能性があります。

 

 

ハムスターの病気の種類

 

hamstar04

 

ハムスターは身体が小さいため、食べ物や生活環境によるストレスの影響を受けやすく病気の進行も早いです。

手術や投薬といった対処も限られているので、気が付いた頃には手遅れということも少なくありません。

 

飼い主が日頃から様子を観察し、少しでも様子がおかしいと感じたらすぐに病院に連れて行きましょう。

 

1. 皮膚の病気

 

細菌性、真菌性、ダニ性、アレルギー性、栄養欠乏性、内分泌性の皮膚炎などがあります。

おなか、胸、わき腹などの広い範囲の毛が抜けたり、かゆみを伴う発疹、フケやかさぶたができます。

床材や食事でアレルギー症状を起こしたり、ダニの繁殖により発症します。

 

アレルギー性の皮膚炎に関しては肥満のハムスターに多いので、日頃の食生活には気を使いましょう。

また、ダニや細菌の発生を避けるためにも、ケージ内をは常に清潔にしてあげてください。

 

2. 腫瘍、悪性のガン

 

悪性のガン、腫瘍、膿瘍、脂肪腫、皮下膿瘍、皮脂腺腫などがあります。

ハムスターに最も多いとされる病気です。

 

身体にしこりや、出来物が出来たり、皮下に腫瘍ができたりします。

高齢のハムスターに多く、発見が遅れることもありますので普段からよく触りチェックしてください。

 

日頃からご飯のチェックや、水の減り方、運動量の変化等も注意して観察しましょう。

なお、腫瘍の中には短期間で大きくなるものもあるので、しこりや出来物を発見したら早めに動物病院を受診するようにしてください。

 

3. 口内、口回りの病気

 

頬袋の脱出、不正咬合、歯肉炎などがあります。

柔らかいものや、甘いものを食べ過ぎて前歯が伸びすぎたり、かみ合わせが悪くなる、口内に傷が出来て細菌が感染するなどが原因です。

 

症状としては口臭がきつくなったり、口内で出血することがあります。

頬袋が反転して口からはみ出してしまうと、うまく食べられなくなり衰弱してしまいます。

 

さらに、頬袋脱の状態が長く続くと頬袋が浮腫を起こしてしまい最悪の場合壊死を起こします。

麻酔をかけて切除することがほとんどですので、口から肉のようなものがはみ出していれば早急に受診しましょう。

 

4. 目や耳の病気

 

外耳炎、結膜炎、角膜炎、白内障、緑内障、眼球突出などがあります。

外耳、結膜、角膜炎は、巣箱の中で繁殖した細菌やカビ、床敷きの素材が原因になることもあります。

 

予防するには常にハムスターの生活環境を清潔にする、とがった素材や硬い素材の床敷きは使用しないのが一番です。

眼球突出は細菌感染により瞼の裏に膿や脂肪が溜まったり、眼球付近に腫瘍ができることが原因になります。

 

緑内障の進行で発祥することもあり、緊急を要するため、すぐに病院に連れて行きましょう。

 

5. 呼吸器官の病気

 

肺炎、鼻炎などがあります。

細菌感染やストレスで罹ることが多く、風邪や鼻炎が進行すると肺炎になることもあります。

 

鼻から”びゅうびゅう”と音が出るくらいになると重症化しており、こじれてしまうと命にかかわる場合もあります。

鼻水が出ていたり、呼吸の仕方がおかしいと感じたらすぐに病院に連れて行ってください。

 

6. 消化器官の病気

 

腸炎、腸閉塞、直腸脱、ウェットテイルなどがあります。

腸炎の原因は寄生虫、細菌など様々です。

 

これらの原因で下痢を起こした場合は致命的な症状に陥ることが多く、衰弱が激しいと早くて2~3日で死亡します。

腸炎に関わらず、環境変化によるストレスでも下痢をすることがあり、直腸脱にまで進行する場合もあります。

 

下痢の症状が現れたら、緊急を要すると考えた方が良いでしょう。

 

7. 泌尿器系の病気

 

膀胱炎、尿路結石、腎炎、腎疾患などがあります。

尿がオレンジ色や赤くなる、尿の回数が増える、尿の量が減る、水を飲む量が増えるなどの症状があります。

 

原因としては細菌感染、カルシウムやたんぱく質の取りすぎが挙げられます。

また、ハムスターが高齢化すると腎機能が低下し腎炎や腎不全に陥りやすくなります。

 

腎機能は一度壊れてしまうと元には戻らず、そのまま息を引き取る場合がほとんどです。

トイレの中をチェックしたり、床材をキッチンペーパーに替える等して尿の色の変化を認しましょう。

 

 

本記事ではハムスターの病気について解説しました。

 

ハムスターは寿命が約2年と短く、病気になっても治療方法が限られます。

できるだけ健康に長生きできるよう、普段から環境、食事、健康管理に気を付けていきたいものです。

 

いつもと違うと感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。

 

 

監修:獣医師 平松育子(ひらまつ いくこ)

 

山口大学農学部獣医学科(現:山口大学共同獣医学部)卒業後、複数の動物病院で勤務医を経て、ふくふく動物病院を開業する。

また、YICビジネスアート専門学校ペット総合科で講師を務める。

 

その他、AIAJ認定アロマテラピーインストラクターとして、人とペットが楽しめるアロマテラピーにも取り組む。

飼い主様としっかりコミュニケーションを取ることを大切にし、飼い主様とペットの笑顔に繋がる診療を心がけている。


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